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カナル型イヤフォンでオープン型の広がり。音茶楽が「A.I.R.」搭載モデル開発

 音茶楽とTTRは、イヤフォンの新たな機構「A.I.R.」を共同開発。これを用いた「トルネード・ターボ・エアー機構」により、カナル型(耳栓型)イヤフォンでも、オープンエア型の音の広がりと密閉/遮音性能を両立できるという。10月24日~25日に東京・中野サンプラザで開催される「秋のヘッドフォン祭 2015」の音茶楽ブースに試聴機を展示する。

「トルネード・ターボ・エアー機構」を採用

 「A.I.R.機構」(エアー機構)は、Acoustic internal-pressure regulatorの略。ダイナミック型ユニットは前面と後面の密閉度を高めると、振動板への負荷が増し、最低共振周波数foが上昇するほか、筐体内部の音の反響が増大し音の拡がりが損なわれるという問題があったため、エアー機構ではユニット前後の空間を音響抵抗Ra、Maでつなぎ、ダイナミック型ユニットの背圧を低減。最低共振周波数foの上昇や筐体内部の反響の増大を防止できたという。

 また、ユニット背面の音を2重のハイカットフィルターMb、Mcで排気、高音域の音漏れ量を低減しつつ必要な重低音域のコントロールを図っている。

エアー機構のイメージ

 音茶楽の従来モデルにも搭載されている「トルネード・イコライザー」方式の音響回路も採用。外耳道の長さによる共振が6kHz前後に発生し、高音域はマスキングにより聞こえなくなることから、同回路は外耳道閉管共振による6kHz前後の音圧のピークのみ抑制し改善を図る。大口径化により音響抵抗を減らしハイレゾ対応を可能にした。重低音の充実と中音域の感度向上を両立するという「アコースティック・ターボ回路」も備えている。

 上記の「エアー機構」、「トルネード・イコライザー方式」、「アコースティック・ターボ回路」の音響技術を統合して搭載することで、今までダイナミック型では困難だったオープンエア型の音の広がりや密閉/遮音性能を両立できたという。

(中林暁)