イーフロンティア、9W初のイヤフォン「NW-STUDIO PRO」

-ソニー・井深氏の意志を継ぐ技術を搭載。約1.5万円


「NW-STUDIO PRO」

 イーフロンティアは、ナインウェーブのインナーイヤフォン「NW-STUDIO PRO」を2月4日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は15,800円前後。

 ナインウェーブは2010年3月に設立されたメーカーで、「NW-STUDIO PRO」が第1弾製品となる。最大の特徴は、M.I.Labs(エム・アイ・ラボ)が開発した独自技術を採用していること。M.I.Labsは、「ソニーの創立者・故井深大氏の意志を継ぎ、教育、健康、医療、福祉の分野に貢献すべく創立された」という会社で、89年に開設されたソニーの脈診研究所(井深氏が研究所長)をベースとしている。

 採用された技術は、M.I.Labsの「Pore Controlテクノロジー」を使ったもので、「DUAL Anti-Standing Wave System」と呼ばれている。


DUAL Anti-Standing Wave Systemの解説図

 これは、通常のイヤフォンで発生する低域の共振(約200Hz前後の周波数で低域共振f0による生じる増強音)を防ぐための技術で、振動板の面積に対して、発音部側の筐体に設ける微細孔の開口面積を1%に設定している。これにより、強力な空気の機械抵抗で振動板の各種共振を制御。振動板の動作を抑制することなく、原音に忠実に低音域から高音域に掛けてのフラットな再生を実現するという。

 このため、通常のイヤフォンに使われるダンパーを不要としている。ダンパーにより振動板の動作が妨げられる事がなく、音質向上に寄与するという。


微細孔を下側に寄せることで、鼓膜に当たって音波が振動板にそのまま戻る事による定在波の発生を防いでいる

 また、前述の、バッフル面に空いた微細孔が下側に寄っているのも特徴。例えば全体に分布していると、耳に装着した際に、振動板と放射孔(微細孔)、鼓膜が正対状態となり、鼓膜に当たった音波がそのまま振動板に戻り、定在波が発生するという。これを防ぐために、下側のみに放射孔を設け、定在波が起きないよう工夫している。

 ユニットは13.5mm径。再生周波数帯域は20Hz~20kHz。出力音圧レベルは110dB±3dB。インピーダンスは32Ω。ケーブルはY型で、長さは980mm。980mmの延長ケーブルも付属する。入力プラグは24金メッキ仕上げのステレオミニ。重量は約12g。イヤーパッドと標準プラグアダプタ、キャリングケースなどが付属する。


付属のキャリングケースキャリングケースを開いたところ。本体だけでなく、延長ケーブルや変換プラグなど、付属品一式が収納できる

(2011年 1月 6日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]