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ヤマハ、「響け! ユーフォニアム」コラボのiPhoneアプリ。楽器演奏を支援

 ヤマハは、楽器ごとの音色や奏法の特徴に合わせて演奏を分析・評価できる新技術「virtana(ヴィルターナ)」を活用した2つのiOSアプリを開発し、20日より順次無料で提供開始する。iPad向けの楽器演奏評価アプリ「やろうぜ管カラ! Lite」は20日から配信開始。吹奏楽アニメ「響け! ユーフォニアム」とコラボレーションしたiPhone/iPod touch向けの楽器演奏支援アプリ「ふこうよアンサンブル~北宇治高校 吹奏楽部へようこそ~」は5月末提供予定で、今後、有料での楽曲追加も予定している。

「やろうぜ管カラ! Lite」(左)「ふこうよアンサンブル~北宇治高校 吹奏楽部へようこそ~」(右)
(C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
virtana(ヴィルターナ)の概要

 ヤマハが開発した、楽器ごとの音色や奏法の特徴に合わせて演奏を分析・評価できる新技術「virtana(ヴィルターナ)」を採用したアプリケーション。実際の楽器を使って楽曲やフレーズを演奏し、演奏上達を目指せるという。

 virtanaでは、楽器の演奏音を音程、音量、スペクトルといった物理的な要素へと分解し、演奏技法や抑揚、音の安定感といった音楽的な面も含めて分析して、演奏の評価を行なう。楽器の種類と楽曲を指定すると、入力された演奏に対してリアルタイムに判定しながら演奏全体を分析・評価できる。

 開発にあたり、楽器ごとの特性に合わせてそれぞれ評価基準を調整。また、プロのアーティストによる評価を参考にしながら楽器ごとにアルゴリズムを調整して分析・評価の精度を高めているという。

「やろうぜ管カラ! Lite」

 virtanaの技術を活用し、管楽器の演奏を採点してゲーム感覚で楽しめる無料アプリ。対応機種はiOS 9.0以降を搭載したiPadで、対象となる楽器はフルート、B♭クラリネット、アルトサクソフォン、テナーサクソフォン、B♭トランペット。

 2つのモードが用意され、練習モードではキーや速さを変更する機能や、任意の特定箇所のみを繰り返し練習できるABリピート機能などを使ってた演奏練習ができる。本番モードではvirtanaによって演奏の採点を実施。演奏中にリアルタイムでピアノロールを表示しながら判定し、演奏後に採点結果として点数とアドバイスが表示される。さらにランキング機能も搭載。同じ曲の演奏者の中での順位を確認できるという。

アプリ画面

 マイクやイヤフォンなどの機器がなくても使用できるが、イヤフォンを使うとより精度の高い採点結果が得られるという。プリセット楽曲は3曲で、「聖者の行進」、「情熱大陸」、「世界に一つだけの花」を収録している。

「ふこうよアンサンブル~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~」

 管楽器演奏を通じて作品の世界を追体験することができる無料アプリ。対応機種はiOS 9.1以降を搭載したiPhone 5s以降と、第6世代iPod touch。利用にはイヤフォンが必要となる。対象楽器はユーフォニアム、フルート、B♭クラリネット、アルトサクソフォン、テナーサクソフォン、B♭トランペット、ソプラノリコーダー。

使用楽器を選択

 収録曲は「きらきら星」のほか、追加の有料コンテンツとして「三日月の舞」(オーディションシーン、合奏練習シーン、コンクールシーンの合計3パターン)、「愛を見つけた場所」を用意。作中の音源、カット、シナリオを使用し、シーンを基にして構成されたストーリーデータとともに楽曲を提供し、作品の印象的な演奏シーンを再現できるという。今後、追加の楽曲も有料で用意される予定。

演奏曲目を選択

 virtanaによる演奏の採点機能を備え、演奏後に採点結果として点数が表示されるほか、吹奏楽部顧問・滝昇(CV:櫻井孝宏)による録りおろしボイスとともに、分析コメントが表示される。

録りおろしボイスとともに分析コメントを表示

 このほか、ヤマハミュージックメディア(YMM)が運営する楽譜ダウンロードサイト「ぷりんと楽譜」から、アプリ追加楽曲の楽譜購入が可能。さらに、YMMから6月20日発売予定の書籍「“響け! ユーフォニアム”北宇治高校吹奏楽部 体験ブック」(1,600円)では、劇中曲の楽譜や本アプリの使い方、吹奏楽の基礎知識などが掲載され、アプリをより深く楽しめるという。

(庄司亮一)