アップルのiTunes Uに東大など国内の大学が参加

-累計3億DL。サンデル教授の「正義」なども配信


8月25日発表


 アップルは25日、大学の講義などをiTunesを介してダウンロードして体験できる「iTunes U」のダウンロード件数が、サービス開始から3年で3億件を突破したと発表した。

 現在世界中で約800以上の大学がiTunes Uのサイトを運営し、その半数近くがiTunes Storeでコンテンツを公開しているという。今回、新たに日本と中国、香港、メキシコ、シンガポールの大学からもコンテンツが追加された。

iTunes UInternational Show Case

 iTunes U上のコンテンツは全て無料で、MacやWindows PC上で楽しむことができるほか、iPhone、iPod touch、iPadに直接ダウンロードすることも可能。ハーバード大学、MIT、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学、メルボルン大学、モントリオール大学などの教育機関がコンテンツを提供してきた。NHKの「ハーバード白熱教室」で話題となったマイケル・サンデル教授の「正義(Justice)」なども提供されている。

 新たに日本では、東京大学、明治大学、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)、早稲田大学などが参加。東京大学は、ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊名誉教授や、世界的な建築家である安藤忠雄名誉教授の講義など合計112の正規授業、公開授業などを配信開始した。

 明治大学では、国際日本学部の森川嘉一郎准教授による、マンガやアニメなどのオタク文化が秋葉原にもたらした変化を論じた「日本論~趣味と都市 秋葉原とオタク文化」や、ゴルバチョフ元ソビエト連邦大統領による特別フォーラム「冷戦終結20年これからの世界」などを、200以上のコンテンツを配信する。SFCでは、國領二郎総合政策学部長らによる「総合政策学の創造」や村井純教授などの「インターネット」など約350講義を公開配信する。

 Appleのインターネット・サービス担当バイスプレジデント、エディー・キュー氏は、「iTunes Uは、世界の一流教育機関の多くが提供しているコンテンツをとおして、多くの方がより簡単に様々な知識を発見し、学ぶことができるようにするもの。幅広い範囲におよぶ教材を通じて、コンピュータやiPhone、iPodそしてiPad上で学べる素晴らしい方法を提供しています」と述べている。


(2010年 8月 25日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]