パナソニック、CATV向け遠隔録画予約「DIMORA」を開始

-スマートフォンも対応。CATVポータルもコスト削減


CATV版DIMORAの番組表

 パナソニックとパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、市販のブルーレイDIGAなどで展開している遠隔録画予約サービス「DIMORA(ディモーラ)」をCATV対応し、CATV事業者向けサービスとして3月より受注開始する。サービス開始時期や、利用料金については、採用するCATV事業者が判断する。

 これまでの同社のCATV用STBでは、一部の機種で「Gガイドモバイル」による、携帯電話からの地上/BSデジタル放送の録画予約に対応していた。今回、CATV版DIMORAを採用することで、CATVチャンネルや地上デジタルの区域外再送信のリモート予約にも対応。リモート予約できる端末はパソコンや、携帯電話、スマートフォンなど。

 iHITS、JCHITS、ReMUXなどのあらゆるCSデジタルヘッドエンドシステム採用局で構築可能で、局別の段階的な導入やCATV事業者による名称や広告枠、Webリンクのカスタマイズにも対応する。パナソニックはDIMORAを運営し、番組情報をインタラクティブ・プログラムガイド、HITS各社、EPG供給会社から調達し、CATV事業者独自の番組表に対応したDIMORAを構築する。

 対応のSTBは、TZ-DCH9810、TZ-BDW900P、TZ-BDT910P/M/Fと、TZ-DCH2000/2800/9000/9800、TZ-HDW600 M/F、TZ-BDW900 M/F。ただし、CATV事業者によって対応機種の中でも「最上位機種だけで展開」や、「全機種で展開」などの判断が行なわれる可能性はあるという。


DIMORAのスキーム図CATV統括運営会社(MSO)向けの一括契約もスマートフォンでもDIMORAを利用可能に
CATVユニバーサルポータルの概要

 また、CATV事業者向けのポータルサイト構築プラットフォーム「CATVユニバーサルポータル(CUP)」用のホスティングサービスも4月より展開する。従来は、CATV事業者がサーバーを用意し、そのうえでCUPを使ったポータルサイトを構築する必要があった。ホスティングサービスの開始により、パナソニックが構築したCUP用サーバー上にCATV事業者独自のポータルサイトを構築できるため、初期投資を抑制できる。

 基本となるテレビポータル画面のテンプレートも複数用意するほか、コンテンツプロバイダの紹介も行なうことで、CATV事業者の利用を促す。CATV事業者は、パナソニックとプラットフォーム利用契約を、コンテンツプロバイダとコンテンツ利用契約を行なうことで、システム投資や運用コストを抑えた双方向TVポータルを契約者に提供できるという。

 ポータルだけでなく、番組紹介冊子をテレビ上で再現したり、ジャンル別のサムネイル付きおすすめ番組紹介、ゲーム、自主VOD支援サービスなども提供予定。また、STBの電源をONにすると「おはようメール」を表示。STBの起動状況を毎日離れた場所の家族にメールで通知する「TV見守り支援サービス」なども提供する。


CATVユニバーサルポータルのトップページおすすめ番組
CUPホスティングの概要テレビ上で番組ガイドを閲覧見守り支援サービス

 CUP対応のSTBは、TZ-BDW900M/F/P、TZ-BDW600M/F/P、TZ-LS300F/P、TZ-LS200P、TZ-BDT910M/F/P。今後はSTBだけでなく、スマートフォンやタブレット端末からもCUPと連携できるプラットフォームの提供や連携サービスの提案を行なっていくという。

 CUPのミドルウェアは、ACCESSと共同で開発しており、海外で展開中のテレビ向けインターネットサービス「VIERA Connect」と基本仕様を共通化している。コンテンツの調達やCUP対応についてもVIERA向けネットサービス「テレビでネット」と連携して取り組むという。

将来的にはスマートフォンやタブレットでもCUPに対応。スマートフォンからCUPの情報を見たり、STBの操作を可能にするIS03でCUPを閲覧ISO3からSTBの操作も可能に
パナソニックAVCネットワークス社 CATVビジネスユニット 倉本氏

 パナソニック AVCネットワークス社 CATVビジネスユニット マーケティンググループ
グループマネージャーの倉本豊氏は、DIMORAとCATVユニバーサルポータルについて、いずれもユーザーの利便性を高めるとともに、「(CATV事業者の)初期投資を抑えて導入できるサービス。2つのサービスがCATVのみなさんの経営に大きく貢献できると思う」と説明。「パナソニックの技術インフラを水平展開しながら、高信頼性の製品、サービスを展開する」とした。

 CATVビジネスユニット マーケティンググループ チームリーダーの佐村智幸氏は、DIMORAとCUPの特徴を紹介。CUPを2010年にCATV事業者に紹介したところ、大手を除く多くの事業者から、システムの導入コストや運営コストを課題とし、導入に後ろ向きな声があったほか、コンテンツプロバイダとの繋がりがないなどの相談が寄せられたという。そこで、サーバーをパナソニックがホスティングする方式を提案。さらに、コンテンツプロバイダも紹介する仕組みを構築し、今後は積極的に導入を呼び掛けていくという。


パナソニック AVCネットワークス社 CATVビジネスユニット 佐村氏従来のCUPの課題CUPの特徴

(2011年 3月 9日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]