「秋のヘッドホン祭'11」。AKG新密閉型ヘッドフォン

　「秋のヘッドホン祭 2011」が10月29日に開催された。会場は東京 青山の「スタジアムプレイス青山」。

　ヘッドフォン祭りは、東京・中野にあるAV機器専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催するヘッドフォン/イヤフォン関連イベントで、イヤフォンやヘッドフォンのほか、アンプやUSB DACなどの新製品が多数披露された。

■ AKG、新密閉型ヘッドフォン「K550」

K550

　ハーマンインターナショナルは、AKG製の密閉型ヘッドフォン新モデル「K550」を参考出品した。11月中の発売を予定しており、価格は3万円前後の見込み。

　一見するとAKGが得意とするオープンエアー型に見えるが、密閉型のヘッドフォンとなっており、マイラー素材の振動板とアルミボイスコイルによる新開発50mmドライバを搭載。ドライバ本体や内部ハウジングの空気の流れを調整するベンチレーションシステムと、インナーバスレフエンクロージャにより、低音再生時も安定した駆動を可能にしたという。

　ハウジング部は、折り畳み可能な2D-Axis機構を採用し、収納時に利用できる。またヘッドバンドやハウジングハンガーには金属素材を、ヘッドバンド部とイヤーパッドにはレザー調の素材を採用している。

　周波数特性は12Hz～28kHzで、感度は94dB/mW。インピーダンスは32Ω。ケーブル長は3mで、高純度OFCケーブルを採用。重量は305g。

K550	新開発の50mmドライバを搭載。内側に大きくL/Rの印字	折り畳みも可能

　また、9月に発売したカナル型イヤフォンの最上位モデル「K3003」の試聴も人気を集めていた。

　K3003は、バランスド・アーマチュアユニット(BA)とダイナミック型ユニットを両方搭載した3ウェイシステムとなっており、高域用と中域用にBAユニットを、低域用にはダイナミック型ユニットを採用している。実売価格約13万円と高価なモデルだけに試聴の列もできていた。

K3003	K3003の付属品

■ Monster

Miles Davis Trumpet

　Monsterは、新イヤフォン「Miles Davis Trumpet」を出展している。小型の金属のハウジングと、トランペットのピストン部をモチーフにしたマイク内蔵のボリューム/コントローラを備えている点が特徴で、11月中旬の発売を予定。価格は3万円前後の見込み。

Miles Davis Trumpet	コントローラ部	beats by dr.dreの各製品も

■ ラトックシステム

HDMI DSD DAC

　ラトックは、HDMI入力を装備し、SACDプレーヤーなどからHDMI出力されたDSD信号をそのままデコードできる「HDMI DSD DAC」を参考出展している。

　パイオニアやソニーなどのSACDプレーヤーやSACD対応BDプレーヤーでは、HDMIからDSD信号をストリーム出力する機能を有している。このHDMI DSD DACはこうしたSACDプレーヤーなどとの組み合わせを想定している。従来からAVアンプではHDMIからのDSDデコードに対応した機器が発売されているが、オーディオ用としては少ないため、HDMI DSD DACを企画したという。

　数社からDSD DAC LSIが販売されており、どのチップを採用するかはまだ最終決定していないが、Wolfsonの「WM8741」が有力とのこと。iPhone/iPodからのデジタル入力に対応したUSBやS/PDIF入力も装備する。2012年の発売を検討中で、価格は20～30万円前後の見込み。

　また、ルビジウムクロックジェネレータも参考出展。年末から2012年初頭の発売を予定しており、価格は70～80万円前後。約7分の高速ウォームアップが特徴とのこと。

HDMI DSD DACの利用イメージ	ルビジウムクロックジェネレータ

■ MixWave

　完実電気ブースに出展したMixWaveは、バランス入出力を備えたALO Audio製のポータブルアンプ「RXampMKIII」を発表。RXampMLIIの後継モデルで、2012年に発売予定。価格は未定。バッテリを内蔵したポータブルアンプで、バランス対応のほか、BassBoost機能も搭載している。

ALO Audio「RXampMKIII」	背面

　また、JHAudioの24bit/96kHz対応DAC搭載ポータブルヘッドフォンアンプ「JH-3A DSP AMP」も出展。JHAudioのマルチウェイカスタムイヤフォン「JH16PRO」とポータブルアンプの組み合わせたシステムで、ネットワークをイヤフォン側から省き、アンプ側に内蔵。2本のケーブルでそれぞれのユニットを駆動する。発売時期は未定だが、価格は20万円前後の見込み。

JH-3A DSP AMP	イヤフォン部

■ フューレンコーディネート

　NuForceの新製品としてiPhone/iPodデジタル入力対応のUSB DAC「Icon iDo」を発表している。

　同社USB DAC/デジタルアンプ「Icon」シリーズ共通の筐体を採用し、iPhoneやiPodなどのデジタル入力に対応したUSB DAC。iPodデジタル入力のほか、同軸デジタル入力にも対応する。日本での販売時期や価格は未定だが、米国での実売価格は250ドルとのこと。

Icon iDo	背面

■ ポーカロライン

KeySooundのヘッドフォンアンプロトタイプ

　KeySoundブランドの新製品として、3モード音質調整が可能なヘッドフォンアアンプのプロトタイプを参考展示。展示品はやや大きめの筐体を採用しているが、製品化時にはポータブルアンプとして発売予定。

　回路やフィルターを切り替えて、3種類の音質が楽しめるスイッチを装備。好みにや楽曲応じてアンプの出力音を切り替えられる点が特徴。「音質を変えられる楽しさを訴求していく」としている。Bassboost機能を搭載し、バッテリは乾電池とする予定。2012年初頭の発売を予定しており、価格は4万円以下の見込み。

■ FURUTECH、Shureなど

　FURUTECHは、αADLブランドのヘッドフォンアンプ「ESPRIT」を参考出展。24bit/96kHz対応のUSB DACと192kHz対応の同軸デジタル入力を装備する。同社の従来製品「GT-40 USB DAC」からフォノイコライザを省略しているが、回路やチップは一新し、音質を強化した。発売日は未定だが、価格は7万円前後の見込み。

ESPRIT	背面	ポータブルヘッドホンアンプ新製品「CRUISE」。39,800円

ETYMOTIC RESEARCHの新製品も試聴可能	SE535LTDが人気のShureブース	オルトフォンはケーブル新製品