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耳の穴に反響する音で個人を判別、イヤフォン装着で認証できるシステムをNECが開発

 人によって異なる耳穴の形状。そこに反響する“音”を使って、個人を判別する新たなバイオメトリクス個人認証技術をNECが開発した。無線通信・通話での秘密保持、医療現場など移動中や作業中の認証、特定の人向け音声ガイドサービスなどへの応用を想定しており、2018年度中の実用化を目指している。

技術の概要

 NECが長岡技術科学大学の協力で開発したもの。マイク一体型のイヤフォンを耳に装着し、耳穴の中でイヤフォンから数百ミリ秒の音を出し、耳の中を伝搬した音をマイクで集音。個人特有の耳の形状によって決まる音響特性を1秒程度で瞬時に測定できるという。数回の受信信号の波形を加算し平均を取る同期加算法で、雑音の影響を排除。測定は1秒以内で完了する。

 その音響特性から、個人の判別に有効な特徴量を抽出する独自技術を開発。高速かつ、認証率99%以上という高精度な認証を実現したという。イヤフォンからの音は、外耳道から鼓膜に達し、さらに中耳、内耳へと進むが、外耳道を通って鼓膜で反射して返ってくる信号と、鼓膜を通過してさらに奥で反射して返ってくる信号が特に重要で、これらの特徴量を少量抽出。少ない計算量での動作を可能にしている。

人によって測定した音響特性が異なる

 認証用機器に体の一部をかざすなどの動作が不要で、移動中や作業を行ないながらでも、マイク一体型イヤフォンを装着するだけで常時認証ができるのが特徴。重要インフラ施設の保守・管理や警備など安全・安心に関わる業務でのなりすまし防止などへの利用も可能という。

 NECと長岡技術科学大学では、成果を3月10日に「日本音響学会2016年春季研究発表会」(発表会自体の会期は3月9日〜11日)にて発表予定。

(山崎健太郎)