プレイバック2025
アナログレコード沼に落ちたら財布の紐がどっか行った1年 by 編集部 山崎
2025年12月26日 11:00
今年、サイズ的にも、金額的にも大きかった買い物は、Technicsの「SL-1300G」(396,000円)。それまで使っていた40年以上前のトーレンス「TD147」の調子が悪くなり、どうしようかと悩んだ末に、ダイレクトドライブの現行機種をお迎えしてしまいました。
記事にも書きましたが、レコード沼は底が見えないほど深く、機材だけでなく、LP自体もお金をかけるとキリがない。「あまりお金は使わず、ほどほどに楽しもう」と崖の上から恐る恐る覗き込んでいたのですが、足元が崩れ、沼に肩まで浸かってしまいました。
一度大きな買い物をすると、財布の紐が緩んでしまい、「このあいだの買い物と比べれば安いから買ってもいいか」とか「ポイントが貯まってるから実質無料」とか言いながら、さらなる出費を誘発。
気がつくとカートリッジが増えているのは“アナログ趣味あるある”ですが、ヘッドシェルにカートリッジを取り付けている時に、ふと「リード線にもこだわるべきでは」と思い、オヤイデの「HSR-102」をポチり。音のクオリティアップもそうですが、線が柔らかくて取り回しが楽で感動しました。
レコードのホコリを除去するクリーナーは、プラスチック筐体の細長いタイプを使っていたのですが、「もうちょっと手触りが良い、木製のものが欲しいな」と、Amazonのセールで天然木の筆っぽいデザインのものを購入。
そして、アンプ内蔵フォノイコライザーで満足していたのに、つい「単体フォノイコライザーを使ったらどんな音になるのだろう」と、iFi audioの「ZEN Phono 3」を購入。
ZEN Phono 3の機能やサウンドに満足したもの束の間、製品ページに「ACアダプターを付属のものより、別売のiPower II(14,300円)にするともっと良くなりますよ!」(要約)と書いてあったiPower IIまで購入。
これでしばらくは平穏な日々が……と思ったら、今度は、ターンテーブルとZEN Phono 3、そしてZEN Phono 3とアンプを接続するアナログケーブルが気になる……。どちらも短いケーブルですが、変えると音がかなり変化します。
とはいえ、高級なケーブルには手が出ないので、コストパフォーマンスの高いカナレやモガミ、ベルデンなどのケーブルを取っ替え引っ替え。
アナログプレーヤーは、ちょっとした事で音が変化しますが、だからこそ面白い。そして、“触れるところが多い”というのも、この沼を底無しにしているようです。
LPもせっせと集めており、山下達郎デビュー50周年記念のMOONレーベルの再発売アルバムや、新譜では「藤井風/Prema」などもゲット。
年末に聴いて驚いたのは、ユニバーサル ミュージックが復活させた高級レコード「100% Pure LP」(4タイトル)。素材として無着色のヴァージン・ヴィニールを使った180g重量盤で、プレス工程も、メタルマザーとスタンパーを省略してメタルマスターからダイレクトプレス。しかも、33回転ではなく、より広く長い溝を刻めるので45回転を採用。収録時間が短くなるので、2枚組にしたというこだわり具合。
いつも、試聴に使っている「オスカー・ピーターソン・トリオ/プリーズ・リクエスト」(USアナログ・テープより2018年にトランスファーしたDSD由来の96kHz/24bitマスター採用)を聴きましたが、驚くほどクリアで、見通しの良い広大な音場が展開。低域の情報量も多く、それでいて聴き心地も良いナチュラルさも兼ね備えており、「こういう音も良いなぁ」と、レコードの魅力を改めて実感。
ちなみに最近「アナログ用に別のアンプとスピーカーも一式欲しいな……」とか思いはじめているので、誰か羽交い締めで止めてください。










