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「HDMI 2.0」発表。4K/60p映像をケーブル1本で伝送可能

21:9アスペクトや32chオーディオサポートも

 HDMI Forumは4日、HDMIの最新バージョンとなるHDMI バージョン2.0(HDMI 2.0)の公開開始を発表した。帯域を大幅に拡大したことで、新たに4K/60p映像の伝送に対応するなどの機能強化を図っている。

 HDMI 2.0では、帯域を最大18Gbpsまで拡大し、4K解像度の50p/60p映像(2160p)の伝送や、32のオーディオチャンネル、ダイナミック自動リップシンクとCECへの拡張などの新機能をサポートした。

 主な新機能は以下のとおり。

  • 4K 50p/60p伝送
  • 32チャンネルまでのマルチチャンネルオーディオ
  • 1,536kHzまでのオーディオサンプリングレート
  • 同じスクリーンの複数ユーザーへの2系統同時ビデオ出力
  • 4ユーザーまでのオーディオ同時出力
  • アスペクト比21:9の映像サポート
  • ダイナミックリップシンク(オーディオ/ビデオ)
  • CEC(Consumer Electronics Control)の拡張

 HDMI 2.0は、HDMIの以前のバージョンに対して上位互換性を有している。開発はHDMI Forumのテクニカルワーキンググループが担当し、同フォーラムが策定した最初の規格となる。現在、HDMI Forumのメンバー企業は88社となっている。

 なおHDMI 2.0では、新型のケーブルやコネクタは定義されていないが、現行のハイスピードケーブル(カテゴリ2 ケーブル)は拡大帯域に対応している。HDMI 2.0は、HDMI Adopter Extranetにおいて採用者のみが入手可能。HDMI 2.0の準拠試験仕様(CTS)は2013年末までに発表される予定。

 HDMI 2.0は、当初2012年後半の規格化を予定していたが、その後延期されていた。テレビやビデオカメラなどで4K対応が進む中、これまでのHDMI 1.4では1本のケーブルで、4K/30pまでの映像しか伝送できなかったことが課題となっていた。今回業界標準のインターフェイスであるHDMIが、HDMI 2.0となり、1本のケーブルで4K/60p伝送できるようになったことで、4K本格普及に向けた大きな課題の一つが解決したといえる。

(臼田勤哉)