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ティアック、11.2MHz DSD/フルバランス対応USB DAC「UD-503」。実売15万円
(2015/6/10 17:34)
ティアックは、11.2MHz DSDに対応したUSB DAC/ヘッドフォンアンプ「UD-503」を6月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は15万円前後。カラーはBlackとSilverの2色。
こだわりのデュアルモノラル構成。DACは「AK4490」
A4サイズの小型ボディに、60年以上にわたって培ったティアックのオーディオ設計ノウハウや設計思想を凝縮させたというデュアルモノラルUSB DAC/フルバランスヘッドフォンアンプ。
DACチップは、旭化成エレクトロニクスの「AK4490」を採用し、DSD 11.2MHzとPCM 384kHz/32bitフォーマットのネイティブ再生に対応。DACは、左右チャンネルそれぞれ独立して搭載する。
DACだけでなく、電源部、アナログ出力部までを左右分離させたデュアルモノラル構成が特徴。アナログ出力回路は、電流伝送強化バッファアンプ「TEAC-HCLD」回路を4回路搭載し、XLRバランス出力時にはフルバランスで、RCAアンバランス出力時にはパラレル・アンバランスで駆動し、「クラスを超えた表現力を持つDAC部を実現した」という。
クロックは48kHz系と44.1kHz系の2種類を内蔵。オーディオグレードの高精度水晶発振器をそれぞれ整数倍の入力信号に対して適用し、音質に与えるジッタの影響を抑え、原音に忠実に再現。さらに10Hz外部マスタークロックの入力に対応し、BNC端子を備えている。
また、Fluencyアルゴリズムを用いたFPGA(プログラマブルIC)により、PCM/DSDのアップコンバートに対応。DSDは12.2MHzまで、PCMは384kHz/32bitまでのアップコンバートを行なう。デジタルフィルタはPCM系が4種類(FIR SHARP/FIR SLOW/SDLY SHARP/SDLY SLOW)とOFF、DSDが2種類で、入力するファイル形式や音楽に応じて最適なフィルタを選択できる。
デジタル部とアナログ部のグラウンドを完全分離するアイソレーション回路を採用。電源も大容量トランスを左右独立で1基づつ搭載するなど、デュアルモノラル構成を貫いている。
背面にUSBを装備。Windows/Mac対応のプレーヤーアプリ「TEAC HR Audio Player」を無償提供する。対応OSはWindows 7/8/8.1とMac OS 10.7/10.8/10.9/10.10。
USB以外の入力は、背面に光デジタル音声、同軸デジタル音声、アナログ音声(RCA)を、前面に光/同軸デジタル兼用のミニジャックを装備。前面のデジタル入力は、ポータブルプレーヤーとの連携を想定している。
出力は、背面にバランスのXLR×1、アナログRCA×1で、ライン出力レベルを固定/+dB固定/可変から選択可能。前面にはヘッドフォン出力用のステレオ標準ジャック×2を装備する。
アクティブ・グラウンド接続対応
UD-503はプリアンプとしても動作。DA変換の直後からボリュームアンプ部に至るまで全段バランス処理が行なわれる「TEAC-QVCS(QuadVolume Control Sysytem)」を採用し、ボリュームは256ステップで設定可能となる。
ヘッドフォンアンプは、アンプ部をラインアンプと共有するディスクリート構成。最大出力は700mW×2ch(32Ω/バランス接続時)、500mW×2ch(32Ω/アンバランス接続時)。対応ヘッドフォンインピーダンスは16~600Ω。2系統のヘッドフォンを同時出力する場合は、アンバランス接続となり、最大出力は350mW×2ch(32Ω)。
バランス駆動、アンバランス駆動に加え、新たにアクティブ・グラウンド接続モードも用意。バランス駆動の原理で、COLD側をグラウンドに接続することで、アンプ回路により強制的にグラウンドをドライブして0Vに近づける駆動方式となり、通常のグラウンドに落とすよりも、理想的なグラウンドを得られ、電源から来るハムノイズの影響も抑えられるという。これにより、ノイズフロアが下がり、静粛性が増すとしている。
ボディはフルメタル筐体で制振性と高級感を両立。インシュレータは3点支持で、受け皿も一体化したピンポイントフットを採用。エソテリックブランドの製品に使われているインシュレータの技術を踏襲しているという。
消費電力は16W(待機時0.4W)。外形寸法は290×248.7×84.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は4.2kg。リモコンが付属する。