ニュース

クリスティ、4K/3D対応で全方向設置可能なDLPプロジェクタ

120Hz動作の「Mirage 304K」。約2,000万円

 クリスティ・デジタル・システムズは、世界初とする全方向設置で使用可能な業務用の4K 3DLPプロジェクタ「Christie Mirage 304K」を6月24日より発売する。価格は2,000万円前後の見込みで、従来機の4Kモデル「Mirage 4K35」の2,800万円に比べて大幅に低価格化している。納期は約2カ月で、9月ごろより順次行なう。

Christie Mirage 304K

 業務用途を想定しており、大型表示システムやテーマパーク、官公庁、軍事、石油ガス、バイオテクノロジー業界などの3D用途を中心とした利用を見込む。

 「Christie Mirage 304K」は、同社のVR(バーチャルリアリティ)プロジェクタシリーズMirageの新製品となるDLPプロジェクタで、解像度は4K/4,096×2,160ドット。液晶シャッター方式の3Dメガネを装着して立体視が可能。120Hz表示に対応し、フレームシーケンシャル方式で左右の目にそれぞれ60Hzの映像を見せることで立体視が可能。

アクティブシャッターの3Dメガネで立体視が可能
3D映像のデモ上映

 外形寸法は約597×959×305mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約70kgで、従来モデルの約114kgから大幅に軽量化。これにより、従来の同クラス製品ではできなかったという上下/左右各360度に向けての設置が可能。真下や真上などの投写も行なえる。

既発売モデル「4K35」(左)と、新モデル「304K」(右)
主な特徴
様々な角度で設置可能
高速画像処理技術「Christie TrueLife」を搭載

 プロジェクタのデバイスは3チップの1.38型DMD。クリスティの高速画像処理技術「Christie TrueLife」を搭載。輝度は最大3万センタールーメン/29,000ANSIルーメン。コントラスト比は2,000:1。固定/ズームレンズをオプションで用意する。

 ランプは、ウシオ電機製ハイプレッシャーランプの450W NSHを搭載。2カートリッジに3個ずつ、計6個のランプを使用し、交換しやすくしている。寿命はキセノンの2倍としており、1,500時間使用後でも70%の明るさを保てるという。さらに、NFCも搭載し、Androidスマートフォンとアプリ「Christie TAP」でランプの使用時間やシリアルなどの情報をチェックできるのも特徴。

 DisplayPortやHDMI、HD-SDI、DVIなどの入力カードに対応し、4系統のDisplay Portを使った入力が可能。さらに、秋にはDisplay Port 1.2対応カードも発売予定で、これによりケーブル1本での4K映像入力も可能になる。

 プロジェクションマッピングなどで複数台のプロジェクタを使って1つの大きな映像を表示する場合に、つなぎ目をシームレスにする機能「Christie Twist」も備える。

側面の入出力端子
NFCタッチで、スマホアプリからランプ情報を確認可能
PCのブラウザ画面でプレビューもできる

VRシステムを含めて様々な用途に提案

 「Christie Mirage 304K」は、6月24日に東京ビッグサイトで開幕した「3D&バーチャルリアリティ展」のクリスティブースで初公開し、発表会を行なった。なお、3D&バーチャルリアリティ展については別記事でレポートしている。

3D&バーチャルリアリティ展のクリスティブース

 Christie Digital Systemsアジアパシフィック部門 バイスプレジデントのLin Yu氏は、新モデルのChristie Mirage 304Kについて「世界で初めて120Hz動作で4K/60pに対応した最高のビジュアルソリューション」として紹介。同社製品にとっての日本市場の重要性を強調した。

 日本支社長の半澤衛氏は、従来モデルに比べて小型化した点や、排熱ダクトが不要な点、水平/垂直360度どちらにも向けられる設置の柔軟性をアピール。販売はプロジェクタ単品だけでなく、VRシステムを含めた形で製造業や大学の研究所などをターゲットとしてビジネス展開していく方針を示した。また、アミューズメント施設などのエンターテインメントに使用する場合も、小型化したことで、利用できる環境が従来よりも広がると見ている。

Christie Digital Systemsアジアパシフィック部門 バイスプレジデントのLin Yu氏
日本支社長の半澤衛氏
Christie Mirage 304Kの想定する市場
主な用途の例

(中林暁)