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三洋電機本社ビル売却決定。パナソニック統合最終局面

MUSEUMも閉館。17年に大阪守口市の新庁舎に

 大阪府守口市の三洋電機本社ビルの売却が正式に決定した。三洋電機は、2009年にパナソニックに買収され、2011年には完全子会社化。パナソニックグループとして事業を再編するなか、現在でも法人格を残しており、本社機能を同ビルに残していた。

大阪府守口市の三洋電機本社ビル

 2014年12月18日に開催された守口市議会で、守口市が、同ビルを新庁舎として約48億円で購入することを決議。2015年2月に取得し、2017年4月から、新庁舎として使用することになる。一部には耐震構造の問題があることから、今後、さらなる耐震構造の強化も検討するという。

 三洋電機本社ビルは、京阪守口市駅から徒歩で約3分の距離。国道一号線沿いにあり、門真市のパナソニック本社も、同じ国道一号線沿いで、車で5分ほどの距離にある。

 三洋電機本社ビルは、着工から4年を経て、2001年に全施設が完成。創業50周年事業の一環として、三洋電機の本社機能を集約するとともに、三洋電機の歴代製品を展示した企業博物館「SANYO MUSEUM」や、インターネットや最新デジタル機器を体験できる喫茶店「e-cafe」を併設していた。

 だが、経営不振の影響もあり、2009年にはSANYO MUSEUMを休館(一般公開を終了)。2011年12月には、本社ビル正面の「SANYO」のロゴが下され、新たに「Panasonic」のロゴが掲げられた。

2011年12月[SANYO]ロゴが下ろされて、Panasonicロゴに
[SANYO]ロゴ取り外し中
下ろすとかなり大きい[S]

 その後、親会社のパナソニックが構造改革を進めるなかで、三洋電機本社ビルも売却が模索され、守口市が売却先にあがっていた。

 今回の正式売却が決定したことで、SANYO MUSEUMは12月18日付で閉館。三洋電機の本社機能は、2015年2月末までに、大阪府大東市の三洋電機大東事業所に移転する予定で、2月末までに守口市に明け渡される。

閉館するSANYO MUSEUM

 また、三洋電機の社員は、2015年4月1日付で、全員がパナソニックへ転籍。当面、三洋電機の法人格は存続する予定であり、三洋電機には出向という形になる。

 なお、SANYO MUSEUMに展示や所蔵されていた約180点の歴史的商品は、パナソニックや、大東市の三洋電機の建物内で所蔵されることになる。このなかには日本初の噴流式洗濯機となる「SW-53」や、1970年に開催された大阪万博のサンヨー館に展示された「人間洗濯機」、ポータブルラジカセ「おしゃなテレコU4」などが含まれる。

大阪万博のサンヨー館に展示された「人間洗濯機」
日本初の噴流式洗濯機となる「SW-53」
ポータブルラジカセ「おしゃなテレコU4」
初代のOTTOブランドコンポ

 三洋電機の本社ビル売却、社員のパナソニックへの転籍によって、三洋電機の統合は最終段階を迎えたといっていいだろう。

SANYO MUSEUMに並んだ歴史的製品

(大河原 克行)