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ELAC、初のラウンドキャビネット採用スピーカー「260 LINE」

トールボーイ「FS267」と、ペア22万円の「BS263」

左:FS267、右:BS263

 ユキムは、独ELACのスピーカー新モデル「260 LINE」2機種を6月上旬に発売する。2台ペアの価格は、トールボーイ「FS267」が42万円、ブックシェルフ「BS263」が22万円。

 2011年12月発売の240BE LINEの後継モデル。「FS267」は、JET Vツイータと、150mm径ウーファ2基で構成するトールボーイ型。ブックシェルフの「BS263」は、JET Vと150mm径ウーファを各1基搭載する。仕上げは、ハイグロス・ブラックのみ。

FS267
BS263(専用スタンドLS30HBとの組み合わせイメージ)

 ELAC史上初というラウンドしたキャビネットを採用していることが特徴。ツイータは、従来のリボン型ツイータ「JET III」から、上位機種の300/400 LINEにも採用されている「JET V」に変更されている。ウーファユニットは従来機240BE LINEと同仕様だが、JET Vを組み合わせるためにネットワークを刷新している。

ラウンドしたキャビネットデザインを採用

 新デザインのラウンドキャビネットは、カーブを持ったサイドバッフルにより強度を増強。内部補強を最小限に抑えることで「空間容量の確保」が容易となり、内部のQ値を低減している。キャビネット内部の定在波も減少するという。サランネットの取り付けにはマグネットを採用している。

 「JET V」ツイータは、開口部を従来の5ギャップから4ギャップデザインに変更し、放射特性を改善。振動板の素材は従来と同じカプトンだが、アルミ電極パターンをより細かく改良し、実効面積を20%拡大している。面積の拡大に合わせ、磁気回路もより強力なネオジウムマグネットへ変更。これらにより、「共振周波数を低い値に抑え、可聴レンジから大きく遠ざけている」という。

 ウーファユニットは、240BE LINEと同様、「AS XR CONE」を搭載。振動板はクルトミューラー製のセルロースパルプ/アルミのハイブリッドで、表面にクリスタルラインのパターンをプレスしている。

JET Vツイータ
AS XR CONEウーファ

 ネットワーク部には、限定モデルの「BS243LTD」などに採用された「空芯コイル(ハイパワー・エアー・コイル)」を踏襲。ツイータ用にMPT(ポリプロピレン・フィルム・コンデンサー)を、ウーファ用にMKT(金属処理されたポリエステル・フィルム・コンデンサー)を採用し、高音質化に貢献したという。

 スピーカーターミナルは、400 LINEに搭載された「ソリッド・メカニカル・バインディング・ポスト」を採用。接続はシングルワイヤ方式で、「誰もが“バイワイヤを正しく使った時と同等の素晴らしいクオリティ”で音楽を再生できるよう、シングルワイヤでの設計を決定した。部品点数が少なくなり、より多くのコストをかけられる」と採用の理由を説明している。

BS267にはスパイクが標準付属する

 トールボーイのFS267には「ボトム・エミッション・テクノロジー」も搭載。底面のプレートに向けてバスレフポートを設けることで、常に壁(ベースプレート)への距離と放射特性を一定にでき、壁際にセッティングしてもバランスが崩れないという。また、従来はオプションとなっていた「ULTIMATE SPIKE」が標準付属する。ブックシェルフのBS263は、専用スタンド「LS30HB」(6万円/ペア)と組み合わせられ、転落防止のためのネジロックもできる。

 FS267は、周波数特性が30Hz~50kHz、クロスオーバー周波数は500/2,500Hz、入力は定格120W/最大160W。能率は88.5dB。インピーダンスは4Ω。外形寸法は240×320×1,021mm(幅×奥行き×高さ)、重量は19.8kg。

 BS263の周波数特性は41Hz~50kHz、クロスオーバー周波数は2,500Hz、入力は定格60W/最大80W、能率は87dB、インピーダンスは4Ω。外形寸法は192×285×285mm(幅×奥行き×高さ)、重量は6.6kg。

(一條徹)