「おねがい☆ティーチャー&ツインズ」10年目の同窓会

-アーティスト&声優陣が歌とトークで振り返る。BD-Boxも


前列左から清水愛さん、中原麻衣さん、井上喜久子さん、井出安軌監督。後列左から詩月カオリさん、佐藤ひろ美さん、KOTOKOさん、川田まみさん

 1月と3月に、それぞれBlu-ray Boxが発売されたアニメ「おねがい☆ティーチャー」と「おねが☆ツインズ」。その放送開始10周年を記念したイベント「おねがい☆ティーチャー&ツインズ ~AIGRE-DOUX(エイグル ドゥ)~」が22日、埼玉の川口総合文化センター リリア大ホールで開催。ステージには各作品で使われた楽曲をアーティストや、声優陣が登壇し、会場は3階席まで満員になるなど、両作品の根強い人気を感じさせるイベントとなった。

 「おねがい☆ティーチャー」は、2002年にWOWOWノンスクランブル枠で放送された作品。内気な高校生の主人公・草薙桂が、湖に不時着する宇宙船を発見。宇宙人でグラマーなお姉さん・みずほを目撃する。その翌日、みずほは、桂のクラスの新任教師として現れて……。


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 突飛な設定ながら登場人物の心理描写がリアル、かつ丁寧に描かれていくのが特徴。また、信州に実在する場所を舞台としており、現実に存在する駅や学校などがアニメの中にも登場。アニメ作品の舞台地をファンが旅する、いわゆる“聖地巡礼”の代名詞的な作品としても知られている。

 「おねがい☆ツインズ」は、「ティーチャー」に続くシリーズとして、2003年7月からWOWOWのノンスクランブル枠で放送。前作のキャラクターも登場するが、主人公とヒロインは全て新キャラクターとなっている。

 幼い頃、親に捨てられた神城麻郁(かみしろ まいく)は、高校一年生ながらプログラマーとして自立。養護施設を抜けた彼は、両親を探す唯一の手がかりである幼い頃の写真に写っていた、信州の湖のほとりにある一軒家を探し出し、そこを借りて1人暮らしをスタートさせる。

 そんなある日、宮藤深衣奈(みやふじ みいな)、小野寺樺恋(おのでら かれん)という2人の少女が麻郁の家に現れる。2人は麻郁と同じ写真を持っており、2人ともが「自分が麻郁の双子だ」と名乗り出る。だが、写真に写っているのは男の子と女の子の2人だけ。どちらが本当の双子かわからないまま、3人は奇妙な共同生活を開始するのだが……。

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 前作同様、各キャラクターの心理を丁寧に描写。「どちらかが兄妹」という可能性を含んだままの恋愛模様が展開し、視聴者を引き付けた。実在の場所をアニメに取り入れる手法も健在で、聖地巡礼ムーブメントを加速させた作品でもある。

 既報の通り、BD-Boxは通常版と初回限定生産のComplete Editionの2種類を用意。22日のイベントはチケット販売制だが、各BD-Box Complete Edition購入者が応募し、当選すると招待されるようにもなっていた。

おねがい☆ティーチャー Blu-ray Box Complete Edition 初回限定生産
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おねがい☆ツインズ Blu-ray Box Complete Edition 初回限定生産
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おねがい☆ティーチャーから10周年を迎えた
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■歌とトークで展開する10年目の同窓会

会場となった川口総合文化センター リリア大ホール

 イベントは音楽をふんだんに取り入れているのが特徴。井上喜久子さんによるみずほ先生の語りに続き、「おねがい☆ティーチャー」のオープニング「Shooting Star」のイントロが流れ、KOTOKOさんが登場すると、冒頭から観客は総立ち。サインライトの波が生まれた。

 KOTOKOさんは「初めてアニメの主題歌を歌わせていただいた作品。当時はがむしゃらで、とにかく一生懸命だったなぁと、想い出しながら歌いました。本当に沢山の歌を歌わせていただき、歌詞も書かせていただきました」と、当時を振り返る。


場内には関係者やスタッフからの花束も多数

 続いて登場した風見みずほ役・井上喜久子さんの挨拶はもちろん「井上喜久子17歳です」。すかさず会場から「オイオイ!」のツッコミが入り、「おやおや? 声が小さいぞ! もう一度」と続くのがアニメ&声優ファンのお約束だが、ボルテージ全開の会場は最初の「オイオイ!!」から、井上さんも驚くほどの大音量。そんなファンの熱意を受け、井上さんは「キャラクターを演じたというより、“みずほ先生を生きたんだ”と思えるような、素晴らしいキャラクターに巡り会えました。スタッフや監督さん、支えて下さった皆さんのおかげです」と頭を下げた。

 「声優さんやアーティストさん、監督さんにもご挨拶させていただき、嬉しかった」と語るのは、10年目にしてイベント初参加となった詩月カオリさん。「Senecio」を披露した。続く川田まみさんは、「(今日は)皆との同窓会。10年経ってもこれだけ皆さんを集めるパワーを持った素晴らしい作品だったんだなと、改めて素敵な作品に関わらせて頂けたんだなと思いました」と語り、「tiny days」や「空の森で」、「明日への涙」などを披露した。


KOTOKOさん風見みずほ役・井上喜久子さん詩月カオリさん

10周年を記念して、木崎湖でも7月1日~9月30日まで巡礼バスの運行などを予定。木崎湖キャンプ場など、木崎湖の事業所が集まって実施するもので、8月19日にはイベントも予定しているという

 「おねがい☆ツインズ」で深衣奈を演じた中原麻衣さん、樺恋を演じた清水愛さんは、「ツインズ」当時は中原さんの髪がロング、清水さんがショートだったが、現在は逆になり、ちょうどそれぞれが演じたキャラクターの髪と同じくらいの長さに。「これが年月ですよ」(中原さん)、「キャラに近づいてきた私達です」(清水さん)と笑う。それぞれのキャラクターソングと、デュエット曲「行くよ? Lucky Wave」も披露した。

 なお、清水さんは先日、作品の舞台となった木崎湖への聖地巡礼に出かけたとのこと。「暖かく迎えてくれる人達がいて、“おかえり”って言ってくれる人もいて感激しました。巡礼がライフワークになっている人もいて、今日は早起きしたから仙台から来たとか、名古屋から来たとか凄いんです。詳しい人にガイドもしてもらいました(笑)」と、根強い人気を肌で感じ、感激した様子。

 そのまま清水さんは「20周年のイベントで着られるように、木崎高校の制服も家にとっておきます」と続け、隣で聞いていた中原さんが「10年後に制服……(私も)着るの!?」と困惑。すると、様々なイベントでコスプレ姿を披露している井上さんが「私が制服着てもいいよ? もう怖いものは無いから」と思わぬ提案をして、場内が爆笑に包まれた。


川田まみさんのステージ「おねがい☆ツインズ」で深衣奈を演じた中原麻衣さん(右)、樺恋を演じた清水愛さん(左)

記念グッズなどの物販コーナーも設けられた非売品のポスター展示も

この作品が初のアニメ主題歌となったKOTOKOさん川田まみさん
演じたみずほ先生への想いも語った井上さんツインズの2人も大いに会場を盛り上げた
 歌の合間には、その他の出演声優陣や、監督、スタッフなどからの、作品に対するコメントも発表。「あなたにとって、おねがい☆シリーズとは?」という問には、「青春そのもの」、「自分の学生時代には味わえなかった甘酸っぱい青春を疑似体験せてくれるもの」などのコメントが多数。そんな中、山田正臣役・杉田智和さんからの「井出安軌監督の野望」とのコメントが表示されると、場内からは歓声が上がった。

 佐藤ひろ美さんは、KOTOKOさんと共にデュエット曲「Second Flight」などを熱唱。佐藤さんにとっても、この作品は初のアニメ主題歌。「当時はただ歌うことが嬉しかったんですが、アマチュア気分なところもあったと思います。でも、プロの方々の仕事を目の当たりにして、自分が変わってきた作品。素晴らしい人達と、ファンの方々と出会えたから今の私があると思います」と語る。

 アンコールでは、「本当は一曲目から泣きそうだった」というKOTOKOさんが「Snow Angel」と「LOVE A RIDDLE」を披露。途中で感極まり、歌えなくなるものの、ファンの歌声に助けられる一幕も。

 当日は井出監督の姿も観客席にあり、イベント終了後に会場全体からの拍手と“井出コール”を受け、立ち上がって歓声に応えるなど、10年経過したとは思えない熱気溢れるイベントとなった。


佐藤ひろ美さんデュエット曲「Second Flight」を披露する佐藤ひろ美さんと、KOTOKOさんKOTOKOさん

エンディングの様子。熱気溢れるイベントとなった

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(2012年 4月 23日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]