キヤノン、フルHD動画対応のコンパクトデジカメ「IXY」

-10倍ズーム/薄さ約22mm、ジオラマ風動画も。実売4万円


ブラウン

9月上旬発売

標準価格:オープンプライス


 キヤノンは、コンパクトデジタルカメラ「IXY」の新モデルとして、シリーズ初のフルHD動画撮影に対応した「IXY 50S」を9月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万円前後。カラーはブラウン、シルバー、ピンクの3色。

 有効1,000万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、最大1,920×1,080ドット/24fpsの動画撮影も可能なデジタルカメラ。動画の記録フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264(MOV)、音声はリニアPCMステレオ。撮影モードは「フルHD」(1,920×1080ドット/24fps)のほか、「HD」(1,280×720ドット/30fps)や、「VGA」(640×480ドット/30fps)、「QVGA」(320×240ドット/30fps)などを用意する。

 シリーズ初となる光学10倍ズームも搭載。レンズ沈胴時にプリズムを退避させて、空いたスペースにレンズを収める新採用の「屈曲沈胴プリズム退避鏡筒」により、10倍ズームながら薄さ約22.3㎜(沈胴時)を実現した。レンズF値は3.4~5.6。35㎜換算の焦点距離は36~360㎜。手ブレ補正はレンズシフト式で、動画撮影時も利用可能な「ダイナミックIS」を搭載。歩き撮りなどで発生しやすい、振幅が大きくゆっくりとしたブレも補正するという。

 動画撮影用の「ムービーボタン」を設け、ダイヤル操作なしで撮影開始/停止が可能。動画撮影中でも光学ズームが使用できる。なお、動画撮影は1ファイル4GBまでの制限があるほか、4GBに達していなくても撮影時間が1時間(フルHD/HDでは10分)に達すると記録が停止する。HDMIミニ端子も備え、テレビなどの大画面に撮影したフルHD動画などを出力できる。

シルバーピンク液晶モニタ(シルバー)

 また、シーン判別機能「こだわりムービー」も進化。撮影中に室内から屋外に出ても、シーンを自動で切り替わるようになった。従来は撮影開始後は、21あるシーンのうち同一カテゴリ内(最大6シーン)のみで切り替えが行なわれていたが、新たに全21シーンの中から自動判別するように変更されている。ただし、フルHD撮影時はこの機能は利用できない。

 静止画のシーンモード「ジオラマ風」を動画撮影にも利用できる「ジオラマ風動画」を搭載。画面の上下をぼかして遠近感を強調し、ミニチュア模型が動いているような動画を撮ることが可能。ぼかす範囲の幅と位置を指定できるほか、撮影した動画の再生速度は5/10/20倍速から選択する。なお、この機能はフルHDや320×240ドット撮影時には利用できない。そのほか、QVGAで240fpsのハイスピード撮影も可能。

 静止画はJPEG記録で、最大解像度は3,648×2,736ドット。同社初という「手持ち夜景モード」を採用し、複数枚の画像を合成する方法で、三脚を使わなくても通常撮影時より手ブレを抑えられるとしている。また、5枚連写した中から、最高の1枚をカメラが自動で選ぶ「ベストセレクト連写」モードも初めて搭載した。

 映像エンジンはDIGIC 4を搭載。ノイズの少ない高感度センサーとDIGICを組み合わせたHS SYSTEMにより、高精細と低ノイズ、高い色再現性、幅広いダイナミックレンジを実現している。

 液晶モニタは3型/23万画素の「クリアライブ液晶G」。記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード。Eye-fi連動機能も搭載している。外形寸法は101.3×22.3×58.5㎜(幅×奥行き×高さ)、重量は約190g。リチウムイオンバッテリ「NB-9L」が付属する。



(2010年 8月 19日)

[AV Watch編集部 中林暁]