ハイレゾマスターをCDにダイレクトカッティングする技術

-ビクタークリエイティブメディア開発。9月から発売


HRカッティングのロゴマーク

 ビクタークリエイティブメディアは8日、マスタリングスタジオで制作したハイビット/ハイサンプリングのマスター音源からCDを製作する際に、16bit/44.1kHzのマスターを作成せず、ダイレクトにCDへ変換・カッティングできる「HR(ハイレゾリューション)カッティング」技術を開発したと発表した。

 同技術を用いて作成されたCDは、9月21日以降、テイチクエンタテインメントなどから順次発売予定。


品番タイトル発売日予定日
TECI ‐1310想/INORAN9 月21日
TECG‐25053浄夜/新良幸人(アラユキト) + サトウユキ子10月12日
TECI ‐1314紅樹 ~ nobumako no uta~/信政 誠(ノブマサマコト)10月19日

通常のカッティングとの比較図

 通常、CD信号をカッティングする場合、ハイビット/ハイサンプリングのマスター音源から、一旦16bit/44.1kHzのDDP(Disc Description Protocol)マスターを作成し、そこからCDを製作している。

 しかし、制作現場から「ハイレゾリューション音源の音質をそのままCD化したい」という要望が出され、「HRカッティング」技術が開発されたという。ビクターの「K2技術」が使われており、24bit/176.4kHzの信号から、16bit/44.1kHzに「音楽エネルギーを等価変換しながらCDカッティングできる」という。

 なお、作られるCDは16bit/44.1kHzであるため、通常のCDプレーヤーで再生可能。ビクタークリエイティブメディアでは「xrcdに匹敵する高音質を、さらに多くの人に提供できる」としている。

 このHRカッティングは、通常のCD作成以外にも、SHM-CDとも組み合わせが可能。SHM-CDは、CDの基板素材に、従来のCDより透明性の高い液晶パネル用ポリカーボネート樹脂を使用することで、音質の向上を図ったもの。



(2011年 9月 8日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]