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ドワンゴとNTT、ニコラジでHEVCリアルタイム配信実験

スマホを収録マイクにするアプリも

 ドワンゴと日本電信電話(NTT)は、ニコニコ生放送のラジオ風番組「ニコラジ」をH.265/HEVC(以下、HEVC)エンコーダを用いて圧縮し、専用アプリをインストールしたAndroid端末にリアルタイム配信する実験を、3月1日まで実施する。また、手持ちのスマートフォンをワイヤレスマイクとして代用できる「スマホ拡張マイク集音技術」の実験を3月22日まで行なう。

ニコラジのH.265/HEVCリアルタイム配信の実証実験

 NTTとドワンゴでは、2013年7月より開始した業務提携の取り組みとして、映像&ソーシャルサービスの高度化に関する技術開発を推進しており、今回の2つの実験はその一環として実施される。

 ニコラジの配信実験では、ニコニコ生放送などの映像配信サービスで利用しているMPEG-4 AVC/H.264に代わり、HEVCエンコードを用いて、ニコラジをリアルタイムで高圧縮配信する。従来のH.264に比べて圧縮性能が向上しているため、より高品質な映像配信が期待できるとしている。

 対象番組は2月18日放送分(19〜20時)から、毎週月曜〜金曜に配信される全9回で、専用の無料アプリ「niconico 生放送高圧縮配信実験用」で視聴できる。対応OSはAndroid 4.4.2以降。実験参加にはniconicoアカウントが必要となる。

 実験では、NTTメディアインテリジェンス研究所の映像圧縮ソフトウェアと、ドワンゴの配信技術、アプリ実装技術を使用。配信システムの帯域を通常の約半分に抑え、回線速度が遅くても途切れずに、より多くのユーザの同時接続も可能とすることを目指す。ドワンゴでは「スマートフォンに対して(HEVCで)リアルタイム配信を行う大規模な実験は世界初の試み」としている。

スマホ拡張マイク集音技術の実証実験
アプリ機能のイメージ

 もうひとつの実験では、無料の「スマホ拡張マイクアプリ(実験)」を、動画投稿者や生放送の放送主向けに期間限定で公開。手持ちのスマートフォンに同アプリを入れてワイヤレスマイクとして使うことで、専用機材を使わず手軽に、カメラから離れた出演者の声を聞き取りやすく収録したり、周囲の雑音などを抑制できるとする。

 スマートフォンをワイヤレスマイクとして使うには、Windowsパソコンが必要。同技術では、パソコンとWi-Fi接続したスマートフォンから送信される、遅延の異なる複数の音声信号を適切に混合し、聞き手が聞き取りやすい高音質な音に補正する。

 アプリはAndroid 2.2以上の端末に対応し、動作確認機種はGalaxy S5やNexus 7など。パソコン用のプラグイン「スマホ拡張マイクプラグイン(実験)」の対応OSはWindows 7/8.1。

 マイクを利用して制作した動画・生放送に「スマホ拡張マイク」タグを付けると、配信されたコンテンツを使って、同技術の効果検証が行なわれる。

 ドワンゴでは、従来のニコニコ動画などのコンテンツ収録における音声録音の質はユーザーの収録環境に左右され、マイク機材の導入にもさまざまな課題があったと説明。同技術によって新たな撮影スタイルによる動画配信が可能となり、ユーザーの利便性も向上するとしている。

(庄司亮一)