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ソニー、4K・8倍速スローカメラなど「NAB 2016」で新製品発表

 ソニーは、18日から米国ラスベガスで開催される国際放送機器展「NAB 2016」において、Beyond Definitionをテーマに出展。4Kなど次世代放送を見据えた新製品や様々な映像制作ソリューションを提案。スーパースロー撮影対応の「HDC-4800」など多数の新製品を展示する。なお、55型有機ELモニター「PVM-X550」については別記事で紹介している

HDC-4800

4K・8倍速スロー撮影対応の「HDC-4800」

 「HDC-4800」は、4K・8倍速スーパースロー映像を撮影できるライブカメラシステム。カメラのHDC-4800とベースバンドプロセッサユニット「BPU-4800」で構成され、2016年秋に発売。参考価格は4,000万円。

HDC-4800とBPU-4800

 新開発のSuper 35mm単板CMOSイメージセンサーにより、データ読み出し処理を高速化。4K/3,840×2,160ドット映像で最大8倍速、フルHDで最大16倍速のスローモーション映像を実現できる。

 ベースバンドプロセッサユニットには、大容量ストレージ機能を搭載し、4K映像を8倍速で最大4時間連続記録可能。外部ストレージにデータ転送せずに本体内で編集できるため、制作フローの効率化やオペレータの工数削減が図れるという。

 ネットワーク(10G)接続により、複数サーバー間のファイル共有を実現できるShare Playに対応。ライブ制作インフラのIP化に対応している。BT.2020などの広色域規格に対応する。

4K XDCAMの新モデルも

 また、2/3型4K CMOSイメージセンサー搭載のXDCAMメモリーカムコーダーの新製品「PXW-Z450」も発表。2/3型B4レンズマウント対応のショルダー型のカムコーダーで、4K/60p記録に対応。日本でも後日発表予定としている。2/3型CMOSセンサー搭載のHDポータブルカメラ「HXC-FB75」も発表した。

第2世代のオプティカルディスク・アーカイブ

 大容量データの長期保存向けのソリューションとして、第2世代のオプティカルディスク・アーカイブも8月末に発売。アーカイブユニット「ODS-D280U」は120万円、追記型で容量3.3TBのカートリッジ「ODC3300R」はオープンプライス。

ODS-D280U

 オプティカルディスク・アーカイブは、ソニーとパナソニックが共同開発した業務用光ディスク規格「アーカイバル・ディスク」を記録メディアとして採用。積層記録膜を両面で6層化し、ディスク1枚あたり300GBの大容量を実現。また、保存寿命も100年を超え、データセンター向けのシステムにも活用を図る。

 カートリッジの「ODC3300R」は、容量3.3TBで、XAVC 4Kフォーマットで最大9時間の収録が可能。

ODC3300R

 「ODS-D280U」は8チャンネルレーザーを搭載した独自の光学ドライブで、平均2Gbpsの読み出し、ベリファイ時で平均1Gbpsの書き込み速度を確保する。外形寸法は146×95.5×414.4mm、重量は約4.8kg。

4Kスイッチャー新製品

 4Kマルチフォーマットプロダクションスイッチャーは、小型化を図った「XVS-7000」、「XVS-6000」を発表。'16年内に発売し、参考価格はXVS-7000が4,500万円、XVS-6000が3,500万円。SDIだけでなく、ネットワークで接続した各種映像機器との間でIP信号での入出力に対応する。

XVS-7000

(臼田勤哉)