【IFA 2010】ソニー、Google TVや3D VAIOなどを披露

-PS3は10月に3Dファーム公開へ。3D SXRDプロジェクタも


ハワード・ストリンガー氏

 今年で開催50周年を迎えるIFA(国際コンシューマエレクトロニクス展) 2010が9月3日(現地時間)よりドイツ・ベルリンにて開催される。開幕2日前となる9月1日、ソニーが出展する新製品などを紹介するプレスカンファレンスを行ない、ソニーグループCEO兼社長のハワード・ストリンガー氏と、ソニーヨーロッパ・プレジデントの西田不二夫氏が登壇した。

 ストリンガー氏は、まず、次世代テレビと位置付けるAndroidベースの「Google TV」(Internet TV)について言及。ブース内でも試作機が展示され、テレビでインターネットにアクセスし、フルHD対応ブラウザのChromeから様々なアプリをダウンロードして本体にインストールしたり、Google MapsやYouTube、Twitterなどのサービスと連携していた。米国ではGoogle TVを今秋にローンチ予定としている。

展示されたGoogle TVの試作機Google MapsやYouTubeなどGoogleのサービスに最適化

 続いてストリンガー氏から紹介されたのは3D技術。4Kデジタルシネマや、撮影用のカメラ、家庭用テレビに至るまで「3D Universe」を展開する同社は、Blu-ray 3D対応が予告されているPlayStation 3について、ソフトウェアアップグレードを10月までに行なうことを明らかにした。さらに、「来春には3D VAIOもデビューする」としたほか、世界中の多くの国で3D対応製品の購入者に、Blu-ray 3Dの「マイケルジャクソン THIS IS IT」や「アリス・イン・ワンダーランド」を提供するという特典を付けることも発表した。

 また、ソニー・ピクチャーズの今後の劇場用3D映画については、「Resident Evil afterlife」(「バイオハザード」新作)や、「スパイダーマン」、「Men In Black」の新作などを用意しているという。

 そのほか家庭用の3Dコンテンツでは、テレビ向けとしてディスカバリーとIMAXと共同で展開している3Dチャンネルや、ESPNと協力したスポーツ番組、モーションコントローラ「MOVE」を使ったゲームコンテンツを紹介した。

ゴルフの3D映像(2010年のマスターズトーナメント決勝)を280型スクリーンに上映ストリンガー氏も3Dメガネで鑑賞「もっとも成功した3Dコンテンツ」として、W杯南アフリカ大会の3D映像が上映された

 さらに、注目の音楽コンテンツとして、中国出身のピアニスト、ラン・ラン(Lang Lang)がゲストで来場。全身で弾くようなリズミカルな演奏を披露し、3Dで撮影して前面の280型スクリーンに3D上映するというデモが行なわれた。「テレビ、PS3、携帯電話などソニー製品を愛用している」というラン・ランは「3D技術によって、コンサートの映像でも会場の興奮が伝わる」とコメントした。

ラン・ランがステージで生演奏。3Dカメラで撮影してリアルタイムで上映された

 

3D対応のSXRDフルHDプロジェクタ「VPL-VW90ES」
 そのほか新製品として、3D対応のSXRDフルHDプロジェクタ「VPL-VW90ES」を紹介。テレビと同様にアクティブシャッター式メガネで視聴する3D240Hzモーションフローを搭載し動画表現を向上させているほか、「アドバンストアイリス3」によりダイナミックコントラストは150,000:1を実現している。欧州では11月に発売される予定。

 また、ウェブ共有を主眼とする小型ビデオカメラの「Bloggie」(ブロギー)新製品のフルHD対応モデル「MHS-T520K」も発表。1,280万画素のExmor CMOSセンサーを搭載し、360度のパノラマビデオ撮影にも対応することが特徴。11月初旬の発売が予定されている。そのほか、Eブックリーダー「Reader」のタッチスクリーン対応モデルなども発表された。


一見ウォークマンのようなスリムな筐体の新Bloggie背面にカメラを備えている指やスタイラスでタッチ操作が可能なReader


■ 3D対応VAIOも登場

ソニーヨーロッパ・プレジデントの西田不二夫氏

 昨今の不況の中でも、「クリスマス商戦に向けた見通しはポジティブ」とする西田氏は、その自信を裏付ける新製品や新サービスを紹介した。

 会場でも注目されたのが、3D対応の「VAIO」ノートPC。展示は試作機だったが、16型/フルHDディスプレイを備え、240Hzのモーションフローを搭載。3Dボタンにより2Dコンテンツを3D変換することが可能なことが特徴。バックライトはLEDで、BRAVIAと同様のバックライトコントロール技術で深く沈む黒などを表現可能にしている。

 そのほか、日本でも発表されたレンズ交換式ビデオカメラの「NEX-VG10」や、高速連写/フルHD動画対応の「α55」、「α33」、「3Dスイングパノラマ」にも対応したサイバーショット「WH5」、「TX9」などが紹介された。

 また、テレビ/BDプレーヤー向けのインターネット配信サービス「Qriocity」のVODを、4月開始の米国に続き欧州5カ国でも今秋に開始することも発表。このサービスはビデオ配信だけでなく音楽配信やゲーム、Eブックといった様々なコンテンツの提供を想定している。

3D対応VAIOの試作機が展示2D→3D変換を行なう3Dボタンを備えるQriocityのビデオ配信をスタート

(2010年 9月 2日)

[AV Watch編集部 中林暁]