オヤイデ、音響専用ハンダ「SS-47」に50g巻を追加

-4月1日から値上げ。オーディオ用ファストン端子も


音響専用ハンダ「SS-47」の50g巻

 オヤイデ電気は、音響専用ハンダ「SS-47」に、少量の50g巻を追加。4月1日に1,890円で発売する。さらに、既存の100g巻、500g巻、1kg巻の価格を4月1日より改訂し、値上げする。

 従来の直販価格と改訂後の価格を比べると、100g巻が2,016円から3,570円に、500g巻が8,400円から15,750円に、1kg巻が15,120円から30,450円となる。値上げの理由をオヤイデは、「原料の価格高騰を受けてのもの」と説明している。

 さらに、3月25日には、オーディオ用ファストン端子「FTシリーズ」も発売。メッキの異なる3種類を用意し、FTL-G(24Kゴールド)が8個入りで840円、「FTL-SR」(シルバー+ロジウム)が4個入りで945円。「FTL-PP」(プラチナ+パラジウム)が4個入りで945円。



■音響専用ハンダ「SS-47」

 通常のはんだは、コスト面から錫の純度が99.9%(3N)程度だという。SS-47では、99.993%(4N)以上の高純度錫を採用。さらに、導電率の向上と、はんだの食われ防止を目的とし、銀、銅も配合。通常の合金はんだにおける、銀の配合比が3~3.5%であるところ、SS-47では4.7%にしており、これに、導電率の高い銅を1.7%配合。導電率を飛躍的に向上させたという。

 また、ヤニについてもこだわっており、表面の腐食の抑制を踏まえ、残留塩素を0.12%以下に抑えている。また、特別な物質配合を行なうことで、広がり率83%を実現。「40Wのハンダごてで、数秒ではんだが浸透し作業は終了。共晶点217度で素早く冷却され、周りの素材を熱により痛ませることなく、作業は終了。驚異的な作業性の良さを持つ」という。

 さらに、表面が平滑に仕上がることで、信号特性を邪魔せず、信号の乱れを抑え、ひずみを最小限に抑えられるとしている。



■オーディオ用ファストン端子「FTシリーズ」

 同社はIECインレット「PowerInlet R」を発売しているが、その内部電極をファストン端子で勘合可能な事から、ファストン端子のクオリティアップに着手。オーディオ用ファストン端子として「FTシリーズ」を開発したという。

 端子部は、精度な打ち抜き、折り曲げ加工を施しており、独自のダブルコートメッキで仕上げている。メッキのバリエーションには、ニッケル+24Kゴールド、シルバー+ロジウム、プラチナ+パラジウムの3種類を用意。

FTL-G(24Kゴールド)、「FTL-SR」(シルバー+ロジウム)、「FTL-PP」(プラチナ+パラジウム)の3種類を用意

 メッキで音色が異なるとしており、「ニッケル+24Kゴールドは柔らかく暖かみがある音色、シルバー+ロジウムは鮮明でシャープさを追求、プラチナ+パラジウムは重厚でダイナミックな表現力」になるという。

 F6.35(6.35mm幅x0.8mm厚)電極、およびファストン端子 大 オス型に勘合可能。IECインレットやスピーカーユニットの内部配線接続用などに使え、ハンダ付けを極力排除したいユーザーにも適しているという。

 なお、FTシリーズ発売に合わせ、IECインレット「PowerInlet R」に「FTL-G」が3個同梱されるようになる。「PowerInlet R」自体の価格は2,100円で変更はない。



(2011年 3月 11日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]