ニュース
B&W、新スピーカー「CM S2」8機種。ツイータをフローティング。「CM5 S2」18万円など
(2014/9/5 13:00)
ディーアンドエムホールディングスは、英Bowers & Wilkins(B&W)のミドルクラススピーカーCMシリーズの新ラインナップ「CM S2」を9月より発売する。フロア型3機種、ブックシェルフ型3機種、センター2機種の計8機種をラインナップする。
価格は仕上げによって異なるが、ローズナットモデルの価格は、フロア型「CM10 S2」が1台33万円、「CM9 S2」が1台185,000円、「CM8 S2」が14万円、ブックシェルフ型の「CM6 S2」がペア30万円、「CM5 S2」がペア18万円、「CM1 S2」がペア128,000円。
さらにセンターの「CM Center 2 S2」が1台155,000円、「CM Center S2」が10万円。なお、ブックシェルフ型スピーカー向けのスタンド「FSCM S2」もペア75,000円で用意する。
全モデルにダブルドームタイプのツイータを採用。「CM10 S2」や「CM6 S2」では、ツイータを筐体の外に出した、ツイータ・オン・トップ構造を採用している。
各モデルにはローズナット仕上げに加え、ピアノ・ブラック仕上げも用意する。詳しい価格は下表の通り。
タイプ | モデル名 | 仕上げ | 価格 |
フロア型 | CM10 S2 | ピアノ・ブラック | 1台330,000円 |
ローズナット | 1台300,000円 | ||
CM9 S2 | ピアノ・ブラック | 1台210,000円 | |
ローズナット | 1台185,000円 | ||
CM8 S2 | ピアノ・ブラック | 1台154,000円 | |
ローズナット | 1台140,000円 | ||
ブックシェルフ型 | CM6 S2 | ピアノ・ブラック | ペア330,000円 |
ローズナット | ペア300,000円 | ||
CM5 S2 | ピアノ・ブラック | ペア200,000円 | |
ローズナット | ペア180,000円 | ||
CM1 S2 | ピアノ・ブラック | ペア140,000円 | |
ローズナット | ペア128,000円 | ||
センター型 | CMC2 S2 | ピアノ・ブラック | 1台170,000円 |
ローズナット | 1台155,000円 | ||
CMC S2 | ピアノ・ブラック | 1台110,000円 | |
ローズナット | 1台100,000円 | ||
スタンド | FSCM S2 | ブラック | ペア75,000円 |
ローズナット | ペア75,000円 |
ツイータをフロート構造に。ユニットの技術は全機種共通
各モデルに搭載しているツイータは25mm口径。振動板はダブルドームタイプに進化。アルミドーム型振動板に、中央部分をカットした“第2のドーム”を組み合わせて周辺部分を強化した構造になっており、薄くて軽いアルミドームの特徴を活かしながら、ドームを補強している。これにより、従来のCMシリーズと比べ、感度を犠牲にすることなく、高域一次共振周波数が30kHzから38kHzに上昇している。
ツイータユニットの振動が、バッフルを通じて筐体に伝搬する事を防ぐ工夫としてデカップリング構造を採用。ユニットとバッフルが接触する部分に、合成ゲルを使ったリングを配し、これがクッションのような役割を発揮。振動が筐体に伝わらず、クリーンな高域再生ができるという。
上の写真は、新モデルのCM1 S2(左)、旧モデルのCM1(右)を並べたもの。ウーファの外周に注目すると、CM1は外からリングをネジ止めしてユニットを固定している。CM1 S2もシルバーのリングを備えているが、これは単なるカバー。これを外すと、下の写真のようになり、黒い合成ゲルのリングにユニットが固定されているのがわかる。また、ツイータ周囲にあるシルバーのフランジも小さくなっており、この部分から余計な音が出るのを防いでいるという。
ツイータにはグリルカバーを装備。磁気回路の磁力で固定されており、付属する磁石ツールを使って取り外す。
なお、シリーズの上位モデルである「CM6 S2」と「CM10 S2」の2機種では、ツイータを筐体に内蔵せず、800シリーズのように筐体上部に設置した「ツイーター・オン・トップ」仕様を採用。放射した高域が、エンクロージャで回折するのを防ぎ、空間表現能力を高めている。
ミッドレンジユニット(2ウェイモデルではウーファ)には、振動板にウォーブン・ケブラーコーンを採用。中央にマッシュルームのような形の防振プラグを装備している。これはボイスコイルボビンと内部でフィットしており、センターキャップとは異なり、高域周波数でも形状を保持。スムーズな高域レスポンスと、ツイータへのクロスオーバーにおけるカラーレーションの少なさを実現するという。
ユニットの口径は、CM10/9 S2が160mm径、CM8 S2は130mm径、CM Center 2 S2は100mm径。なお、CM10 S2のみ、800シリーズと同様に、背後からの引っ張り棒を使ってマウント。エンクロージャからフローティングしている。
磁気回路にも違いがあり、CM8/9はフェライト、CM10は800シリーズと同じネオジウムマグネットを採用。ネットワークの抵抗にCM10はメタル抵抗を使い、それ以外のモデルはセメント抵抗を使うなど、「CM10は音質的にも、800シリーズにより近いものになっている」(マランツ音質担当マネージャー 澤田龍一氏)という。
3ウェイモデルに搭載されているウーファユニットの振動板は、ダークフィニッシュを施したペーパー/ケブラーコーン。これは、エンクロージャの仕上げがグロスブラック、ローズナットのどちらであっても、ダークのフィニッシュとなる。
ネットワークなどの内部パーツも刷新
内部パーツも刷新。ネットワークのフィルタのスロープは変わっていないが、部品を変更。ツイータ用のコンデンサには、独ムンドフルのM-Cap EVO Silver/Gold/Oilという最高ランクのものを採用。従来はコイルにアルミを使っていたが、新コンデンサは金が入った銀箔。「パーツ単価で従来のコンデンサは1,000円前後だが、新コンデンサは8,000円くらいする高価なパーツ。非常に音が良いコンデンサ」(澤田氏)という。
さらに、内部配線材も従来はPVC被覆のワイヤーだったが、800シリーズと同じ、蘭van den Hul(ヴァン・デン・ハル)のケーブルを採用。
スピーカーターミナルの仕上げも、従来の金メッキからニッケルメッキに変更された。ただし、従来の金メッキも、下地にニッケルメッキを施した上で金メッキをかけている。澤田氏によれば、「物理的になぜかはわからないが、B&Wがリスニングテストをした結果、ニッケルメッキが一番良かったという。彼らは、“異なる金属が組み合わさるよりも、下地のニッケルを厚めにかけた方が音にとっては良いのではないか”と推測している。ニッケル+金メッキ構成では、音に特徴的なエッジがつく。ニッケルのみは、スッとした自然な音になる」とのこと。
ブックシェルフ型向けスタンドも
スタンドのFS-CM S2は、CM1/5/6 S2や、従来のCM1/5で利用できるスタンド。背後にスピーカーケーブルを通せる空間を持っているほか、内部に珪砂などを入れて重量を増加させ、鳴きを抑える事もできる。
外径寸法は252×298×560mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1台5.5kg。
モデル名 | CM10 S2 | CM9 S2 | CM8 S2 |
ユニット | ツイータ:25mm径 ※ツイータ・オン・トップ ミッド:150mm径 バス:165mm径×3 | ツイータ:25mm径 ミッド:150mm径 バス:165mm径×2 | ツイータ:25mm径 ミッド:130mm径 バス:130mm径×2 |
再生周波数帯域 | 28Hz~50kHz(-6dB) | 30Hz~50kHz(-6dB) | 43Hz~50kHz(-6dB) |
クロスオーバー | 350Hz/4kHz | ||
出力音圧レベル | 90dB(2.83V/1m) | 89dB(2.83V/1m) | 88dB(2.83V/1m) |
インピーダンス | 8Ω | ||
推奨パワーアンプ出力 | 30~300W | 30~200W | 30~150W |
最大外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 366×414×1,087mm | 320×370×1,025mm | 252×298×960mm |
重量 | 33.5kg | 26.6kg | 19.5kg |
モデル名 | CM6 S2 | CM5 S2 | CM1 S2 |
ユニット | ツイータ:25mm径 ※ツイータ・オン・トップ バス:165mm径 | ツイータ:25mm径 バス:165mm径 | ツイータ:25mm径 バス:130mm径 |
再生周波数帯域 | 45Hz~50kHz(-6dB) | ||
クロスオーバー | 4kHz | ||
出力音圧レベル | 88dB(2.83V/1m) | 84dB(2.83V/1m) | |
インピーダンス | 8Ω | ||
推奨パワーアンプ出力 | 30~120W | 30~100W | |
最大外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 200×301×403mm | 200×301×340mm | 165×276×280mm |
重量 | 8.9kg | 8.9kg | 6.7kg |
モデル名 | CMC S2 | CMC S2 | |
ユニット | ツイータ:25mm径 ミッド::100mm径 バス:165mm径×2 | ツイータ:25mm径 バス:130mm径×2 | |
再生周波数帯域 | 40Hz~50kHz(-6dB) | ||
クロスオーバー | 350Hz/4kHz | 4kHz | |
出力音圧レベル | 89dB(2.83V/1m) | 87dB(2.83V/1m) | |
インピーダンス | 8Ω | ||
推奨パワーアンプ出力 | 30~200W | 30~120W | |
最大外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 590×301×225mm | 480×275×166.5mm | |
重量 | 18.7kg | 11.5kg |