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B&W、CMシリーズの最上位スピーカー「CM10」

「800とCMシリーズの橋渡し」。ウーファ3基

塗装仕上げのピアノ・ブラック

 ディーアンドエムホールディングスは、英B&W(Bowers & Wilkins)のスピーカー「CM10」を10月に発売する。価格は仕上げによって異なり、突き板仕上げのローズナットとウェンゲがどちらも1本283,500円、塗装仕上のピアノ・ブラックが311,850円。なお、いずれもペアでの販売となる。

 CMシリーズの最上位であるフロア型で、「800シリーズとCMシリーズの橋渡しを担うモデル」と位置付けられており、800シリーズと同じ、Nautilusツイータがキャビネットの外に配置されている「ツイーター・オン・トップ」構造を採用しているのが特徴。

「ツイーター・オン・トップ」構造を採用

 3ウェイ5スピーカー構成。ノーチラスチューブを備えた25mm径のデュアルレイヤーアルミドームツイータを搭載。ブックシェルフの「PM1」に採用された、カーボンでツイータの振動板外周付近を補強する技術をベースに、生産性を向上させた「新デュアルレイヤー・アルミドーム」を採用。より薄い振動板で作ったアルミドームと、真ん中を抜いたアルミドームを接着。カーボン補強に似た効果を生み出すほか、振動板を軽量化する事にもなり、磁気回路強化をすることなく、90dBの感度を実現している。

 ツイータは筐体から外に出ている。ツイータとキャビネットが触れる部分には制振用のゲルを充填。機械的にキャビネットからフローティングされている。なお、ツイータの前には保護用メッシュが配置されているが、意図せずツイータに触れてしまうなど、ユーザーや店舗からの要望を受け、このメッシュが同梱の専用ツールを使わなくては外せない、シッカリとしたタイプに変更された。

突き板仕上げのウェンゲ
突き板仕上げのローズナット
中央がローズナット
ツイータは新デュアルレイヤー・アルミドームを採用
キャビネットからフローティングしている
保護用メッシュが強固なタイプになった

 ミッドレンジは、150mm径のウォーブン・ケブラー・コーンユニット1基。ネジ止せず、ツイータと同様にゲルを用いたフローティング機構を採用している。

 さらに、165mm径のペーパー/ケブラーコーンウーファを3基搭載。筐体の高さはCM9と同じだが、エンクロージャの奥行きを少しアップさせる事で、3基のウーファを搭載する空間を設けている(CM9は2基)。

右にある黒いスピーカーがCM9。キャビネットのサイズは同じ
3基のウーファを搭載している

 エンクロージャはリアバスレフ。再生周波数帯域は28Hz~50kHz。クロスオーバー周波数は350Hz、4kHz。感度は90dB。インピーダンスは8Ω。

 キャビネットのみの外形寸法は200×337×990mm(幅×奥行き×高さ)。ツイータと台座を含めた高さは1,087mm、台座を含めた横幅は255mm。重量は33.5kg。

ピアノ・ブラックモデル
リアバスレフ

音の傾向

 発表会場にて短時間ではあるが試聴してみた。

 ワイドレンジでクセのない、B&Wらしいサウンド。音場が広大で、そこにヴォーカルの口の開閉など、音像が生々しく定位する。空間描写の細かさ、巧みさに、CMシリーズの枠を超えたものが感じられ、「800シリーズへの橋渡し」という説明に頷けるところ。

 まだ音を出し始めて3日目とのことで、じゃっかん中高域に硬さが感じられたが、鳴らし込んでいけば、音圧豊かなパワフルさと、微細な描写を兼ね備えたスピーカーに進化していきそうだ。

(山崎健太郎)