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東芝、4K REGZA用のネイティブ4K入力ボックス

−4Kでテレビに新しい使い方を。実売20万円


THD-MBA1

 東芝は、55型/3,840×2,160ドットの4K/2Kパネルを採用し、HD解像度の裸眼3D視聴にも対応した液晶テレビ「REGZA 55X3」で、4K/2Kの外部入力を表示可能にする4倍画素QFHD映像入力アダプタ「THD-MBA1」を3月30日より発売する。受注生産となり、価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は20万円前後。

 THD-MBA1は、4系統のHDMI入力(A/B/C/Dポート)と、専用の映像出力端子、光デジタル音声出力、アナログ音声出力を装備した55X3専用の4K映像入力アダプター。4系統のHDMIからのフルHD入力をまとめて同期を取り、1枚の4K映像として55X3に出力できる。

 55X3は4Kパネルを採用した液晶テレビだが、フルHD(1,920×1,080ドット)を超える映像信号についてはSDカードの写真表示のみの対応となっており、基本はフルHDのBDや放送番組などを4Kにアップコンバートして視聴する形となっていた。

 しかし、THD-MBA1を利用することで、ネイティブ4K表示が可能となる。接続機器としては、4系統のHDMI出力を持ったパソコンや、4Kカメラ、業務/放送機器、フルHDパソコンのマルチモニター表示などを想定している。なお、HDCPに対応しないため、THD-MBA1を介したBlu-rayやDVDの出力はできない。


THD-MBA1と55X3 THD-MBA1の背面
THD-MBA1と55X3の接続例

 パソコンではグラフィックカードがHDMI 4系統での4K出力に対応している必要があり、東芝による動作確認済みのGPU「AMD ATI FirePro V7900」。この場合、最高60pの4K出力が行なえる。一方、HDMIの現在の規格では1本のケーブルで3,840×2,160ドット/30fpsまで伝送可能なため、HDMIケーブル1本でもTHD-MBA1を介して55X3に4K出力できる。この場合の対応GPUは「AMD Radeon HD 7750」。

 PCを4K接続することで、デジタルカメラの映像をフル画面に表示して、ピントやディテールを確認できるほか、1,000万画素級のデジタルカメラ写真でも、等倍に近い(4Kパネルは800万画素)環境でレタッチなどの作業が可能となる。また、PC上で再生した4K動画なども楽しめる。

 4Kビデオカメラとの接続も可能で、JVCケンウッドの「GY-HMQ10」にも対応。GY-HMQ10は1.67kgと小型のボディながら、SDHC/SDXCカード4枚に、フルHDの4倍となる4K解像度(3,840×2,160ドット)で記録できるカメラレコーダ。HDMIミニ出力を4系統備えており、これをTHD-MBA1を介して55X3に出力できる。

 また、THD-MBA1を併用することで放送機器などの4K機器のモニターとして55X3を利用可能になる。発表会場では、アストロデザインの4K非圧縮SSDビデオレコーダ「HR-7512-A」を用いて非圧縮の4K映像を出力した。

パソコンの画面を3,840×2,160ドットで表示 パソコンから4系統のHDMI出力 アストロデザインの放送用4Kビデオレコーダ「HR-7512-A」から55X3に4K出力
JVCケンウッドの「GY-HMQ10」 GY-HMQ10から4系統HDMI出力で55X3に表示 パソコンで地図を表示
4台のPC画面を1枚の55X3画面に表示

 さらに、THD-MBA1を利用して、55X3を4つのフルHDモニターとして利用することも可能。55X3の画面を4分割し、それぞれのパソコンから出力された1080p信号を同時に表示できる。

 THD-MBA1に入力された4K映像を見るためには、外部入力で[4K2K]を選択。シネマ、スタンダードといった通常の画質モードは適応できず、黒レベルやバックライト、色合いの調整などに限定される。また、4系統のHDMIのどの音声信号を出力するか選択する「音声入力設定」や「RGBレンジ」などの設定が可能。

 なお、55X3でTHD-MBA1を利用可能にするためには55X3側のファームウェアをアップデートする必要がある。製品添付のUSBメモリ(4GB)に収録されたアップデータを55X3に適用することで、55X3でTHD-MBA1の各機能が呼び出し可能になる。なお、THD-MBA1にはリモコンなどは付属せず、各機能は55X3のリモコンから操作する。

ファームウェア更新で55X3に4K/2Kモードが追加される 4KクイックメニューでRGBフルレンジや映像設定、音声設定が可能 映像設定


■ 4Kで「テレビというキャンバスに新しい使い方を」

国内企画・マーケティング部 参事の本村氏

 東芝 デジタルプロダクツ&サービス社 第一事業部 国内企画・マーケティング部 参事の本村裕史氏は、「2012年は本格的な4K時代が来ると考えており、4K関連商品を強化していく。(THD-MBA1は)その第1弾」とし、様々な4Kの応用例を紹介。パソコンでの動画や写真表示のほか、アストロデザインの4K放送用機器にフル対応できる能力、JVCケンウッドの4Kカメラのように周辺環境が整いつつあることなど、4Kの“可能性”が広がっていることを強調した。

 「55X3を発表してから、『いろいろなことに使えるんじゃないの?』というお話をいただいた。4Kの解像度の向上というのは、一番わかりやすい、ベースとなる映像進化のベクトル。だが、4Kになるとテレビというキャンバスに新しい使い方が生まれてくる。Windowsの画面を見ただけでその情報量に感動するし、マルチ画面で新しい使い方を生み出せる。また、作ってみてわかったのは“デジタルカメラとの相性”。プリントアウトの写真をもいいが、透過した光で写真を楽しむのも大きな流れ。4Kクオリティのまま使えるキャンバスが必要」と語り、4Kを活かした新しいテレビの活用方法を提案。「ネットの時代で、テレビのスマート化、クラウド化などと言われているが、それはそれですすめる。ただ、テレビのベースとして、テレビからの高画質はこういう風に広がっていく、と見せていきたい。4Kのトレンドにおいては日本が一番進んでおり、次がドイツ。4Kは日本のテレビ加速の可能性を秘めている。4Kがあればこその、マルチスクリーン的なスマートTVもあるかもしれない。いろいろな可能性を探っていきたい」と語った。

 なお、直接入力する4Kコンテンツが少ない問題については、「映画などアミューズメントの世界では4Kが当たり前になってきており、4Kで撮影、編集、上映されている。Blu-rayのパッケージは2Kまでだが、元は4Kで作られたもの。伝送路の問題で解像度が落ちているが、これを4K超解像により、あたかも4Kの映像であるかのように戻す、というのも4K時代の映像エンジンを作っている我々の責務。また、ここが新たな画質競争軸になり、高画質競争が始まると思う。(1,440×1080ドットの)地デジも4Kパネルでより綺麗に、というのを目指している」とした。


(2012年 3月 27日)

[ AV Watch編集部 臼田勤哉]