【CES】会場レポート。やや地味なGoogle TVなど

BDプレーヤーは4KやFLAC対応。スポーツカメラ人気


■ ソニー、LGなどがGoogle TV展示

LGのGoogle TV展示

 CES会場では、SamsungやLGのほか、中国メーカーも「Smart TV」をキーワードにブース展開。ネットワークサービス連携だけでなく、音声入力やジェスチャ入力、スマートフォン/タブレット連携などの多くの提案がなされている。

 Google TVについては、ソニーが新製品を発表したほか、LGも対応製品を発表している。LGの10製品以上の「Smart TV」の中の2モデルが、Google TVという位置づけで、キーボードによる検索性や新しいUIなどの魅力をアピールしている。


YouTube検索のデモなどGoogle TV用のコントローラは背面がキーボードとなる
NSZ-GP9

 ソニーのGoogle TVプラットホーム対応機種は、ネットワークメディアプレーヤーの「NSZ-GS7」と、Blu-rayプレーヤー「NSZ-GP9」。テレビにGoogle TVを統合せずに、別ユニット化して展開しているが、「テレビ統合型を辞めたわけではない」とのこと。ソニーブースでは新型リモコンのタッチパッドを使った操作などをアピールしている。ただし、ソニーブースもLGブースでも、Google TV関連展示の注目度はそれほど高くないように感じられた。


リモコンキーボードを使った検索などをアピール

 Marvellは、同社SoCを用いたGoogle TVソリューションを展示。同社のプラットフォームを使うことで、容易にGoogle TV対応端末ができることや、Qdeo映像処理技術などを用いた高画質/高音質化などの特徴を訴求していた。

MarvellのGoogle TV展示

■ BDプレーヤーはソニーが4K対応、パナソニックがFLAC対応

BDP-790

 ソニーは、4Kアップスケーリング対応のBlu-rayプレーヤー「BDP-790」を4月に発売する。価格は未定。最大の特徴は4Kアップスケーリングを搭載することだが、対応する出力機器などは未定。出力端子は通常のHDMIとのこと。無線LANやSony Entertainment Networkへの接続機能などを搭載する。

 パナソニックも新Blu-rayプレーヤーを発表。DMP-BDT500、DMP-BDT320、DMP-BDT220と小型のDMP-BBT01などを順次発売する。

 上記4モデルはいずれも3Dに対応するほか、ロスレスオーディオコーデックの「FLAC」にも対応する。UniPhierの最適化による音質改善や2D-3D変換、VODコンテンツの24p出力などが可能となる。DMP-DT500は、高音質パーツを搭載した上位モデル、DMP-BBT01はスロットインドライブを搭載した小型モデルとなる。

パナソニックの「DMP-DT500」。FLACにも対応DMP-BBT01

■ スポーツ仕様のカメラが人気

GoProブース

 ビデオカメラは、ソニー、パナソニック、JVC、キヤノンなど各社がビデオカメラを発表しているが、それらとは別に会場で目立ったのが、アウトドア仕様のビデオカメラ。

 米国では、GoProなどのアウトドア向けカメラの人気が高いとのことで、こうしたカメラを手掛ける会社が多数ブースを設けていた。GoProもセントラルホールにブースを構えており、モータースポーツやバイク、スノーボードなどの用途に合わせた設置例などを提案。新製品は特になく、フルHD撮影対応の「GoProHD HERO2」などが中心だが、豊富なアクセサリや、利用シーンごとの実写サンプルを展示し、魅力をアピールしていた。


製品の利用例をアピール
CONTOURブース

 CONTOURも720p撮影対応でHDMI出力を装備した「CONTOUR +」などを紹介。スノーボードなどの活用シーンや、Bluetooth連携によるプレビュー機能などを紹介。また、CEREVOの「Live Shell」を使ったUstream配信なども行なっていた。


様々な装着例を紹介Live Shrellを使ったUstream配信もMIDLANDブースもスポーツカメラを大々的に紹介。サウスホールを中心にこの手のビデオカメラをアピールするメーカーが多数

 また、ソニーもポータブルビデオカメラのBloggie 2製品を発表しているが、1台は無線LANを搭載しライブストリーミング配信対応の「MHS-TS55」、もう1つは「Bloggie Sport」こと「MHS-TS22」で、約5mの防水機能を備えている。「スポーツ用ビデオカメラの人気が高まっていることは意識している」とのことで、ブースでも水槽にBloggieを沈める展示を行なっていた。

Bloggie「MHS-TS22」を水槽に沈める展示も

 パナソニックも参考展示ながら、スマートフォン連携のウェアラブルカメラを出展していた。展示説明ビデオでは、目玉焼きを焼いているシーンを、調理者視点で撮影する映像を楽しむ、というものだったので、スポーツ系カメラとは違った展開を考えているのかもしれないが、これまでの「ビデオカメラ」と違った製品になりそうだ。

パナソニックのウェアラブルカメラ

 また、いわゆるビデオカメラでもJVCやキヤノンのようにスマートフォン連携を盛り込んだ製品も増えており、無線LAN連携を謳うデジタルカメラも続々と登場している。このあたりからも「カメラ」の今後は変わっていきそうだ。


■ VuzixのARディスプレイ「SMART Glasses」など

SMART Glasses

 ヘッドマウントディスプレイなどを展開する「Vuzix」は、透過型ディスプレイ技術「SMART Glasses」を発表。CES会場で展示している。視界に映像を重ねて表示できるため、AR(拡張現実)的な利用が可能となる。

 1.4mmのプラスチック製導光レンズとホログラム技術を組み合わせ、現実の映像に重ね合わせるように映像表示が可能となる。光学エンジンは小型なため片目だけでなく、両目用のSMART Glassesも実現できるとする。同技術はNOKIAからのライセンスを受けて、Vuzixが開発。明るい場所でもハイコントラストな映像が楽しめ、解像度は1,280×720。産業用のほか、コンシューマ向けの開発も進め、2012年秋の製品発売を目指す。


SMART Glassesを覗き込むと映像が見える製品化イメージ
G-SHOCK GB-6900

 カシオは、Bluetooth Low Energyに対応した腕時計「G-SHOCK GB-6900」を出展している。3月16日発売で、価格は18,900円。Bluetooth Ver.4.0に対応し、同規格に対応した機器との連携に対応するのが特徴。Bluetooth 4.0対応スマートフォンとの時刻同期や、メール/SMS着信の通知などが行なえる。

 さらに、今回の展示では、スマートフォンで再生中の音楽の楽曲情報を時計に表示する機能や、ノートPCのログイン認証にBluetoothを利用し、腕時計装着者が離れると自動でログアウトする機能などを紹介している。音楽の楽曲情報は、Bluetooth 4.0のANPS(Alert Notification Profile)を利用したもので、GB-6900の画面に楽曲情報(カナ、英数字)を表示できる。スマートフォンのVer.4.0対応と、アプリ側が対応さえすればこのような連携機能を実現できるという。

スマートフォンで再生中の曲名をG-SHOCKの画面に表示東芝のノートPCと連携し、Bluetoothでログイン認証

(2012年 1月 16日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]