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ソニー、55型の4K有機ELモニター「PVM-X550」。HDRや4画面分割表示対応

 ソニーは、業務用の55型/4K有機ELモニター「PVM-X550」を7月より発売する。価格は未定。放送局や映像制作プロダクションにおける、品質管理、編集、カラーグレーディングなどの用途を提案する。

PVM-X550

 要望が多かったという、業務用4K有機ELモニターの大型化に応えるために開発。54.6型/3,840×2,160ドットの大型有機ELパネルを採用し、自発光方式ならではの黒の再現性や、100万:1以上のコントラスト、広色域、広視野角などを実現する。色域はBT.2020や、DCI-P3などの広色域規格に対応。S-Gamut3、S-Gamut3.Cineの色域にも対応し、液晶では表示できなかった低階調の色も再現できるという。

 標準輝度は100cdm2。30型の「BVM-X300」と同じ高性能な信号処理回路を採用するほか、「TRIMASTER EL」技術により、映像素材の色を高画質かつ忠実に再現し、確認できる。動画性能の高さも特徴。

 また、HDR(ハイダイナミックレンジ)の映像表示に対応。暗部からハイライトまで黒つぶれや白とびすることなく表示できるという。HDRのEOTF(Electro Optical Transfer Function)は、S-Log3、ST2084、HLG(ハイブリッドログガンマ)などを搭載し、シネマから放送までのHDRの映像制作をサポートする。有機ELは画素単位で発光するため、液晶ではできなかった正確な輝度再現が行なえるという。

 機能面では、「独立設定Quad View表示」を搭載。モニターを4分割表示し、各映像に合わせた各種設定値(色域、EOTF、色温度、コントラストなど)を分割画面ごとに設定できる。異なるダイナミックレンジの階調表示や異なる色域の比較などにも利用できる。

独立設定Quad View表示

 入力はSDI(4BNC×2)とHDMI×1、シリアルリモート(RJ-45)。出力はSDI(4BNC×2)、アナログ音声(ステレオミニ)。スリムベゼルデザインを採用し、設置性も向上。ウォームアップ時間は約30分。外形寸法は1,241×205×737.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約21.7kg。

 18日から米国で開催される国際放送機器展「NAB 2016」に出展する。

(臼田勤哉)