ソニー、カナル型イヤフォン付のICレコーダ

-テープレコーダ置換え用のSDレコーダも


FMチューナも備えた「ICD-UX523F」

 ソニーは、ICレコーダの新モデル「ICD-UX523」を10月21日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は1万円前後の見込み。このモデルをベースに、FMチューナとラジオ録音機能、カナル型(耳栓型)イヤフォンとダイレクト録音用ケーブルを追加した「ICD-UX523F」も同時発売。店頭予想価格は13,000円前後となる。

 また、簡単な操作性やわかりやすさを重視し、テープレコーダからの置き換えをコンセプトに開発されたメモリーカードレコーダ「ICD-LX30」も10月21日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8,000円前後。




■ICD-UX523/UX523F

 2モデルとも、4GBの内蔵メモリを備えたICレコーダ。外部メモリ用スロットとしてmicroSDカードスロットも備えている。音楽再生プレーヤーとしても使用でき、再生対応フォーマットはMP3/WMA/WAV/AAC(DRMファイルの再生は非対応)。両モデルともステレオイヤフォンを同梱しているが、ICD-UX523Fのイヤフォンはカナル型で、単品イヤフォン「MDR-EX300」相当のものが付属する。

FMチューナも備えた「ICD-UX523F」。左からシャンパンゴールド、ホワイト、ブラック、レッドベーシックモデルの「ICD-UX523」。左からシルバー、ピンク、ブルー、バイオレットICD-UX523Fのイヤフォンはカナル型で、単品イヤフォン「MDR-EX300」相当のものが付属

 また、523Fにはウォークマンやラジカセ、テープレコーダなどとアナログ接続できる録音用ケーブルを同梱。これらの機器の再生音をICレコーダでデジタル録音できる。また、FMチューナも523Fのみ内蔵。FM放送の録音もできるが、予約録音はできない。

 カラーバリエーションは「523F」がシャンパンゴールド、ホワイト、ブラック、レッド。「523」はシルバー、ピンク、ブルー、バイオレットを用意する。

 それ以外の主な特徴は共通。マイクは高感度・低ノイズな内蔵マイクと録音システムを組み合わせた「Sマイク・システム」を採用。従来はマイクを両側の側面に搭載していたが、録音対象に側面を向けてしまうユーザーもいたことから、上部の角をまるくした新デザインを採用した。

 録音フォーマットはリニアPCM(16bit/44.1kHz)、MP3の192kbps、128kbps、モノラルの160kbps、48kbps、8kbpsから選択可能。

従来モデル(右)はマイクを両側の側面に搭載していたが、録音対象に側面を向けてしまうユーザーもいたことから、上部の角をまるくした「ICD-UX523」側面。厚さは13.7mm

 再生時にノイズを約80%低減させながらも、人の音声はあまり変化させない「強力ノイズカット」機能も搭載。「会議」や「おけいこ」など、シーンを選ぶだけで最適な録音設定ができる「シーンセレクト」機能も備えている。録音ファイル再生時にトラックマークを1ファイルに最大98件登録可能。

 PC接続用のUSB端子は本体に内蔵。従来は蓋が上に開いて端子が出てくる機構を採用していたが、新モデルでは蓋が本体内部にスライドインするスマートな機構に進化した。背面に搭載したスピーカーも16mmから20mmに大型化している。

従来モデルのUSB端子部は、蓋が上に跳ね上がる構造だった新モデルは蓋が内部に格納される形になっている

 ほかにも、録音時の目安に表示する録音レベルや、録音ファイルを日付から探せる「カレンダーサーチ」機能も新たに搭載。フォルダ名、ファイル名の編集が本体で可能になったほか、再生時に聴きたいところを素早く探すイージーサーチ機能の、送り/戻し間隔が選択できるようになり、5分や10分といった長時間の間隔も選択できるようになった。

 付属のPCソフトは「Sound Organizer」。音声の編集、管理、ディスクへのライティングなどが可能。さらに、アドバンスト・メディアの別売音声認識ソフト「Ami voice SP」とも連携可能になり、「Sound Organizer」のアイコンから「Ami voice SP」を立ち上げられるようになった。

 電源は単4電池1本で、ニッケル水素充電池を同梱。バッテリの録音可能時間は約30時間。キャリングポーチ、USB接続補助ケーブルなどを同梱する。

 2モデルのサイズと重量は共通で、102×36.6×13.7mm(縦×横×厚さ)で、約58g。



■ICD-LX30

 ICレコーダの市場が広がる一方で、年配層を中心にテープレコーダを愛用している人も存在する。そうした層に向けて、分かりやすさ、使いやすさを重視して開発されたメモリーカードレコーダ。2GBのSDカードが付属する。

 据え置き型の筐体で、本体にメモリは内蔵しておらず、分かりやすさを重視してSDカードスロットのみ装備。利用者や利用目的に合わせてSDカードを用意する使い方を想定している。

SDメモリーカードレコーダのICD-LX30SDカードに録音する前面にマイクを搭載している

 本体表面にある赤い録音ボタンを押せばすぐに録音でき、録音中は液晶画面に輪っかのようなイラストが回転する表示が現れる。これは、テープレコーダで録音時に、内部でテープが回転しているのを目にする事で、「しっかり録音できている」という安心感を得るユーザーが多いとのリサーチ結果から考案された機能。

録音中はテープが回転しているような表示が出る録音した日時から録音音声を探すストラップが最初からついている

 再生も本体表面の大きな再生ボタンで可能。ディスプレイには録音した日付と時間が表示され、難しいファイル名などが目に触れないようになっている。録音ファイル検索も日付で行なう。

 録音・再生はMP3のみ対応で、DRM付ファイルの再生には非対応。録音レートはステレオで192kbpsとなっている。

 本体に36mm径、出力330mWのモノラルスピーカーと、イヤフォン出力を搭載。マイク入力を兼用したアナログオーディオ入力も備えている。筐体は机の上などに置いた場合に、前方がわずかに高い傾斜がついており、前方にマイクを内蔵。コーラスやスピーチ、習い事、講演会の録音などに活用できる。

 電源は単4電池2本。外形寸法は116×78×28.5mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約145g。ハンドストラップが付属しており、最初から製品にはストラップが取り付けられている。キャリングポーチも同梱する。


(2011年 9月 26日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]