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アニメ制作環境の問題解決プロジェクト「アニメミライ」、4作収録BDをAnimeJapan会場で販売

「アニメミライ2014」のBlu-ray
(c)恩田尚之/Beyond C./文化庁 アニメミライ2014
(c)古田足日・偕成社/A-1 Pictures/文化庁 アニメミライ2014
(c)吉浦康裕/株式会社ウルトラスーパーピクチャーズ/文化庁 アニメミライ2014
(c)今井一暁/シンエイ動画株式会社/文化庁 アニメミライ2014

 3月22日と23日に東京ビッグサイトで開催される大規模アニメイベント「AnimeJapan 2014」の会場において、アニメスタジオ4社の作品をまとめた「アニメミライ2014」のBlu-rayが発売される。東3ホールの「Anime Japan 2014オフィシャルショップ」で販売され、価格は3,800円。品番はANTX33003。

 「アニメミライ」は、アニメ制作環境が抱える問題の解決と、日本のアニメ振興を目的に昨年度からスタートした文化庁のプロジェクト。応募企画から、人材育成の意欲や制作実績などに基づき4社を採択。各社に対して、制作資金、実制作による技能習得の機会提供(OJT/On-the-Job Training)、各種講座、グループミーティングやディスカッションなどを提供・実施するもの。制作や育成の過程は、定期的なアンケートやヒアリングによりデータ化、分析され、人材育成のノウハウとして蓄積・活用される。

 完成した作品は劇場公開されているほか、テレビ放送やネット配信なども予定されており、今回、Blu-rayが発売される事になった。なお、各作品の著作権は、プロジェクト終了後、各制作会社に帰属となり、各社により商業展開が行なわれる見込み。

 「アニメミライ2014」のBDには、「アルモニ」(制作:ULTRA SUPER PICTURES)、「大きな1年生と小さな2年生」(制作:A-1 Pictures)、「パロルのみらい島」(制作:シンエイ動画)、「黒の栖 -クロノス-」(制作:STUDIO 4℃)が収録される。さらに、Anime Japan限定特典として、各作品の特製ポストカード4枚セット(表面:原画イラスト/裏面:イラスト付きスタッフメッセージ)が付属する。

アルモニ

アルモニ
(c)吉浦康裕/株式会社ウルトラスーパーピクチャーズ/文化庁 アニメミライ2014

 人は皆、それぞれ自分の世界を持っている。34人の生徒がざわめくこの2年1組の教室の中にだって、沢山の世界がある。吉田や渡辺なんかと一緒に昨晩のアニメについて熱く語れるのが、僕・本城彰男の世界。楽しいし、居心地だっていい。……でも、本当はいつも考えている。教室の向こう側で華やかな友人に囲まれて笑っている、真境名樹里の世界のことを。ある日、僕は彼女の世界に触れることになる。言うほど単純なことではないんだけれど。

 「イヴの時間」や「サカサマのパテマ」の吉浦康裕監督作品。

大きな1年生と小さな2年生

大きな1年生と小さな2年生
(c)古田足日・偕成社/A-1 Pictures/文化庁 アニメミライ2014

 1年生のまさやは体が大きいのに泣き虫で、通学路の暗い坂道が怖くて1人で歩けません。そんなまさやと手をつないで歩いてくれるあきよは、背は小さいけれどしっかり者の2年生。あきよのようにしっかりしたい、とあこがれているまさやですが、ある日、あきよが涙をながす事件が起きてしまいます。まさやはあきよを元気づけるため、あきよが大好きなホタルブクロの花を探しに、はるか遠くの一本杉の森へと歩いて行くのでした。

 シンエイ動画にて、「ドラえもん」のTVシリーズ、劇場版で長年にわたり活躍。2011年よりフリーになり、「謎の彼女X」、「宇宙兄弟」、「団地ともお」などを手掛ける渡辺歩監督作。

パロルのみらい島

パロルのみらい島
(c)今井一暁/シンエイ動画株式会社/文化庁 アニメミライ2014

 遠い海の向こうに浮かぶ小さな島。そこには未だ人間に知られていない不思議な動物達が暮らしていた。その島の子供、パロル・ズーズ・リコットは、ある日人間の世界の写真を拾い、その美しさに魅了され、掟を破って島を飛び出してしまう。初めて見る人間の世界に驚き、興奮するパロル達。ただ、そこには思わぬ落とし穴が待ち受けているのだが……。果たして彼らは無事に旅の目的を達成する事が出来るのか?

 「ポルフィの長い旅」、「戦場のヴァルキュリア」や「ドラえもん」などで主要スタッフとして活躍した今井一暁氏の初監督作品。

黒の栖 -クロノス-

 少し暗い陰を持つ高校生・中園真。彼には幼い頃より、魂を連れ去る「黒い存在」が見えてしまうという不思議な力があった。ある日不意に「黒い存在」の一人・瀬野晶に話しかけられ「自分たちの邪魔をする気か?」と問い詰められる。しかし真は「どうせ何も出来ないので邪魔はしない」と諦めの態度を見せるだけだった。そう、その時はまだ、幼馴染の葉月に迫る不穏な影に、真は気づいてはいなかったのだ……。

 キャラクターデザイナー・作画監督として、「機動戦士Zガンダム」、「アニマトリックス: ディテクティブ・ストーリー」、「バットマン ゴッサムナイト」、「ベルセルク 黄金時代篇」劇場三部作などに参加してきた恩田尚之氏の初監督作品。

(山崎健太郎)