デノン、新ヘッドフォン/イヤフォン「Music Maniac」発表

-「ヘッドフォン祭」で披露。2ウェイBA型など


夏に発売予定のヘッドフォン新モデル

 デノンは、5月12日に東京・青山で行なわれた「春のヘッドフォン祭 2012」において、ヘッドフォンの新ブランド「Music Maniac」を発表。ヘッドフォンとカナル型(耳栓型)イヤフォン各1機種を2012年夏に発売することを明らかにした。

 発表会では、「New Headphone Concept」として、様々な生活シーンに合わせたラインナップを夏以降に展開していくことを予告。主なカテゴリとして、ファッションも意識した「Street Fashon generated」、スポーツでの利用を想定した音質や装着感の「Sports/Fitness」、旅行などで利用を主な目的とした「Travel」という3つを説明した後、今回の発表内容である「Music Maniac」を紹介。

 Music Maniacというカテゴリの製品については、「音楽にたっぷりと浸りたい」、「オーディオ(高音質)に興味がある」、「楽器を演奏し、音にこだわりがある」といったオーディオファイル向けであるとした。音質だけでなく、高級感を持たせたデザインも特徴となっている。


カナル型イヤフォンの新モデル「Music Maniac」というカテゴリで展開他にもスポーツ向けやストリートファッション向けなどを用意する

 新製品のヘッドフォンの型番は「AH-DXX」としており、XXの部分は未定であることを示している。価格は未定だが、3万~5万円前後を予定。

 大きな特徴は、新開発の50mmフリーエッジナノファイバードライバの搭載で振動板のレスポンスを向上させたことや、ダンピング性能の高いグラスファイバーを使用したハウジングにより優れた音響特性を獲得したことなど。

 また、5角形の「ペンタゴナル シェイプド イヤカップ」と低反発イヤーパッドにより装着性も向上。長時間のリスニングをサポートするという。イヤカップ部は360度フリーアングルとし、装着しやすくなっている。

 ケーブルは両出し/着脱式で、1.2mのiPhone/iPodマイク付きと、3m OFCの2種類を同梱する。ヘッドフォンとの接続も3.5mmプラグを使用する。カラビナ付きのキャリーバッグや、ステレオミニ-標準変換プラグなどを同梱する。


装着例主な特徴内部構造
グラスファイバーハウジングの採用で他の樹脂素材に比べて減衰が早く、振動が残りにくいことが分かるデザイン面でも質感の高さが伝わるヘッドフォン部への接続はプラグは3.5mm


「AH-CXX」とする新イヤフォン

 カナル型イヤフォンも「AH-CXX」として、型番はまだ正式決定していない。価格も同じく未定で、3~5万円を予定する。

 バランスド・アーマチュアの2ウェイドライバを搭載し、原音に忠実な再生を追求。ハウジングは内部損失が高く、素材固有の響きを抑える亜鉛ダイキャスト製で、優れた音響特性と耐久性を実現している。また、ハウジングの形状は、補聴器などを扱う米スターキーとの協力で、4,000人分の耳型を参考に決定したものだという。


主な特徴

 ケーブルも素材選びから新規に開発。ケーブル付け根のブッシュ部は、通常のイヤフォンより長めに設けており、装着すると頬に当たる形になる。これは装着性を高めるほか、タッチノイズが伝わるのを防ぐ効果もあるという。ケーブルにはiPhone/iPod対応のリモコンマイクも付いている。

 イヤーピースは通常のシリコンイヤーピース(4サイズ)の他に、シリコンの2重構造で遮音性を高めたもの(3サイズ)と、低反発素材のイヤーピースを同梱する。ステレオミニ-標準プラグ変換アダプタや、カラビナ付きケースなども付属する。


装着例2重シリコンのイヤーピースも同梱通常のシリコンイヤーピースと比べて遮音性が高い


■ 夏に専用サイトをオープン予定

 ヘッドフォン/イヤフォンの設計を手掛けたディーアンドエムブランドグループジャパン P2開発本部シニアマネージャーの田村邦彦氏は、「デノンはヘッドフォンをずっと出していないという感想を持っている人もいると思うが、デノンブランド100周年の年に、グローバルでプレゼンスを高めるためにプロジェクトを立ち上げ、2年ほど地下深く“潜行”していた。これまで市場調査や素材開発を進め、2年目にして製品発表できるようになった。今までのデノンとは違う形なので、驚かれるかもしれないが、新しい商品とスタイルで参入していく」と述べた。

 前述した他カテゴリの製品も含め、新コンセプトのヘッドフォン/イヤフォン製品については今夏に公開予定の「ライフスタイルヘッドホンサイト」(http://hp.denon.com/JP/)にて明らかにしていくという。

開発を手掛けた田村邦彦氏写真では小さいが、左下のヘッドフォンも新モデルと見られる専用サイトで情報公開していく予定


(2012年 5月 12日)

[AV Watch編集部 中林暁]