ソニー、デジタルNC対応のウォークマン「NW-S750」

-最大32GB。NC機能を強化。ちょい聴きmora対応


「NW-S750」のライトピンク(PI)モデル

 ソニーは、ウォークマンのミドルクラス「Sシリーズ」の新モデルとして、デジタルノイズキャンセリング機能を備えた「NW-S750」シリーズを10月9日に発売する。メモリ容量8GBの「NW-S754」、16GB「NW-S755」、32GB「NW-S756」を用意し、店頭予想価格は8GBが14,000円前後、16GBが17,000円前後、32GBが20,000円前後の見込み。

 また、クレードル型スピーカーをセットにした「NW-S750K」シリーズも同日に発売。メモリ容量は8/16GBの2種類のみとなり、店頭予想価格は17,000円前後と、20,000円前後。カラーは2モデル共通で、ブラック(B)、ビビッドピンク(P)、バイオレット(V)、ゴールド(N)、ブルー(L)、ライトピンク(PI)、グリーン(G)、ホワイト(W)を用意。全モデルとも、FMラジオを内蔵している。

 また、ソニースタイルオリジナルモデルとして、プリンセスライラック(メモリ8GB)も用意。クレードルスピーカー有り/無しの両方を用意し、販売価格はスピーカー無しの「NW-S754/VI」が15,800円、有りの「NW-S754K/VI」が18,800円。

カラーはブラック(B)、ビビッドピンク(P)、バイオレット(V)、ゴールド(N)、ブルー(L)、ライトピンク(PI)、グリーン(G)、ホワイト(W)

 従来のSシリーズは、ノイズキャンセル機能を備えたS740/S740Kと、非搭載のS640/S640Kという2つのラインナップがあった。今回は、全てノイズキャンセル(NC)機能を搭載したS750/S750Kにラインナップがまとめられている。さらに、従来はアナログ方式だったNC機能を、Aシリーズと同じデジタルノイズキャンセリングに強化。この結果、S740で90%(10dB)だったNC率が、S750では98%(17dB)に向上した。NCモードもAシリーズと同様、「バス・電車」、「飛行機」、「オフィス」の3つを用意する。

NCをデジタルノイズキャンセリングに強化した。写真は付属のイヤフォン。本体カラーに合わせてブラックとホワイトが用意される

 若年層を中心に、カラオケ練習用に音楽を聴くというニーズが引き続き高いため、歌詞表示機能とカラオケ機能を強化。楽曲と同期して歌詞を表示する「歌詞ピタ」機能は、従来はジャケット画像の下に歌詞を表示していたが、新モデルではジャケット上にオーバーレイ表示するようになり、より歌詞が見やすくなった。

 カラオケ機能では、ボーカルキャンセル機能を強化。強/弱の2モードを用意し、強モードではより強力にボーカルをキャンセルできるようになった。さらに、キーコントロール機能も追加。キーを好みの高さに調整することで、男女の曲問わず歌えるようになったという。

歌詞表示機能を強化。アルバムジャケットに大きくオーバーレイ表示されるようになったゴールド(N)モデル。各モデルに合った壁紙がプリインストールされている

 さらに、前モデルでは省かれていた「おまかせチャンネル」機能が復活。音楽ライブラリの楽曲を、気分、時間帯、シーンなどに合わせて「アクティブ」、「リラックス」、「メロウ」といった12のチャンネルに分類し、再生できるもの。転送・管理アプリの「x-アプリ」や「Content Transfer」、対応コンポのNETJUKE、PlayStation 3などで蓄積・転送した楽曲の場合、12音解析をして分類し、楽曲のサビ部分をシャッフル再生する事も可能。これらのソフトやハードを使わず、PCから楽曲をドラッグ&ドロップ転送した場合は、ウォークマン本体側での簡易解析が必要になる。

 さらに、新機能としてmoraとの連携で使える「ちょい聴きmora」という機能を追加。これは、moraにある試聴曲を10曲をまとめて1パックにしたものを、x-アプリと同期時に、ウォークマンに転送。ウォークマンで楽しめるというもので、パックには週間邦楽トップ10や、「クラシック」や「ジャズ」といったジャンル別アラカルトパック、サマーフェス特集やクリスマスソング特集といった特集パックも用意される予定。

 1つのウォークマンに4パック、40曲まで転送できる。楽曲はフルレングスではなく、各曲最長45秒まで(各レーベルが試聴曲として提供している長さによる)。再生には回数制限があり、1つのパックを3回まで再生できる。なお、1パックがメドレーのように繋がっているわけではなく、ユーザーが10個の試聴曲を1つ1つ選択・再生していく再生方法となる。また、moraの試聴曲が更新された後に、x-アプリとウォークマンを接続すると、ウォークマン上の試聴曲は自動的に更新される。曲ごとの更新はできず、パックごとの更新となる。

 なお、試聴して気に入った楽曲を、ウォークマン上で購入予約する事ができる。予約情報はx-アプリと接続された際にPC側に転送され、x-アプリのmora楽曲購入機能において、予約した楽曲が買い物かごに自動的に投入される。

 ほかにも細かい機能として、楽曲のブックマーク機能や、最近転送したアルバムをリストアップする機能も用意。

 対応する音楽フォーマットはMP3/WMA(DRM非対応)/ATRAC/ATRAC Advanced Lossless/リニアPCM/AAC(DRM非対応)/HE-AAC。動画はMPEG-4 AVC/H.264、MPEG-4、WMV(DRM非対応)で、解像度はいずれも720×480ドットまで再生可能。ソニー製BDレコーダから、デジタル放送の録画番組を転送する「おでかけ転送」にも対応する。転送速度はさらに高速化され、従来の2倍を達成。1時間番組を最速1分で転送できるという。

 長時間再生が可能で、MP3 128kbpsの場合、約50時間の再生が可能。MPEG-4 384kbpsの動画は約10時間再生できる。充電はPCのUSB端子から行なう場合、約3時間必要。約1.5時間で約80%まで充電できる。

 筐体は従来モデルと比べ、角が丸みを帯びたデザインになっているのが特徴。ディスプレイは2型の液晶で、解像度は320×240ドット。最大外形寸法は約94.2×42.7×7.5mm(縦×横×厚さ)。重量は約55g。

 楽曲管理・転送ソフトの「x-アプリ」はver2.0に強化され、ライフログサービス「Life-X」との連携に対応。x-アプリの写真を「Life-X」にアップロードしたり、液晶テレビのBRAVIAにポストカードとして送信する事も可能になった。ほかにも、ユーザーインターフェイスの改良も行なわれている。

オプションでクリアケースなども用意する。写真はクリアケースのCKH-NWS750。実売2,800円前後スピーカーは、各種ケースを装着したままでも本体を搭載できるようになっている。左はソフトキャリングケース「CKS-NWS750」(実売3,000円前後)を装着したまま、スピーカーに乗せたところ

 ソニースタイルオリジナルモデルのプリンセスライラックは、液晶下部にラメシールを配置しているのが特徴。スピーカー付きの「S754K」モデルも用意し、本体に合ったカラーのスピーカーとなっている。いずれも店頭モデルより2,000円程度高くなる見込み。

 S750Kに付属するスピーカーの外形寸法は、約156×42×110mm(幅×奥行き×高さ)。スピーカーと本体を合わせた重量は約207g。

ソニースタイルオリジナルモデルのプリンセスライラックプリンセスライラックのスピーカー付きモデル

(2010年 9月 15日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]