BD/DVD「ターミネーター4」に付属するフィギュアに遭遇

-日本独自の“目が光る”限定版。金属感が魅力


左がモト・ターミネーターフィギュア、右がT-600リアルヘッドフィギュア

11月20日発売

 

BD版「スペシャル・エディション」
 株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)が、11月20日にBlu-rayとDVD、UMD(R)で発売する映画「ターミネーター4」。詳細は既報の通りで、BD版にはPlayStation 3やプレイステーションポータブル(PSP)への本編映像コピー機能なども備えている。こうした機能面だけでなく、ファンにとって見逃せないのが日本仕様のフィギュアが付属する限定版がBD/DVDに用意されていることだろう。

 そこで、発売に先駆け、SPEでフィギュアを見せていただく機会に恵まれた。ここでは写真を中心に、そのクオリティの高さを紹介していこう。

 まずはソフトのラインナップをおさらい。フィギュアが付属するのはBDに1種類、DVDに1種類の、合計2種類だ。BD版は「ターミネーター4 T-600リアルヘッドフィギュア付 Blu-ray BOX」で、限定数は3,000セット。DVD版は「ターミネーター4 モト・ターミネーターフィギュア付 DVD-BOX」で、限定は5,500セット。


 タイトル仕様音声品番価格
BD

ターミネーター4
 スペシャル・エディション

片面2層
劇場版
約115分
ディレクターズ・カット版
約117分
MPEG-4 AVC
シネスコ
BD-Live

日本語字幕
英語字幕
(1)英語
 (DTS-HD Master Audio 5.1ch)
(2)日本語
 (DTS-HD Master Audio 5.1ch)
BRS-614264,980円
ターミネーター4
 T-600リアルヘッドフィギュア付
 Blu-ray BOX
 限定3,000セット
単品版と同じ単品版と同じBP-50713,800円
DVDターミネーター4
コレクターズ・エディション
片面2層
約115分
シネスコ
(スクイーズ)
(1)英語
 (ドルビーデジタル5.1ch)
(2)日本語
 (ドルビーデジタル5.1ch)
TSDD-614263,990円
ターミネーター4
 モト・ターミネーターフィギュア付
 DVD-BOX
 限定5,500セット
単品版と同じ単品版と同じBP-5096,980円
ターミネーター4
 クアドリロジーBOX(4枚組)
 限定2万セット
各単品版と同じ各単品版と同じBP-5109,500円
UMDターミネーター4約115分
シネスコ

(1)英語 2.0ch
(2)日本語 2.0
ch

UMS-61426

3,990円

T-600リアルヘッドフィギュア付 Blu-ray BOX。透明フィルムからT-600がこちらを見ている
 BDの限定版に付属する「T-600リアルヘッドフィギュア」は、劇中に登場するターミネーター「T-600」の頭部を再現したもので、高さは実に298mmもある。それに伴いパッケージも280×280×343mm(幅×奥行き×高さ)あり、総重量は約2kgとなる。ケースを実際に目にすると“大きい”の一言。前面の半分が透明フィルムになっており、T-600の顔が半分覗いており、非常に存在感がある。

 開ける前にケースの裏側を見てみると、雑紙の見開きのように展開する構造になっており、そこにT-600を製造している場面が大きく印刷されている。まるで本物のターミネーター製造工場から、T-600の頭部が届けられたようなイメージで、遊び心溢れる憎いデザインだ。


ケースの裏側にはT-600の製造工場ケースの上部を開けたところ。BDのケースが見えるBDを取り出した。右にあるのが特製ブックレット「THE ART OF TERMINATOR SALVATION」(32ページ)

 ケースからフィギュアを取り出すと、金属製ではないのだが、金属感を表現した渋いトーンの塗装に感心する。頬や鼻、歯など、突起した部分の表面が、金属が削れたような鮮やかな銀色になっている反面、根元がくすんだ暗い色で塗装されており、立体感と重厚感を醸し出している。

 細部にわたってディティールは細かく、顎の側面に組み込まれたパーツや、頭部を構成する細かなパーツの接合部描写など、近くで見ても大味な部分が無く、作り込まれていることがわかる。全体を見てみると、鼻から上は鋭い線で構成された金属的なイメージである一方、鼻から下は人間と同じ滑らかな曲線で構成され、歯の描写と合わせて有機的なデザインで構成されている。“機械でありながら人間の姿をしている”というターミネーターの特徴を、改めて確認できるだろう。

 なお、置物として楽しむだけでなく、実用性も兼ね備えている。下部の黒いスタンドの背後にディスクケースが収納できるようになっているのだ。さらに、スタンド内部センサーが埋め込まれており、ケースの出し入れを感知すると、T-600の目に内蔵したLEDが30秒間赤く光るようになっている。鮮やかな赤色で、実際に光らせると迫力が倍増。暗いシアタールームに設置するなどして、ケースに「ターミネーター4」のBDを入れておけば、映画鑑賞前後の気分をより盛り上げてくれそうだ。

スタンドの背面にディスクケースが収納できるディスクケースを開いたところ
出し入れを感知すると、目が光る!!目の部分のアップ。暗いシアタールームなどではインパクトも倍増しそうだ

 なお、以前紹介した「アイアンマン」や「スターシップ・トゥルーパーズ3」のパワードスーツなど、SPEでは日本独自の特典としてBD/DVDにフィギュアセットを用意する事が多い。SPE ホームエンタテインメント セールス・マーケティング本部 マーケティング部 ニューリリースグループの高島正英アシスタントマネージャーによれば、今回の「T-600リアルヘッドフィギュア」も日本のSPEから発案した企画だという。

 しかし、魅力ある特典であったため、米国本社がワールドワイドでの発売を決定。イギリスやドイツ、オーストラリア、タイ、ギリシャなどでも発売される事になったという。「それでも日本の独自性を出したくて、目が光るようにしたんです」と笑顔の高島氏。SPEの特典フィギュアはいずれもファンに好評だが、こうしたフィギュアに対する“こだわり”や“熱意”がそれを支えているようだ。

 なお、「ターミネーター4」を製作したハルシオンのキャラクターグッズの権利は、日本ではサン アール アンド ピーが保有しており、その会社の製品を多く手掛けるメーカーが、今回の「T-600リアルヘッドフィギュア」製作を担当したという。過去には、スターウォーズなどのグッズ製作を行なっている会社とのこと。

 製作にあたっては、実際に映画で使われた頭部からのスキャニングなどではなく、頭部デザインのデジタルデータをベースとしながら型を作り、画像資料を見ながら細部を人の手で作り込んでいったという。

 最終版が完成するまでの“遍歴”も見せていただいたが、試行錯誤の過程がわかって興味深い。試作1号と2号は金属的な質感を出す塗装と同時に、赤いサビや汚れの表現が多め。形状も最終版と異なり、「最初の試作品はT600とT700が混ざったような形状で、色々と修正していきました。塗装も明るめでしたが、トーンを落として金属感や重厚さを出すようにしていきました。細部は最終的にヤスリ掛けするなど、手作業で仕上げる部分も多く、こだわっているポイントです」(高島氏)。

完成までの遍歴。左から試作1号、2号、最終版、一番右が3号左が試作1号、右が2号。デザインが大きく異なっているのがわかる
右が試作3号、左が最終版。色のトーンはだいぶ最終版に近くなっているが、最終版はより金属的なトーンにまとめられているディティールも追い込まれている。写真は最終版だが、額の中央のパーツが若干奥にへこんでいる。左写真の試作3号の同部分はフラットになっており、より劇中のT600に近付けられていることがわかる


 

■ モト・ターミネーターフィギュア

 DVD-BOXに付属するフィギュアは、こちらも劇中に登場するバイク「モト・ターミネーター」を立体化したものだ。こちらは米国の発案で作られたもので、横幅は180mm。T600のフィギュアと同様に、スタンド部分にディスクが収納できるようになっている。

 こちらも銃器やサスペンションなど、細かい部分まで作り込まれており、スタンドから外すとタイヤもキチンと回転する。しかし、日本のSPEでは、さらにこのフィギュアも独自仕様にカスタマイズ。ヘッドライトにLEDの光るギミックを追加し、天面のボタンを押すと5秒間光るようになっている。

モト・ターミネーターフィギュアスタンド部にディスクケースが収納できる映画で使われたモト・ターミネーターは、ドゥカティの車両をベースにしているという

天面のボタンを押すとヘッドライトが赤く光るこちらも暗い場所でより存在感を発揮しそうだ

 AVファンは、映画のセルソフト購入時にBlu-ray版があれば、そちらを選択する事の方が確実に多くなっている事だろう。しかし、販売枚数の絶対数で言えば、市場のメインはまだまだDVDだ。

 新作映画のビッグタイトルはほぼ全てBD版をラインナップしているSPEでも、その状況は同じだという。しかし、SPEの場合、フィギュア付などの豪華特別バージョンを、BD版にラインナップしているのが大きな特徴であり、「BDが欲しいけど、特典グッズはDVD版にしか付いていない」と頭を悩ませる事が多いAVファンにとっては、嬉しいメーカーの1つとなっている。

 「絶対数で言えば確かにDVDの方がまだ多いです。しかし、メインのファン層がBDにだいぶシフトしてきていると感じており、フィギュアなどの特典グッズをBDに特化させています。パッケージ販売の際は、その作品をまだ観ていない人に届ける事は当然として、既に知っている人にも、手にとってもらいやすいものにしていきたいと考えています。そのためにも、こうしたフィギュアなどの特典は、今後も充実させたいですね」(高島氏)とのこと。“SPEから次にどんなBDが発売されるか”と同時に、“どんなフィギュアが登場するか”にも期待していきたい。

モト・ターミネーターのパッケージ



(2009年 11月 17日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]