米Kodak、デジカメ/ビデオカメラから'12年上期中に撤退

-第1四半期で製造終了。プリント事業へ注力


 米Eastman Kodak(コダック)は9日(米国時間)、デジタルカメラやポケットビデオカメラ、デジタルフォトフレームなどのコンシューマ向けデジタルキャプチャ製品の販売から、2012年上半期中に撤退する予定であることを明らかにした。

 コダックは今回の発表について「収益力向上のため、コンシューマービジネスにおいて利益を伴う成長をもたらす最大のビジネス機会である店頭およびオンラインでの消費者向け写真プリント、婚礼、学校、観光写真等のコマーシャルプリントビジネスに注力する」と説明。

 これに従い、第1四半期でデジタルカメラ、ポケットビデオ、デジタルフォトフレーム製品の生産を中止する。なお、小売パートナーとの連携により、これらの製品の保証や技術サービス、サポート提供は継続するとしている。

 コンシューマービジネスのプレジデント 兼 チーフ・マーケティング・オフィサーであるプラディープ・ジョットワニ氏は「これまで製品ポートフォリオ、販売地域、そして販売店数の縮小という戦略をとることによってデジタルキャプチャービジネスの利益改善を行なってきた。今回の発表は、この戦略の延長であり市場トレンドの分析の結果」と述べている。

 デジタルカメラなどからの撤退が完了することで、約3,000万ドルの費用が見込まれているが、年間1億ドル以上の営業経費削減になるという。

 コダックが今後継続する製品やサービスは、店頭フォトキオスクやデジタルドライラボ、フェイスブックアプリ、コダックのカメラアクセサリーとバッテリー、銀塩フィルムやペーパービジネス、コンシューマ用インクジェットプリンタ(日本を含むアジアパシフィック地域では販売されていない)。

 同社は1月18日(米国時間)に米国連邦破産法11章(チャプター11:日本の民事再生法に相当)を申請していた。なお、日本は申し立ての対象外で、これまで通りの営業を続けると1月19日に発表。また、アマチュアおよびプロフェッショナル製品の日本総代理店である加賀ハイテックも、コダック製品の提供を続けている。



(2012年 2月 10日)

[AV Watch編集部 中林暁]