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「AbemaTV」が本開局。テレ朝とCA共同運営の無料ネットテレビ局

 サイバーエージェント(CA)とテレビ朝日によるAbemaTVは、11日正午に、インターネット動画配信サービス「AbemaTV(アベマティーヴィー)」を開局した。全24チャンネルを24時間無料で楽しめる「インターネットテレビ局」として、多彩な番組を用意する。

 11日にオープニングセレモニーを開催。会見には、AbemaTV 取締役会長で、テレビ朝日 代表取締役会長兼CEOの早河洋氏や、AbemaTV代表取締役社長のサイバーエージェント藤田晋社長が登壇し、AbemaTVへの取り組みをアピールした。

サイバーエージェント藤田社長(左)とテレビ朝日早河CEO(中央)

 AbemaTV(アベマTV)は、3月1日からチャンネルを限定した先行配信を行なっていたが、4月11日に本格開局。オリジナルの生放送番組が楽しめる「AbemaSPECIALチャンネル」やテレビ朝日報道局が制作を請け負う「AbemaNewsチャンネル」のほか、音楽、スポーツ、アニメ、テレビ朝日の地上波番組連動チャンネルなど24チャンネルで展開する。

 各番組は地上波テレビと同様に無料ライブ番組となるが、月額960円でオンデマンド再生に対応。見たい番組を選択して、好きなときに視聴可能になる。なお、iOSのオンデマンド視聴には後日対応予定としている。

 スマートフォンやタブレット、PCでの視聴が可能なほか、今後ChromecastやAirPlayに対応し、テレビでの大画面視聴にも対応。Apple TVやAndroid TVに対応し、ソニーの新4K BRAVIAなどからも視聴可能になる見込み。4月からは広告の販売も開始し、5月を目処に本格的な広告導入を行なう。

11日正午にAbemaTV開局

「インターネット発のマスメディア」を

 AbemaTV会長を務めるテレビ朝日早河CEOは、サイバーエージェント藤田社長と7年前から交流があり、3年前からはテレビ朝日の番組審議会の審議委員もお願いしていることなどを紹介。その関係から、「藤田社長に『テレビが退潮している中、一緒にやりませんか? 』と誘われ、即座に反応した」という。「『ミレニアム世代にとって、スマートフォンはなくてはならないもの。スマホ上でテレビ型の動画配信サービスをやりたい』と言われた。テレビのHUT(総世帯視聴率)は下がっており、地上波、BS、CSに加え、ネットを成長事業と考えていたので、即座に反応させていだだいた。テレビ局とネット企業による、世界的にも類を見ないインターネットテレビ局。若年層の獲得や、広告ビジネス拡大につながると考えている」という。

テレビ朝日早河CEO

 現在、テレビ朝日からは約30名がAbemaTVに出向しているが、「すべての指示は、総合プロデューサーの藤田社長に従えと伝えている」と語り、AbemaTVの実務や業務執行については藤田社長に一任していることを強調。「変化への対応力や、1年でサービス開始まで来たスピード感。ネット企業の凄さを間近で見させてもらっている」と語った。

 AbemaTV代表取締役社長社長を務めるサイバーエージェント藤田社長は、2016年を「動画元年」と位置づける。スマートフォンの登場と、Facebook、Instagramなどのインフィード再生の定着、Netflix上陸などを受けた権利者側の態度変化を理由に本格的な動画配信時代になると予言。「これまでもタイミングをみて、大怪我しないように(動画配信を)やっていたが、ここで大きな勝負にでた。インターネット発のマスメディアを目指したい。1日1,000万人が見ることが、ひとつの基準」と訴えた。

サイバーエージェント藤田社長

 こだわったのは、コンテンツとプロダクトクオリティ。「快適で気持ちいいに徹底的にこだわった」とし、スムーズかつわかりやすい操作性をアピール。また、正式サービスにあわせてコメント機能も追加。「清原さんの釈放中継を見ていたら、(留置所から)出てくる前の待ち時間や、車を追いかけている時などに、コメントが無いときついと気づき、あわてて作った」という。

動画元年

 当初は、「NetflixやHuluのような定額課金制のサービスも検討した」というが、「インターネットユーザーは、無料に慣れ親しんでいる」とし、広告モデルでの無料サービス展開を選択。テスト導入時点では、CMの完全視聴率は、テレビより高い数値が出ているという。

無料の広告モデルで展開
操作性を重視
会員登録も不要

生放送にこだわり。20チャンネル超で“神アプリ”。1,000万視聴者/日へ

 コンテンツのについては、新たに24時間ニュース「AbemaNewsチャンネル」を立ち上げ。「オンデマンドではない視聴体験に慣れてもらうために、生放送にこだわった」という。

24チャンネル展開

 音楽やドラマ、スポーツ以外にも多彩なコンテンツを用意。特に、AbemaTVのメイン視聴者層となる10、20代向けに編成し、人気タレントによるバラエティのほか、「REALITY SHOW」や、サーフィンやスノーボード、スケートボードなどの“横乗り”スポーツを紹介する「YOKONORI」チャンネルなどを紹介。

 全24チャンネルというチャンネル数については、「海外のホテルで見るケーブルテレビのイメージ。結構迫力あるサービスになった」と説明。3月1日からβ版のサービス開始をしているが、「それなりに手応えを感じている。凄いアプリは“神アプリ”といわれる。自分から言うことではないけど、神アプリをつくったんじゃないかな、と思っている」とアピールした。

インターネット発のマスメディア

 スペースシャワーTVやMTV、VICEなど、AbemaTVに参加するコンテンツパートナーも登壇し、AbemaTVへの期待を語った。

コンテンツパートナーもAbemaTVを歓迎

 また、スペシャルゲストとして、AbemaNewsチャンネルに参加する、みのもんた、村本大輔(ウーマンラッシュアワー)が登壇。また、AbemaSPECIALチャンネルに出演する、筧美和子、タカアンドトシ、三浦翔平、最上もが(でんぱ組.inc)、NON STYLEらも参加。

AbemaTV出演者も多数参加

 「みのもんたのよるバズ!」で司会を務めるみのもんた氏は、「最近は、僕のよくわからないスマホとやらをもって、歩いてテレビみたり、なんかしているらしいですね。そこに興味を持ちました。やることはまだ決まっていないけれど、古舘さんがやめた番組と、やることは変わらないんじゃないかと思っている。昔から、ニュースは生きていると言われるが、生きたニュースをやりたい。何が始まるかわからないがご期待いただければ」とコメントした。AbemaPrimeに出演する村本氏は、「とにかく攻めまくる。切り込んでいきたい。みのさんと同じく芸能界で有名な不倫愛好家として」と意気込みを語った。

司会はテレビ朝日の竹内由紀恵アナと、小松靖アナ
柴犬のまるも参加

(臼田勤哉)