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アンプを交換できるFiiOハイレゾプレーヤー最上位「X7」。DSDネイティブで約10万円

 小柳出電気商会(オヤイデ)は、FiiO製ハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤーのフラッグシップモデル「X7」を、12月18日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は99,900円前後。内蔵メモリは32GBで、1基のmicroSD/SDHC/SDXCスロット(最大128GB)も備える。

FiiO X7

 DSD 5.6MHzやPCM 384kHz/32bitなどのネイティブ再生が可能なポータブルオーディオプレーヤー。DACチップはESS製「ES9018S」を搭載する。アンプモジュールを着脱可能で、今後発売されるオプションモジュールに着け替えて音の違いを楽しんだり、バランス接続も可能になることから、「進化していく大きな可能性を秘めた、Xシリーズ究極のポータブルプレーヤー」としている。ヘッドフォン出力のほか、同軸デジタル/アナログ兼用の出力端子も装備する。

 Android OSを採用し、音楽専用プレーヤーとして機能する「Pure Music」モードと、Androidアプリが使える「Androidモード」の2つを用意。Pure Musicモード時は他のAndroidアプリとシステム競合が起きないため安定性が高く、Androidモードは他のアプリへのスイッチングの柔軟性が高いという。

 Xシリーズのハイレゾプレイヤーで初の4型タッチスクリーンディスプレイを採用し、直感的な操作を追求。再生中画面でスクリーンの左側からスワイプするとプレイリストが表示され、スクリーン右側を上下にスワイプするとボリュームが調整できる。CPUはクアッドコア/1.4GHzのCortex-A9「Rockchip RK3188」を搭載する。

 X7専用ミュージックアプリ「FiiO Music」は、シンプルな構造でハイレゾ音源を自在に扱えるというユーザーインターフェイスを採用。3種類のVUメーター(今後のファームウェアアップデートで搭載予定)や、様々なプリセットを備え、カスタマイズも可能な10バンドイコライザを採用する。

 再生対応フォーマットは、DSD 5.6/2.8MHzや、352.8kHzまでのDXD、384kHz/32bit、または192kHz/64bitまでのWAV、384kHz/24bitまでのFLAC、APE、Apple Lossless(ALAC)、AIFF、96kHz/24bitまでのWMA。MP3やAAC、OGGなどの圧縮音源も再生可能。なお、DSD 2.8MHzのファイルは、同軸デジタル出力した場合に88.2kHz/24bitのPCMへ変換される。DSD 5.6MHzファイルはデジタル出力できない。

 着脱可能なアンプモジュールは、デフォルトの「スタンダードIEMモジュール」に、オペアンプICとしてOPA1612とAD8397を搭載。別売で、より高品位なチップを搭載する「Medium-classモジュール」(MUSES02搭載予定)や、パワフルなチップで駆動力を高める「High-Power module」(LME49600搭載予定)、バランス接続を可能にするIRIS(角形4ピン)と2.5mm 4極ジャック搭載予定の「Balanced Module」の発売を予告しているほか、ユーザーの声に応える形でのオプションモジュールの単体発売も予定。

アンプモジュールを着脱して交換可能
付属モジュールのヘッドフォン出力とUSB端子
上部に同軸デジタル/アナログ兼用出力を装備

 IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)のWi-Fiに対応。WebサイトのブラウジングやYouTube視聴などに利用可能。Android対応のサードパーティー製アプリでストリーミング音楽サービスなども利用できる。Bluetoothも搭載し、対応スピーカーやヘッドフォンとワイヤレス接続できる。

 付属の「FiiO Music」アプリは、今後のファームウェアアップデートにより、DLNAやNAS、Dropboxなどのクラウドストレージを介した音楽再生に対応予定(時期未定)としている。このほかにも、ファームウェアアップデートにより、USB DAC機能や、ボタンマッピング機能への対応を予告している。

アプリ「FiiO Music」

 シャーシはアルミブロックからCNCマシニング加工で成形し、サンドブラストしてアルマイト処理を行ない、ダイヤモンドカッターによってエッジを切削。瞬間的な高温下で保護面を形成し、鏡面仕上げを施している。アンプモジュールはステンレス製のT5トルクスネジで本体に固定され、脱着を繰り返しても接続がルーズになって外れる心配は無いという。専用のスクリュードライバや、予備のネジ4個も付属する。

 付属アンプモジュール装着時のヘッドフォン出力は、200mW(16Ω)、100mW(32Ω)、10mW(300Ω)。内蔵バッテリは容量3,500mAhで、連続使用時間は約9時間。充電時間は約4時間。外形寸法は130×64×16.6mm(縦×横×厚さ)、重量は220g。別売のUSB-OTGケーブルやUSBメモリを使って、ストレージの拡張も行なえる。

側面の操作ボタンとmicroSDカードスロット

 オプションとして、家でのリスニングに使えるドッキングステーション「FiiO K5」も発売予定。X7の充電台として使えるほか、1.5W出力のバランス出力を可能にするラインアウトベースも備える。X7本体を置くだけでUSB接続できるUSB DACステーションや、ボリュームコントローラとしても利用できる。

別売ドッキングステーション「FiiO K5」との接続例

(中林暁)