エプソンとフィリップス、プロジェクタ調光技術を開発

-コントラストを約5倍、消費電力を半減


5月31日発表


 セイコーエプソンとロイヤルフィリップスエレクトロニクス(Philips)は、液晶プロジェクタ向けのキーモジュールの開発で連携したと発表した。エプソンの高温ポリシリコンTFT液晶(HTPS)パネル駆動技術と、フィリップスのランプ技術を用いて、コントラストの向上や、低消費電力化に貢献する調光システムを実用化した。キーモジュールのプロジェクタメーカーへのサンプル出荷も開始した。

調光システムの概要

 新調光システムは、エプソンのHTPSパネル調光制御技術と、フィリップスのランプ制御技術「ImageCare」に対応したプロジェクタ用ランプ、ランプ駆動回路から構成。エプソンは、ランプ調光をコントロールするコントローラICに、独自のHTPSパネル調光制御を導入。ランプ電力の変化に伴って発生するホワイトバランスの変化を自動補正することで広い色再現性を維持し、画質を確保する。

 フィリップスのImageCare対応ランプ駆動回路では、パネル駆動回路における映像解析結果に基づき、常に映像にあわせてランプの明るさを調整し、コントラスト向上や低消費電力化を図る。

 同調光システムにより、液晶プロジェクタのコントラストを従来比で約5倍以上に向上し、消費電力は最大で半減できるとする。エプソンとフィリップスは、それぞれが開発したキーモジュールを販売する。なお、同調光システムは、現在プロジェクタメーカーに供給している全てのエプソン製HTPSパネルに対応しているという。


(2010年 6月 1日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]