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ソニー、小さくなったアクションカム「HDR-AZ1」

画質そのままで小型化。旅行やレジャーなど日常使いを

 ソニーは、小型化したアクションカメラ「アクションカム ミニ HDR-AZ1」を10月24日に発売する。新ワイヤレスリモコン「RM-LVR2V」をセットにした「HDR-AZ1VR」(リモコンキット)と、「HDR-AZ1」(単体)が用意され、価格はオープンプライス。店頭予想価格はリモコンキットが41,000円前後、本体のみが31,500円前後。

HDR-AZ1VR(HDR-AZ1+RM-LVR2V)。リモコンでの利用が前提となる

 手ぶれ補正機能や高感度撮影機能、タイムコード記録やXAVC Sといったプロ向け機能などの主要なスペックは現行モデル「HDR-AS100V」から踏襲しながら、外形寸法をAS100V比で30%削減し、重量も29g減の63gまで軽量化。より装着しやすく、持ち運びすくし、スポーツなどの過酷な環境下だけでなく、旅行やレジャーなどアクションカムの使用シーン拡大を図った小型モデルとなる。愛称は「アクションカム ミニ」。

 HDR-AZ1は、小型化を優先して付属のライブビューリモコン「RM-LVR2V」からの操作を前提として開発。そのため本体での操作は、AS100Vより簡易的なものとなり、録画/停止やWi-FiのON/OFFのみ。動画/静止画の切り替えや撮影モード選択、詳細設定などは、ライブビューリモコン、もしくはアプリの「PlayMemories Mobile」から行なう。また、小型化に伴い、AS100Vで本体内蔵していたGPSは、リモコン側に移設された。

 リモコンを前提とした設計のため、販売の現場でもリモコンキット(HDR-AZ1VR)を製品展開の主軸と位置づけ、本体(HDR-AZ1)単品販売は2台目、3台目の追加などを想定している。HDR-AZ1は、「アクションカム ミニ」の愛称で、小型でカジュアルなアクションカムの用途拡大を目指して展開。従来モデルの「HDR-AS100V」は長時間利用やエクストリームスポーツ向けの主力モデルとして、引き続き販売する。

型板HDR-AZ1HDR-AS100V
外形寸法24.2×74×36mm24.2×81.5×46.5mm
重量63g92g
GPSリモコン本体
ファイル削除
(リモコン利用)
-
撮影可能
時間
約80分約120分

小型化ニーズに対応の「アクションカム ミニ」

パッケージ

 ライブビューリモコンが人気で、アクションカメラ市場で国内シェア1位を獲得しているソニーだが、2014年度は約20万台市場に拡大すると予測。これまでのアクションカメラ需要では、バイクや車、サイクリング、スキー、スノーボードなどのスポーツ需要で人気を集めていたが、最近は旅行やレジャー、さらには子供の撮影といった日常撮影など、「非スポーツ」需要が拡大。利用者アンケートでもスポーツが55%、非スポーツが45%とスポーツに迫っているという。

 そのため、「より装着しやすく、目立たず、持ち運びやすい」というライトユースの拡大を予測し、HDR-AZ1では小型化を優先。旅行、レジャー用途などの非スポーツ需要でも用途拡大を狙う。

小型化により日常使いを提案
設置の自由度も向上
HDR-AZ1VR。防水ハウジングなどもセットに

 本体はIPX4相当の防滴仕様で、雨の中などでも利用できる。また、付属のウォータープルーフケース(SPK-AZ1)を装着することで、5m防水や防塵、1.5m耐衝撃対応となる。ただし、バッテリの小型化などにより、耐低温性能はAS100Vの-10度から、AZ1では-5度となった。

 画質面ではAS100Vとほぼ同等。撮像素子は、有効1,190万画素(AS100Vは1,350万画素)の裏面照射型の1/2.3型Exmor R CMOSで、画像処理エンジンはBIONZ X。アクションカム専用設計のツァイスのレンズを採用し、画角は120度/170度で撮影できる。

HDR-AZ1
側面
レンズはZEISSのテッサー
本体操作ボタンはON/OFFやWi-Fiボタンなど
側面
上部に録画ボタンやHOLDスイッチ

 ソニーアクションカムの特徴である手ぶれ補正範囲も強化。AS100Vでは、バイクなどの細かい振動に対して、補正領域を強化し、手ブレ補正効果を高めていたが、AZ1では小型化にともない登山やスキーなどにおける補正効果も高めている。

防滴ハウジングにHDR-AZ1を内蔵
HDR-AZ1とHDR-AS100Vの比較
液晶ディスプレイや操作ボタンが大幅に簡略化された
約30%小型化されている

 記録フォーマットは、MPEG-4 AVC/H.264のMP4とXAVC S。MP4では1,920×1,080の60p/50p(PS:28Mbps)、1080/30p/25p(HQ:16Mbps)、1,280×720/30p/25p(STD:6Mbps)、640×480/30p/24p(VGA:3Mbps)。XAVC Sで1080/60p(50Mbps)、30p(50Mbps)、24p(50Mbps)の撮影に対応する。4K動画撮影には対応しない。「ユーザー調査でも小型/軽量を求める声が圧倒的に高く、小型/軽量を優先した」とする。

 スロー撮影は1,280×720/120p/100p対応のMP4で、SSLOW(6Mbps)とHS120(28Mbps)を用意する。XAVC Sはプロ用途も想定し、複数台撮影した映像を後で同期しやすくするためのタイムコード記録も利用可能。撮影時の色味も、デフォルトの「VIVID」に加え、プロ用途に適した色で撮影する「NUTRL」(ニュートラル)モードも用意される。

 静止画撮影にも対応し、有効画素数は1,190万画素。最大8枚までの連写に対応する。記録メディアはmicroSDとメモリースティックマイクロ。

三脚用のアダプタが付属する
本体下面

 前面にステレオマイクを装備。小型化にともない、マイク入力とHDMIマイクロ出力端子が省かれた。また、バッテリは小型化された新開発の「NP-BY1」。撮影可能時間は80分となり、AS100Vの120分より短くなっている。NP-BY1は単品販売(3,000円)も行なうほか、充電器とNP-BY1をセットにした「ACC-TRDCY」(4,000円)も合わせて発売される。

新バッテリの「NP-BY1」
バッテリと充電器セットの「ACC-TRDCY」

 Ustreamへの「ライブストリーミング」にも対応。スマートフォンのテザリングや無線LANルータなどを利用して、AZ1で撮影した映像を動画配信サービス「Ustream」へリアルタイムにアップロードできる。

 「モーションショットLE」は、1秒間に連写したデータを重ね合わせて、人物などの動きを1枚の画像(300万画素)で表現できるもの。連写速度は1秒間に8枚/5枚/2枚から選べる。

 最大8枚/秒の静止画を全て記録する「高速連写」も可能。速度は1秒間に8枚/5枚/2枚から選択できる。有効画素数は1,190万画素。「セルフタイマー」は10秒または2秒から選択できる。

新ライブビューリモコンで操作

新ライブビューリモコン「RM-LVR2V」

 無線LANを搭載し、スマートフォンやタブレットのアプリと連携し、画角チェックなども引き続き可能。NFCにも対応し、ワンタッチで無線LANのペアリングが可能。

 液晶ディスプレイを備え、無線LANでアクションカムと接続し、画角設定や録画/再生操作が行なえる「ライブビューリモコン」は新型の「RM-LVR2V」で、AZ1の小型化にともないGPSを内蔵したほか、カメラの詳細設定変更、ファイル再生/削除に対応した。新リモコンの利用を前提とし、AZ1の本体操作操作系が簡略化されている。

 なお、AS100Vの付属リモコン「RM-LVR1」もAZ1で利用できるが、新リモコンのRM-LVR2Vで追加されたAZ1の全設定変更や、カメラ内ファイル削除/再生機能などが利用できない。

 液晶ディスプレイは1.5型で、動画/静止画の変更や、録画画質の選択などに対応。ライブビューリモコンからは、最大5台までのAZ1(AS100Vも含む)のモニタリングが可能。

 また、GPSもRM-LVR2V側に内蔵し、撮影中に取得したGPS情報は、AZ1の動画/静止画とワイヤレスで同期して記録される。GPSマルチビュー対応で、ルートスピード表示にも対応する。なお、RM-LVR2Vの単体販売の予定はない。

録画モードを変更
プレビュー中
型番RM-LVR2V(新)RM-LVR1
液晶1.5型1.5型
本体操作
ライブビュー
再生/削除-
GPS-

 また、iOS/Android用アプリ「PlayMemories Mobile」からのプレビューや設定も可能。GPSとタイムコード/ユーザービット以外の全機能がアプリから利用できる。

 パソコン用のファイル管理/編集ソフトとして「PlayMemories Home」をWindows/Mac向けに提供するほか、新たに編集ソフト「Action Cam Movie Creator」もダウンロードで提供。アクションカムで撮影したMP4/XAVC Sの動画編集が簡単に行なえるという。

 新たにリュックサックなどに装着できるバックパックマウント「VCT-BPM1」(4,000円)や、クリップヘッドマウントキット「BLT-CHM1」(3,500円)などのアクセサリーも発売される。VCT-BPM1は、AZ1/AS100V/AS30Vに対応、BLT-CHM1はAZ1/AS100Vに対応する。

クリップヘッドマウントキット「BLT-CHM1」
バックパックマウント「VCT-BPM1」

(臼田勤哉)