NEC、大量の映像から同一映像を瞬時に見つけ出す技術

-MPEG-7採用の「Media-Serpla」を販売開始


Media-Serplaの製品概要

 NECは、大量の映像データの中から同一映像を瞬時に検出する「Media-Serpla(メディアサープラ) 映像識別ソフトウェア」を、映像を扱う企業、団体向けに10日より販売開始した。登録可能な映像が250時間までの制限付きで、価格は220万円(税別)、制限なしは3,000万円(同)となる。日本語と英語に対応しており、3年間で国内外の100社以上に販売する計画。

 映像から、その映像を識別するための指紋情報(ビデオシグネチャ)を抽出し、他の映像のビデオシグネチャと照合して一致する箇所を高精度かつ高速に検出するソフトウェア。テロップの挿入や、解像度変換、輝度変換、カメラでの再撮影など、大幅な改変が加えられた映像でも元の映像と同一であると正しく判別できるという。

 これにより、放送局などのコンテンツホルダやリサーチ会社、動画共有サイト事業者など、映像を取り扱う企業・団体が、これまで行なってきた目視による確認作業を自動化/効率化できるとする。例えば放送局では、特定の映像が過去にどの番組で使われたか調べる際、映像を保存しているデータベース(アーカイブ)から検索する必要がある。その際にMedia-Serplaを利用することで、映像をキーにして検索し、従来の検索方法では見つからなかった同一映像も探し出すことができる。また、動画共有サイト事業者は、アップロードされた映像コンテンツの中から違法映像を効率的に検出できる。

 映像のフレームごとにビデオシグネチャを抽出し、5秒程度の映像であれば、1,000時間の映像の中から約1秒で一致箇所を検出できる。また、Media-Serplaで採用している映像識別技術は、動画の識別方法に関する国際標準規格MPEG-7の一部(ISO/IEC 15938-3/Amd.4)として採用されている。

 MPEG-7のテスト環境において、平均96%の識別率と、100万分の5の低い誤検出率を両立し、他の技術と比較し、トップの性能を実証。また、フレーム単位に照合を行なうため、2秒程度の短い映像でも検出できるという。


画面イメージ(メニュー画面、検索画面、プレビュー画面)

(2012年 4月 10日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]