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シャープ、'13年度は黒字転換。国内と中国のTVが伸長

60型超の大画面戦略、中小型IGZOによる高精細化を推進

高橋興三社長

 シャープは12日、2013年度(2013年4月〜2014年3月)の連結業績を発表した。売上高は、前年比18.1%増の2兆9,271億円、営業利益は1,085億円の黒字、純利益は115億円の黒字に転換。前年の営業赤字1,462億円、純損失5,453億円から大幅に回復した。第4四半期(1月〜3月)は、売上高が7,698億円、営業利益は同270億円。純利益は同61億円の赤字となった。

 高橋興三社長は、'13年5月に策定した中期経営計画の進捗状況を報告したほか、「再生と成長を実現する5つの重点施策」として液晶事業の収益拡大などを説明。「初年度は何とか数字が出たが、またゼロからのスタートで今年度に向かう」との意思を表明した。

テレビは国内/中国が伸長。液晶は60型以上を強化

'13年度の連結業績概要

 デジタル情報家電の通期売上高は、前年同期比0.1%増の7,333億円、営業利益は128億円(同1.8%増)。液晶テレビは米州/欧州で低迷した一方、日本と中国、新興国で伸びた。携帯電話の新製品投入も寄与したことなどで損益が改善、黒字転換を達成した。

 液晶テレビの'13年度売上高は前年同期比6.6%増の4,138億円、台数は2.7%減の781万台だった。携帯電話事業の売上高は、前年同期比10.5%減の2,055億円、台数は同9.8%減の551万台。

 液晶テレビは米国市場における競争激化などから販売台数が前年をやや下回ったが、平均単価は上昇。携帯電話は海外メーカーとの競争激化や国内スマートフォン需要の伸長が鈍化したことなどにより、台数/金額ともに前年を割り込んだ。

部門別売上高
デジタル情報家電

 デジタル情報家電部門の'14年度の見込みとしては、国内の消費税率引き上げによる一時的な販売減、中国(の春節)における販売費用精算などで前半は低調な推移を予想。液晶テレビや携帯電話の新製品投入などで挽回を図るという。

 液晶テレビは、4K対応AQUOSや、フルHDで4K相当のクアトロンプロなど高精細テレビと、60型以上(70/80/90型含む)のラインナップ拡充、新興国など重点地域へのローカルフィットモデルの販売強化を進める。携帯電話は、国内フィーチャーフォン需要の取り込み、IGZO液晶搭載、狭額縁「EDGEST」など特徴あるスマートフォンの投入を推進する。

 液晶テレビの'14年度予想は、売上額が前年比6.3%増の4,400億円、台数が同4.9%増の820億円。携帯電話の売上額は同7.0%増の2,200億円、台数は同14.3%増の630万台。

 液晶部門は、売上が前年比17.0%増の9,910億円、営業利益は415億円(利益率4.2%)。スマホ向けを中心に中小型液晶が伸長し、特許関連の寄与などエンジニアリングビジネスの寄与で大幅増益を達成した。

 電子デバイス部門は、売上が前年比20.6%増の3,263億円、営業利益は32億円(利益率1.0%)。スマホなどのモバイル機器向けカメラモジュールが好調に推移した一方、モデルミックスは進まず、LEDデバイスの在庫処分などで下期が赤字となったが、年間では黒字を確保した。今後は、液晶パネルと電子デバイスのソリューション提案による顧客の取り込みなどを進めていく。

液晶
電子デバイス
要因別の営業利益増減分析
'14年度連結業績予想概要
四半期別売上高・営業利益推移予想

亀山第2の中小型液晶は今年度上期に5割へ。中小型はIGZO拡大で高精細化

 高橋社長は、改めて中期経営計画の内容と、進捗について説明。デジタル情報家電は、BD事業の収益改善については「一定の成果が得られた」としたものの、大画面モデルへのインチアップ戦略が苦戦している点や、欧州テレビ事業の改善が遅れていることに言及。今後も「液晶テレビの大型/高精細化戦略展開」や「欧州テレビ事業の構造改革推進」などにより、採算の取れる事業/地域への絞り込みという基本方針に沿って進めて行くことを説明した。

 また、液晶事業については、収益性の改善や、中国スマホメーカーとの取引拡大などが成果として得られた一方、亀山第2工場における中小型比率の拡大が当初の見込みから半年程度の遅れがある点に触れた。同工場における中小型比率は、'14年度上期中に50%へ高め、スマートフォン需要の取り込みを図る。

 さらに、大型液晶パネルのインチサイズの引き上げも行なう。そのほか、重点ユーザーや新規顧客ニーズに即し、パネルとデバイスを組み合わせたソリューション提案を強化していくという。

事業別の改革方向性
各事業における進捗(デジタル情報家電など)
各事業における進捗(液晶など)

 IGZO液晶は、採用ユーザーが'13年度上期に6社、下期に12社へ拡大。'14年度上期は22社、下期には25社と予想。これに伴い、売上は上期に前年同期の約7倍、下期は'13年度上期の9倍超を見込んでいる。

 高橋社長は、中国スマホ向けに受注している液晶において、'14年度には高精細なフルHDが大半を占めるとの予測を示し、「LPTSとIGZOの両方で高精細をカバーしていく」と述べた。

液晶事業の収益推移
中国スマホなど重点ユーザーとの関係を強化
中国のスマホは高精細化が急激に進むと予測
亀山第2工場の中小型比率
海外地域戦略の概要
設備投資の推移

(中林暁)