【CES】4K/20.4型液晶や新VIERAのデザインを訴求
-パナソニック。ウェアラブルビデオカメラも
パナソニックブース |
パナソニックは、SMART VIERAを中心にした「Digital AV Network」と「Energy Solutions」の主に2系統でブースを構成している。
注目したい参考展示品は、4K表示ディスプレイとして、世界最小となる20.4型/4Kディスプレイ「20型4K2K IPSα液晶パネル」。1インチあたり216画素(216ppi)と世界最高の精細度を有するとともに、世界最薄の厚さ3.5mmを実現した。
20型4K2K IPSα液晶パネル |
解像度は3,840×2,160ドット。216ppiという高い精細度を実現するために、新画素構造を採用。従来の画素配列では画素内の配線比率が高まり、電界影響で液晶配向が乱れ、コントラストが低下するなどの課題があったが、新配列ではこの電界影響を大幅に低減するとともに、パネルの透過率を従来構造比の約2倍に高めたという。
さらに、「新液晶配向プロセス技術」を採用し、パネルの透過率を従来構造比で約2倍に向上。バックライトの光を効率的に活用できるため、4K2Kパネルとして世界最薄の厚さ3.5mmを実現するとともに、同サイズのフルHDパネルと同等電力で4K表示が可能になったとする。
輝度は450cd/m2、色再現性は70%。デモでは静止画と動画の展示のほか4KとフルHDの比較なども行なっていた。
20型4K2K IPSα液晶パネル | 厚さは3.5mm | 背面 |
20型4K2K IPSα液晶パネル | 厚さは3.5mm | 写真ではわかりにくいがフルHDとの比較も |
実用化に向けた技術試作段階とのことだが、「4Kパネルの製造自体に大きな課題はなく、市場性が問題。テレビ以外の用途も模索している」とのこと。また、20.4型と小型の4Kパネルでの出展となったことは、「自社の技術でより高精細な小型パネルもできるということを示したもの。大型の方がむしろ簡単といえる」とのこと。発売時期などは未定だが、「開発は茂原、製造する場合は姫路工場になるのではないか」とした。
■ SMART VIERAに進化。デザイン性を重視した戦略に
VT50シリーズ |
2012年モデルのVIERA新シリーズも発表。新たに47型と55型の液晶モデルを用意するなど液晶を強化しているものの、プラズマも新VTシリーズなど17モデルを発表している。
プラズマ上位モデルの「VT50シリーズ」は、狭額縁でガラスの一枚板を模したデザインで65型「TC-P65VT50」と55型「TC-P55VT50」の2モデルを用意。Infinite Black Ultra Panelと呼ぶ新パネルと、新駆動技術により階調表現の向上や黒レベルの改善を図ったとする。また、3Dのクロストークも抑制したほか、8つのスピーカーにより、パネル全体が鳴っているかのようなサラウンド感を高めた点も特徴とのことで、実際のデモでも従来機種との音の違いをアピールしていた。
VT50シリーズ。1枚のガラスをイメージ | 2500 Focusd Field Driveをアピール |
新パネルで輝度も向上 | 従来モデル(左)との比較 |
WT50シリーズ |
液晶の最上位モデル「WT50シリーズ」も、極薄のメタルフレームが浮遊するようなイメージの新デザインが特徴。WT50/DT50シリーズは、240Hz駆動と8分割バックライトシステムと駆動技術の改善により、動画応答性能を改善。3Dクロストークも大幅に削減した。
なお、VT50やWT50、DT50などのVIERA新モデルは、パナソニックの新商品デザインフィロソフィー「Future Craft」を盛り込んだグローバル展開第1号商品となる。
確かにこれまでのVIERAシリーズとはかなり違う印象を残す。デザインそのものへの注目度も高いようで、ベゼル幅を測る人や背面を覗き込む人も見られた。
DT50シリーズ | 8分割バックライト駆動システムを採用 | Future Craftの概要 |
SMART VIERAのためのネットワーク連携も強化。VIERA ConnectによるHuluなどのネットコンテンツ対応や、ゲームプレイ、スマートフォン/タブレット連携などもアピールしている。MySpaceとの提携や、ブラウザのHTML5対応なども発表している。なお、VT/WTシリーズではタッチパット付きのリモコンも採用している。
VIERA Connectのアプリマーケットや開発者向け情報提供も | ゲームプレイなどもアピール |
■ ウェアラブルビデオカメラを出展
フルHD 3D対応の「HC-X900M」などビデオカメラ新製品を発表 |
ビデオカメラの新製品については、小寺氏のレポートに詳しいが、参考展示品としてスマートフォンと組み合わせて利用するスポーツ用のウェアラブルビデオカメラも出展していた。発売時期や価格は未定だが、製品化を目指しているとのこと。
ネックバンドタイプのカメラ部を装着し、スポーツなどを楽しみながら録画できるカメラ。無線で映像伝送することで、スマートフォン側でプレビュー可能になる。解像度などの詳しい仕様は未定。
スマートフォン連携対応のウェアラブルビデオカメラ |
3Dサラウンド技術のデモ。昨年までは5.1chスピーカーで17のバーチャルスピーカーを鳴らしていたが、今年は25のバーチャルスピーカー再生を行ない、より自然な3Dサウンドを訴求 | Energy Solutionsでは太陽電池や燃料電池などもアピール |
(2012年 1月 12日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]