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NHK、フィギュアや天皇杯など同時ネット配信の結果発表。遅延は45〜55秒

 日本放送協会(NHK)は3日、'15年11月〜'16年1月に実施したNHK杯フィギュアやサッカー天皇杯、日本ラグビーフットボール選手権などの、同時インターネット配信実験についての結果を公表した。合計の訪問者数は9.5万人で、「通常を超える配信負荷はかからなかった」としている。

 同時ネット配信を行なった番組は、'15年11月の「2015NHK杯国際フィギュアスケート競技大会」と、'16年1月1日の「第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会」、'16年1月31日の「第53回日本ラグビーフットボール選手権大会」の3番組。いずれもNHK総合の競技中継を放送と同時にネット配信。参加者は自由に参加可能で、費用は0.6億円。

 同試験は、ユーザー認証を使用しない場合のスポーツ同時配信の配信負荷把握や、視聴ニーズの基礎的な検証を目的としたもの。結果、フィギュアが約8.4万人、天皇杯サッカーが約0.8万人、ラグビーが約0.3万人を集め、フィギュアで最もよく利用された時間帯の訪問者数は約1.3万人となった。

 同時配信の利用者アンケートでは、利用動機について「外出先でスマートフォンで視聴できたから」との回答が半数近くとなり、「外出時の同時配信のニーズが確認できた」とのことで、3イベントとも9割が「満足している」と回答。一方で、パケット通信料が心配だった、画質が良くなかったとの意見もあったという。

 イベントごとに異なる動画配信基盤を利用し、性能検証を行なったが、いずれも「実用上問題なく活用できることを確認した」という。ただし、「今回の同時配信の訪問者数はいずれも日常配信の範囲内の規模で、通常を超える配信負荷はかからなかった」とのことで、「負荷の急な変化に柔軟に対応できる配信基盤の運用が必要」としている。

異なる動画配信基盤で負荷検証

 また、テレビ放送と同時配信の間で生じる映像・音声遅延は、約45〜55秒となった。今後は、同時利用増に耐えうる配信の仕組みの検証とともに、配信品質管理手法や監視技術の検討、遅延についての継続的なデータ取得や遅延短縮手段の検討に取り組むとしている。

(臼田勤哉)