パナソニック、業務用の新映像コーデック「AVC-ULTRA」
-AVC-Intra比2倍の200Mbps、高圧縮も。Inter BEE出展
パナソニックは8日、放送/業務用の新たなビデオコーデックシリーズ「AVC-ULTRA」を開発したと発表した。
「AVC-ULTRA」は、マスタリング用の高画質映像から、ネットワークを介したWEBブラウジングまで幅広い用途に使用できるという、MPEG-4 AVC/H.264ベースのプロ用ビデオ圧縮コーデック。
同社が2007年に開発したコーデック「AVC-Intra」を拡張。“次世代マスタリング高画質”を実現するという「AVC-Intra class 4:4:4」と「AVC-Intra class 200」、より高圧縮/高コストパフォーマンスの映像制作を実現する「AVC-LongG(ロングジー)」、低ビットレートでも高画質化できるH.264ベースのプロキシ映像「AVC-Proxy」を加え、新たに体系化したものを「AVC-ULTRA」としている。
「AVC-Intra class 200」は、AVC-Intra 100の倍に相当する約200Mbpsのビットレートで、1,920×1,080ドット、10bit 4:2:2サンプリング、イントラフレーム圧縮を行なう。さらに4K/2K解像度に対応した「AVC-Intra class 4:4:4」(4K/2K、12bit 4:4:4サンプリング、イントラフレーム圧縮、ビットレートは検討中)を加えることで、「映画/CM/テレビ放送のマスターフォーマット映像も、非圧縮データと比べても遜色ないクォリティで効率的な運用が可能」としている。
「AVC-LongG」は、AVCHDを超える高画質を実現するために開発。1,920×1,080ドット、10bit 4:2:2サンプリング、Long GOP圧縮、映像ビットレート約25Mbps~50Mbpsで、コストパフォーマンスの高い映像制作が可能になるとしている。
今後は、AVC-ULTRAコーデックシリーズを搭載したカメラレコーダなどを製品化するとともに、ビデオ編集/送出機器メーカーやソフトウェア開発業者らとパートナーシップを結んだ事業者/企業に対してAVC-ULTRAコーデックを提供していく。
なお、11月16日~18日に幕張メッセで開催される国際放送機器展「Inter BEE 2011」のパナソニックブース(ホール5)において、「AVC-ULTRA」のサンプル映像が上映される。
Inter BEEの同社ブースでは、このほかにも19型ラックサイズ幅の本体で9系統の入力が可能なライブスイッチャー「AV-HS410N」(12月発売/157万5,000円)や、コンパクトな筐体に20倍ズームレンズを備えたフルHD対応の回転台一体型リモートカメラ「AW-HE120W」(2012年2月発売/90万8,250円)なども出展される。
(2011年 11月 8日)
[AV Watch編集部 中林暁]