ユキム、ELACの新JET搭載トールボーイ「FS407」など
新設計ウーファ、初のシングルワイヤ。「190 LINE」も
FS407 |
ユキムは、独ELACのスピーカー新モデル「400 LINE」2機種と「190 LINE」3機種を11月1日に発売する。
価格は、400 LINEのトールボーイ「FS407」が48万3,000円(ペア)、ブックシェルフ「BS403」が25万2,000円(同)。190 LINEのトールボーイ「FS197」が23万1,000円(同)、ブックシェルフ「BS192」が12万6,000円(同)、センター「CC190」が89,250円(1台)。
いずれの機種も、ELACを象徴するリボン型ツイータ「JET」の新世代モデルを採用したことが特徴。400 LINEには「JET V」を、190 LINEには「JET V Extra(Ex)」を搭載した第1弾モデルとなる。
■ 400 LINE
BS403 |
「FS407」は、JET Vツイータと、150mm径ウーファ2基で構成するトールボーイ型。ブックシェルフの「BS403」は、JET Vと150mm径ウーファを各1基搭載する。仕上げは、ハイグロス・ブラックとハイグロス・ウォールナットの2種類を用意する。
新ツイータの「JET V」は、約10年に渡り同社スピーカーに採用されている「JET III」との違いとして、バッフル面全てをアルミダイキャスト製に変更(IIIはアルミ+樹脂)。開口部も従来の5ギャップから4ギャップデザインとなり、放射特性を改善した。また、表面からネジを無くしている。
振動板の素材は従来と同じカプトンだが、アルミ電極パターンをより細く改良し、振動板面積を20%拡大。振動板を保持する機構を改良し、面積の拡大に合わせて磁気回路もより強力にした。この結果、共振周波数を低く抑え、可聴レンジから遠ざけたという。
ウーファユニット「AS XR CONE」も新設計。振動板はクルトミューラー製のセルロースパルプ/アルミのハイブリッドで、プレス加工されるクリスタルラインのパターンを新たに最適化。バッフル面はアルミダイキャストに変更され、裏側に続くバスケットまでを一体成型として強度を高めている。ボイスコイル内径を拡大したほか、正確なピストンモーションを行なうためラバーエッジを大型化。内部にアルミニウムリングを配し、共振周波数近くの振動を抑えている。アルミとパルプを張り合わせるグルー素材も見直している。
新設計のツイータとウーファを採用 | ウーファユニット |
ネットワーク部には、新開発の「マッシブ・マウンティング・プレート」を搭載。空芯コイル(ハイパワー・エアー・コイル)も踏襲している。そのほか、ツイータ用にMPT(ポリプロピレン・フィルム・コンデンサー)を、ウーファ用にMKT(金属処理されたポリエステル・フィルム・コンデンサー)を採用し、高音質化に貢献したという。ELACのロゴにも特注の高品質パーツを使用している。
スピーカーターミナルも新開発の「ソリッド・メカニカル・バインディング・ポスト」を採用。回しやすさと確実なロックを可能にするという。
400LINEは、ELACのスピーカーとして初めて、シングルワイヤで設計。バイワイヤ接続で優れたパフォーマンスを発揮するためには、アンプの能力や適切なスピーカーケーブルなどの条件が揃う必要があることや、バイワイヤ対応スピーカーをシングルで使う場合にジャンパープレートを介することにが劣化につながることを理由としており、「残念な事に対応するスピーカーを持っていても、バイワイヤ接続で使用されている状況は全体の数パーセントにとどまっている事に注目した」という。
シングルワイヤ向けの設計にあたり、ネットワークはシンプルかつ高品位なパーツを選択。「誰もが“バイワイヤを正しく使った時と同等の素晴らしいクオリティ”で音楽を再生できるよう、シングルワイヤでの設計を決定した。部品点数が少なくなり、より多くのコストをかけられる」としている。
FS247から採用されている「ボトム・エミッション・テクノロジー」も搭載。底面のプレートに向けてバスレフポートを設けることで、常に壁(ベースプレート)への距離と放射特性を一定にでき、壁際にセッティングしてもバランスが崩れないという。FS407/BS403共にこの技術を採用。FS407は新たにクロスバーを開発し、高さ調整が容易/確実に行なえ、転倒防止にもなるという。BS403は専用スタンド「LS70II」との組み合わせにより、音質改善や転落防止のためのネジロックが可能。
FS407は、周波数特性が30Hz~50kHz、クロスオーバー周波数は450/2,500Hz、入力は定格130W/最大170W。能率は88dB。インピーダンスは4Ω。外形寸法は260×314×1,038mm(幅×奥行き×高さ)、重量は17kg。
BS403の周波数特性は41Hz~50kHz、クロスオーバー周波数は2,500Hz、入力は定格70W/最大100W、能率は86dB、インピーダンスは4Ω。外形寸法は166×294×308mm(幅×奥行き×高さ)、重量は6kg。サランネットの取り付けにはマグネットを採用している。
ELAC初のシングルワイヤ接続モデルとなる。写真はFS407の背面 | BS403の背面 |
■ 190 LINE
FS197 |
2010年に発売された180 LINEのリニューアルモデル。ツイータには「JET V Ex」を採用している。ウーファはAS CONEユニットを採用し、トールボーイのFS197が140mm径×2。ブックシェルフのBS192が135mm径×1。センターのCC190が135mm径×2。仕上げは3モデルともサテン・ブラックのみ。
JET V Exは、400 LINEのJET Vをほぼ踏襲したというツイータで、アルミ電極を従来より細くし、振動板(カプトン)の面積を20%拡大。振動板の保持機構や磁気回路も改良している。
ウーファのAS-CONEも、180LINEのAS-XRユニットとは異なり、「弾力のある聴きやすいサウンドが好評」というユニット。アルミとパルプ材のハイブリッドという点は共通だが、シルバー色だったアノダイズ処理をブラックに変更し、デザインも上位機種の500 LINEや240BE LINEに近くなった。
ターミナルはいずれもバイワイヤリング対応。180LINEと同様に、サランネットとメタルグリルの両方が付属し、好みに応じて付け替えられる。FS197/BS192には、ボトム・エミッション・テクノロジーを搭載。BS192はブックシェルフで初の同技術採用モデルとなる。
BS192 | CC190 |
型番 | FS197 | BS192 | CC190 |
周波数特性 | 36Hz~50kHz | 46Hz~50kHz | 44Hz~50kHz |
クロスオーバー周波数 | 700Hz/2,700Hz | 2,500Hz | 700Hz/2,400Hz |
定格/最大入力 | 90W/130W | 60W/80W | 80W/110W |
能率 | 88.5dB | 87dB | 88.5dB |
インピーダンス | 4Ω | ||
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 210×290×975mm | 160×262×290mm | 435×350×158mm |
重量 | 15kg | 5.5kg | 8.8kg |
(2012年 10月 18日)
[AV Watch編集部 中林暁]