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アイ・オー、ハイレゾオーディオNAS「fidata」。32万円〜

HDD反転設置など徹底した振動/電源対策。SSDも

 アイ・オー・データ機器は、オーディオ用NASの新ブランド「fidata(フィダータ)」を立ち上げ、ハイエンドオーディオサーバー「HFAS1シリーズ」を10月1日より発売する。HDDを2基搭載し、ミラーリング対応の4TBモデル「HFAS1-H40」と1TB SSDの「HFAS1-S10」を用意し、価格は4TB HDDが32万円前後、1TB SSDが37万円。

オーディオサーバー「HFAS1シリーズ」
HFAS1-S10

 DLNAネットワークオーディオシステム向けに、筐体や電源、対ノイズ性能などにこだわり、音質への悪影響を排除したというオーディオサーバー/NAS。

 筐体は、肉厚のアルミE型サイドパネルに4.0mm厚のアルミ天板を装着。底面には2.3mm厚、質量2.2kgのベース鋼板を採用することで、振動に対する安定性を確保した。また、シャーシ内部はビームによるT字構造とし、電源・基板部とストレージ部の2室構造とすることで、ストレージからの放射ノイズを低減。電源や基板への影響を抑えている。

 HDDモデルとSSDモデルの2種類を用意。HDDは4TB(実用量2TB)、SSDは1TBとなる。

SSDモデル「HFAS1-S10」(左)とHDDモデル「HFAS1-H40」(右)。外観はほぼ共通

 HDDモデル「HFAS1-H40」は、WD製のAV-GPカスタム仕様HDDを2基搭載。スローシークモードで高い静粛性能と電圧変動の抑制を行なっているほか、低偏心プラッターにより振動を抑えている。HDDの総容量は4TBだが、2基の2TB HDDのミラーリングによるRAID1構成で、実用量は2TB。2台のドライブに同じデータを書き込むことで音楽ファイルを保護する。

HFAS1-H40の内部

 2基のHDDには、ヒートシンク代わりになる「ヒートスプレティングマウンター」により、ファンレス化かつ排熱騒音を抑制。さらに、フローティング構造を採用し、マウンタと本体の間に低共振樹脂の「クアッドダンパー」を挿入。HDDからの振動を抑制する。

 加えて、2台のHDDはシャーシ左右にレイアウトし、1基のHDDをあえて反転(裏側)配置し、ディスクの回転方向やヘッドシーク動作を対抗させることで振動を減衰し、振動による悪影響を排除。加えて2基の電源やSATAケーブルを等距離配置できるため、音質面での利点もあるという。こうした仕様は数多くの比較試聴を経て決定したという。

2台のHDDを左右にレイアウトし、左側のHDDは裏返しに設置している
ヒートスプレディングマウント
クアッドダンパー

 SSDモデルの「HFAS1-S10」は、Samsung製の「850EVO」を2台搭載した、総容量1TB構成。電圧変動を抑制する3D V-NANDを採用するほか、耐ノイズ性に優れたアルミ筐体の採用などオーディオユース向けにこだわった。

Twonky Server7のメディアツリー

 DLNAサーバーには、Twonky Server7を搭載。384kHz/32bitまでのWAV、FLACに加え、最大11.2MHzまでのDSD(dff.dsf.)配信に対応する。Twonky Server 7はアイ・オー・データがカスタマイズし、要望の多い[フォルダー]を最上位に表示するなど、ナビゲーションツリーの改善を図っている。また、後日のアップデートにより、高解像度のアルバムアート配信に対応する。

 ハイレゾ音楽配信サービス「e-onkyo music」からの楽曲自動ダウンロード機能も搭載している。

 電源や回路設計にもこだわり。メイン基板のシステム部とストレージの電源生成回路を完全分離し、ドライブアクセスに伴うノイズがシステムに与える影響を排除。また、パターン設計の最適化や、1点アース方式の採用などで、共通インピーダンスを排除し、ゆらぎのない電源生成を実現。システム全体の電圧安定化を図り、ノイズ発生を抑えている。電解コンデンサーは大容量の低ESR電解コンデンサー。クロックは25MHz低位相ノイズ発信機を搭載した。

for Audioとfor Networkの2系統のEthernetを装備

 1000BASE-T Ethernetも2系統搭載し、「for Audio」と「for Network」の2つのポートを用意。ネットワークプレーヤーにはfor Audioを接続、ルータ等にfor Networkを接続する。また、LAN端子は信号端子が上になるように配置し、安定した接触を維持。基板と強固に接続する14点固定のDIPタイプのコネクタを採用することで、振動による悪影響を防いでいる。LAN端子のLED表示ランプ消灯機能や、Ethernetの通信速度制限(100BASE-TXなど)機能なども備えている。

 電源はTDKラムダ製の50Wのスイッチング電源を2基搭載(合計100W)。システム部とHDD部の電源をユニット部から独立させることで、ノイズ混入を不正できる。ACインレットはIEC60320規格C17を採用。アースを省略した2P端子のため外部機器からのノイズ混入を防いでいる。ケーブルは音質重視のオーディオ用で24Kメッキを施している。

二系統独立メイン基板
電源部

 USB 2.0端子を装備。ただし、HDDの拡張はできず、接続したHDDからのデータコピーや、バックアップ用に利用する。バックアップ用HDDは専用フォーマット(ファイルシステムはext4)を利用する。なお、USB端子へのUSB DAC直接接続には対応しておらず、「検討中」としている。

 消費電力は定格25W。外形寸法は約350×350×64mm(幅×奥行×高さ)、重量は7kg(HFAS1-H40)、6kg(HGAS1-S10)。アルミ製の独自設計インシュレータが付属し、4点支持と3点支持を選択できる。

アルミ製のインシュレータを装備

fidata HFAS1の音を体験

 LINNのAKURATE DSやマランツのプリ/パワーアンプを用いたシステムで、「fidata HFAS1シリーズ」の音を体験した。同社の汎用NAS「LAN DISK HDL-Aシリーズ」の試聴のあとにSSDの「HFAS1-S10」に切り替えると、S/Nの良さは明らかで、クラシックの小音量時の周囲のざわつき/環境音が、HFAS-1ではぐっと身近に感じられる。さらに低域の質感/量感の向上にも驚かされた。

 夏川りみ「涙そうそう」、イーグルス「ホテル・カリフォルニア」などの曲で、HFAS1シリーズのHDDとSSDを短時間ながら聴き比べてみた。違いは、LANDISKほど大きなものではないのだが、S/Nやセパレーション、情報量などは若干SSDのほうが良いように感じる。ただ、曲によってはHDDの方が音楽をより楽しめる印象も残る。違いは感じたが、正直ブラインドテストできっちり当てる自信は無い、といったところ。アイ・オーでも、オーディオ専門店と協力したイベント等で、実際の違いを体験してもらいながら、その良さを訴えていく方針という。また、10月16日〜18日に東京有明のTIME24にて開催される「オーディオ・ホームシアター展2015」にも出展する。

(臼田勤哉)