NECエレ、HDMI CEC機能を専用回路化した8bitマイコン

-消費電力を従来比99.8%削減。'10年量産開始


11月よりサンプル出荷開始


 NECエレクトロニクス株式会社は22日、HDMI CEC機能を搭載した8bitのフラッシュメモリ内蔵マイコン「78K0シリーズ」を11月より順次サンプル出荷すると発表した。

 外部接続端子数48本の「78K0/KC2-C」を3種類(内蔵フラッシュメモリ32KB/48KB/60KB)、64本の「78K0/KE2-C」を3種類(内蔵フラッシュメモリ32KB/48KB/60KB)、合計6種類をラインナップ。いずれも2010年6月に量産開始予定で、2010年上期には6種類合計で月間200万個の量産を計画している。

 HDMI CEC機能を搭載した8bitフラッシュメモリ内蔵のマイコン。CEC機能およびリモコン受信機能を専用回路化し、待機時の消費電力を大幅に低減したことが特徴。従来、セットメーカーは汎用マイコンに独自のソフトウェアを搭載し、電源などのCEC制御を行なっていたが、これには対象機器の待機時にもマイコンのCPUを常時駆動させて、システムの状態を監視する必要があったため、待機時の消費電力を下げられないという問題があった。

 それに対し、今回開発したマイコンは、CPU上で動作するソフトウェアで実現していたCEC機能およびリモコン受信機能を専用回路化し、待機時にはCPUではなく、専用回路のみを駆動させることが可能。これにより、消費電力を同社従来品(汎用マイコンとソフトウェアで駆動)の約5mAから、約10μAに99.8%削減することができる。また、CEC機能を実現するソフトウェア開発の手間を省けるとしている。

 さらに、CECおよびリモコンの同時処理が可能となり、システムの操作性も向上するという。従来の8bitマイコン向けに提供してきた評価ボードなどの利用もできる。

 パッケージは「78K0/KC2-C」が7mm角の48ピンLQFP(GA)、「78K0/KE2-C」が10mm角の64ピンLQFP(GB)。サンプル価格の一例として、QFPパッケージに搭載したフラッシュメモリ 60KB/RAM 3KBの78K0/KE2-Cが400円/個となっている。


(2009年 10月 22日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]