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シャープ、'16年の8K試験放送に向け高色再現LEDを開発。4K/8Kテレビに採用へ
(2014/12/11 10:00)
シャープは、8K/4Kテレビに向けた高色再現LEDチップを開発した。新開発の蛍光体を採用することで、今後の8K/4K放送での採用が見込まれる色再現範囲規格BT.2020のカバー率を約80%まで高めている。量産開始は2015年春を予定している。
今回開発した高色域再現LEDチップでは、青色LEDに加え、新緑色蛍光体と、新赤色蛍光体を独自配合技術により組み合わせることで白色光を作り出すもの。既存のテレビ向けLEDは、青色LED+黄色蛍光体を組み合わせたもので、効率よく白色光が取り出せる反面、色の再現性の向上は難しく、BT.2020比で約55%となってしまう。
この問題の解決を狙ったのが高色域再現LEDで、今回の開発品でBT.2020比で80%以上(従来比146%)を達成。さらにカラーフィルタとの最適化により、2016年にはBT.2020カバー率100%を目指すとする。
従来、赤と緑の複数の蛍光体を使用した場合、明るさの確保が困難となっていたが、蛍光材料の変更とともに、LEDチップやパッケージのすり合わせを最適化し、明るさを維持しているという。
今後4Kテレビだけでなく、8Kテレビなどにも搭載予定で、BT.2020の100%カバーという目標も「2016年の8Kテレビ試験放送開始」(同社)を想定したものとなる。価格については、「高い色再現性という付加価値に応じた価格を設定するが、2倍にはならない」としている。