ニュース

フェイス、日本コロムビアを連結子会社化。「アーティストを売る」ビジネス強化へ

 動画や音楽コンテンツ配信サービスを手がけるフェイスは3日、音楽ソフト大手の日本コロムビア株式を公開買付けにより追加取得し、発行済株式の約6割を取得、連結子会社化する方針を発表した。

 買い付けは2月4日から3月18日までを予定しており、買い付け価格は1株あたり780円。買収総額は約28億8,000万円。フェイスはこれまで、コロムビア株式の31.2%を所有し、持分法適用会社としていたが、今回の追加取得により連結子会社化する。

 フェイスでは連結子会社化の理由について、「コロムビアと相互に連携して、激変する市場環境に対応した独自のアーティスト発掘・開発手法を用いたヒットアーティスト輩出を通じ、従来の『CDを売る』ビジネスモデルを脱した『アーティストを売る』ビジネスモデルを構築し、競争力の向上と成長分野への取り組みを一層強化するため」と説明している。

 コロムビアは、16万曲に及ぶ楽曲(音源)や、楽曲制作のノウハウ、日本中に知られている高いブランド力、国内主要都市の営業基盤など、音楽事業展開に有効な多くの資産を有している。フェイスは、コンテンツ流通のプラットフォームを手がけ、楽曲や映像配信、グッズ販売、eチケット販売、ファンクラブ運営、ソーシャルサービス、ネットプロモーションの各機能を統合させ、ワンストップで提供するファンとアーティストをつなぐシステムを整備。制作業務をウェブ上で募集する音楽制作クラウドソーシングサービス「ARTIST CROWD」や楽曲との出会いを創出するレコメンド型インターネットラジオ「FaRao」などを提供している。

 フェイスでは、両者が連携を強化することで、双方がお互いの事業の根幹を成す資産、経営資源等を相互に提供・活用し、両社の企業価値の一層の向上を図ることが望ましいと判断。連結子会社化を決めたとしている。

(臼田勤哉)