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シャープ、BD読込を高速化した新「AQUOSブルーレイ」
3チューナ機は1ch自動録画やSHDD対応。D端子装備
(2013/10/16 13:40)
シャープは、BDドライブの高速化を図った「AQUOSブルーレイ」5製品を11月6日より順次発売する。トリプルチューナや高音質パーツを搭載した「BD-T2500」など、HDD容量やチューナ数の違いで5モデルを用意する。価格はオープンプライスで店頭予想価格は6万円から12万円前後。
型番 | チューナ | HDD | 発売日 | 店頭予想価格 |
---|---|---|---|---|
BD-T2500 | 3 | 2TB | 11月27日 | 12万円 |
BD-T1500 | 1TB | 10万5,000円 | ||
BD-W1500 | 2 | 11月6日 | 8万円 | |
BD-W550 | 500GB | 7万円 | ||
BD-S550 | 1 | 6万円 |
新たに「スピードBDドライブ」を搭載し、ディスクの読み込み時間を大幅に高速化するなど動作の高速化や操作感の向上を図った。また、スマートフォンやタブレットでの家庭内動画視聴/ダビングが、AQUOS PHONE以外のiOSやAndroidスマートフォン/タブレットでも利用可能になった。
「スピードBDドライブ」でBDローディング高速化
上位モデルのBD-T2500/T1500は地上/BS/110度CSデジタルトリプルチューナを搭載するほか、カートリッジ型HDD「SHDD」によりHDD増設に対応。また、任意の1チャンネルを最大8日録画し続ける「1チャンネル自動録画」を搭載する。HDD容量はT2500が2TB、T1500が1TB
BD-W1500やW550はダブルチューナモデルで、HDD容量はW1500が1TB、W550が500GB。BD-S550はHDD 500GBのシングルチューナ機となる。ダブル/シングルチューナモデルでは、SHDDや1チャンネル自動録画には対応しない。
新AQUOSブルーレイの最大の特徴は、「スピードBDドライブ」の搭載により、BDのローディング時間を高速化したこと。ドライブはパイオニアとシャープの合弁会社パイオニアデジタルデザインアンドマニュファクチャリング製で、従来比約20%強化したトルクモーターの採用でディスクの回転加速スピードを向上。さらに、ドライブとソフトウェアの最適化を行なうことで、ディスクの読み込みを高速化した。読み込み速度はディスクによって異なるが、実機デモでは、従来モデルで約20秒かかっていたBDビデオ読み込みが、約10秒程度で完了していた。
従来のAQUOSブルーレイでも、録画リスト表示や起動などはかなり高速になっていたが、BD/DVD利用時の動作については、ユーザーから不満が寄せられていたという。そのため、シャープでは新AQUOSブルーレイで重点的に強化した。HDDからBDへのダビングやBlu-ray 3D再生にも対応する。
MPEG-2 TSのストリーム録画のほか、MPEG-4 AVC/H.264にトランスコードしての長時間録画にも対応。最大12倍の長時間録画に対応し、14段階の画質設定が行なえる。テレビの番組表(EPG)を使った録画予約では、「見ながら番組予約」に対応。放送番組や録画番組を表示しながら、画面右側に番組表を一覧表示するため、視聴を中断すること無く録画予約が行なえる。
トリプルチューナモデルのBD-T2500/T1500は、「1チャンネル自動録画」と「SHDD」への録画に対応。3チューナのうち1系統を、NHKやWOWOWなどのチャンネルに割り当て、予約録画の手間なく、最大で8日分録り続けることができる。録画した番組は専用の録画リストに集められ、録画先は内蔵HDD、SHDD、USB HDDから選択できる。
ただし、1チャンネル自動録画は、1日24時間録画し続けることはできず、録画時間は1日最大18時間までに制限されている。録画時間帯はユーザーが選択できる。
見どころポップアップは「チャプタ」対応
録画番組の再生では、「見どころポップアップ」を強化。録画リストや再生画面でリモコンの「(ポップアップ)メニュー」を押すと、一定間隔で番組のシーンをサムネイルで表示し、頭出しなどに利用できる機能。従来は2分30秒/5分間隔でしかサムネイルを生成できなかったが、新AQUOSブルーレイでは、1分、5分間隔に加え、「チャプター」単位でのサムネイル表示に対応。AQUOSブルーレイでは録画番組のCM部に自動でチャプタを付与するため、CMスキップなどにも使えるようになる。
また、見どころポップアップの適用範囲を拡大。従来は再生/追いかけ再生中や、録画リスト(テキスト)画面でしか呼び出せなかったが、新たに録画リスト(画面)、消去 タイトル選択時、ダビングタイトル選択時でも、見どころポップアップが利用可能になった。
ユーザーインターフェイスの「ビジュアルホームメニュー」の適用画面も増やし、アイコンやイラストなどで操作を案内。使いやすさを高めた。
トリプルチューナモデルのBD-T2500/T1500とダブルチューナのW1500は無線LANを搭載。全モデルでEthernetを装備し、リモート予約やDTCP-IP/DLNAサーバー機能に対応。AQUOS PHONE以外のAndroidやiPhone/iPad用でもアプリが提供され、アプリ「AQUOSリモート」によるリモート予約に対応するほか、「iPコントロール」アプリによる、音声入力による番組検索などが可能。
また、録画番組をハイビジョン画質のままネットワーク経由でスマートフォンにダビングできる「スマートフォンWi-Fiダビング」に対応。従来は対象機種がAQUOS PHONEに限定されていたが、新たにiPhoneや他社のAndroidスマートフォンなどにも対応。利用アプリとしては「TwonkyBeam」を推奨し、動作確認しているとのこと。
買い替えユーザー向けに、ネットワーク経由で録画番組を新しいレコーダにダビングできる新機能「買換えお引越しダビング」に対応。最大100番組までを一度に選択し、新しいレコーダにダビング出来る。番組管理はダビング10のルールに則るため、ダビング前に元番組に10回のダビング回数が残っている場合は、ダビング後には、ダビング元が9回、ダビング先が1回となる。
「4K純モード」やD端子搭載
映像エンジンの「高画質マスターエンジンBD」もアップデート。長時間録画モードで録画した番組のノイズを従来機より低減した。また、4K AQUOS「UD1シリーズ」とのHDMI接続時に原画に忠実な自然な色合いと、4K解像度を活かした表示を行なうという「4K純モード」を搭載する。
出力端子はHDMI×1、D3出力×1、コンポジット出力×1、光デジタル音声出力×1、USB×2(データ用×1、外付けHDD用×1)など。トリプルチューナモデルは、アース付きの3極電源や防振ドライブメカ、音響用電源回路コンデンサ、アンチバイブレーションキャビネットなどの高音質/高画質パーツを搭載する。
なお、2013年に入ってから他社のBDレコーダ/プレーヤーの多くでは、D端子などのアナログビデオ出力が省かれているが、シャープAQUOSブルーレイでは引続き装備する。各社がアナログビデオ出力を省いている理由は、Blu-ray Discの著作権保護技術「AACS」の規定により、2014年1月以降に製造されるBDプレーヤー/レコーダのアナログビデオ出力が禁じられるため。'14年以降に販売される製品では、AACSで保護されたBDビデオはアナログ出力できなくなるのだ('13年中はD1解像度に制限して出力)。
今回のAQUOSブルーレイは'14年以降も販売する予定だが、'14年以降の販売製品はAACSで保護されたBDビデオのアナログビデオ出力はできなくなる。ただし、HDD録画した番組であれば、AACSの規定に依らずアナログビデオ出力できる。また、BD-R/REに録画した番組はSD解像度に制限して出力される。
【訂正】
記事初出時に、「2014年以降はBD-R/REに録画した番組のアナログ出力ができなくなる」と記載しておりましたが、正しくは、「'14年以降もSD解像度でアナログ出力できる」になります。お詫びして訂正いたします。AACSライセンスが2012年に変更され、'14年以降もAACS保護のデジタル放送番組はSD解像度で出力できるようになりました。(11月8日追記)。
シャープによれば、HDMIを搭載していない薄型テレビ(2005~6年頃など)のユーザーが多く、こうしたテレビの利用者がレコーダを使えなくなることを避けるため、アナログビデオ出力を搭載したという。ただし、HDMI接続しないと、市販BDビデオが見られなくなるといった課題については、今後注意喚起していくとする。
リモコンも「新・ファミリモコン」に強化。新たに日立や三菱、LG製テレビとのHDMI連携において、ダイレクト選局や放送切り替え、消音、入力切替(LGは非対応)が可能となった。
トリプルチューナモデルの消費電力は約33W(待機時0.2W)。年間消費電力量は約37kWh/年。外形寸法は430×236×61mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約4.1kg(T2500)/約3.9kg(T1500)。
ダブル/シングルチューナモデルの消費電力は19~25W(待機時0.18W)。外形寸法は430×235×58mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.2kg(BD-W1500)/約2.9kg(BD-W550/S550)。