パナソニック、新3MOSシステム搭載2眼3Dビデオカメラ

-45cmの3Dマクロ撮影も。セミプロ向け実売40万円


HDC-Z10000-K

 パナソニックは、新3MOSシステムを搭載し、AVCHD 3D/Progressive記録に対応した二眼式3Dビデオカメラ「HDC-Z10000-K」を12月1日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は40万円前後。

 業務用3Dカメラで培ったノウハウを投入し、新レンズ/エンジン/3MOSセンサーによる新3MOSシステムや、セミプロユーザーのニーズにこたえる操作体系を搭載したという3Dビデオカメラ。10月4日から幕張メッセで開催されるCEATEC JAPAN 2011にも出展する。

 新開発レンズと4K/2K相当の情報処理が可能なエンジン、有効画素数657万画素の3MOSセンサーによる「新3MOSシステム」を左右に2基搭載。AVCHD 3DのフルHD 3D撮影が可能となる。新3MOSシステム1基のみを使った1080/60pのAVCHD Progressive記録も可能。

 1/4.1型 657万画素(2D撮影時219万×3)の3MOSセンサーを2基搭載。RGB各色、合計6つのMOSセンサーを備えており、2系統の新3MOSシステムにより3D撮影に対応する。2つのレンズ間距離は42mmに固定。業界最短という、被写体までの距離45cmでの3Dマクロ撮影が可能となっている。

「新3MOSシステム」を左右に2基搭載

 レンズは2Dが光学12倍ズーム(35mm換算 29.8mm~368.8mm)、3Dが光学10倍ズーム(35mm換算 32mm~320mm)で、室内など狭い場所での撮影から、被写体との距離の離れたシチュエーションでの撮影まで対応できる。また、2D撮影時にはiAズームにより、約23倍のズーム撮影が可能となっている。

レンズ間距離は42mm

 3D撮影時に光学ユニット内で二眼式レンズの輻輳角を変えることで、コンバージェンスポイント(3D映像の基準面)を前後に調整し、画面からの「飛び出し」「奥行き」をコントロール。自然な3D映像が撮影できる。

 また、ナノレベルの微細構造を持つ、超低屈折率の薄膜をレンズ表面に形成する「ナノサーフェスコーティング」を採用。一般的なマルチコーティングと比べ、反射光を約0.5~0.25%抑え、ゴーストやフレアを低減した。

 2D撮影時には「5軸ハイブリッド手ブレ補正」に対応。手首の縦、水平、腕の左右・上下の4軸ハイブリッド手振れ補正に加え、歩く時に発生する回転方向の手振れを補正することで5軸での手振れ補正を実現している。なお、3D撮影時の手振れ補正は「Power O.I.S」を採用する。トリプルマニュアルリング(ズーム/フォーカス/アイリス)を備えており、直感的に操作できるとしている。

 新エンジン「クリスタルエンジンPROII」を搭載。4K/2K相当(8.28メガピクセル)の情報処理能力を備え、高品質な2D/3D撮影を可能にした。シネライクガンマを含む7種類のガンマカーブに対応。マニュアルボタンには、ゼブラ表示と輝度表示切換や手振れ補正切換か、アイリスのオート/マニュアル切り替えなど9種類を切り替えられる。

 13種類の撮影詳細モードの組み合わせで最大6パターンの任意の撮影設定を本体内に記憶できる「カスタムシーン」や、スイッチ切り替えで、自動的に最適な撮影モードを選んでくれる「iA機能」搭載している。電源オフ状態から約2秒で撮影可能なスタンバイモード状態への「クイックパワーオン」や、スタンバイモードから約0.6秒で撮影モードになる「クイックスタート」を搭載している。

側面。XLR端子も装備する

 記録メディアは、SDメモリーカードで、デュアルスロットを採用。1台のカード容量がいっぱいになると、自動で2枚目のカードに記録して長時間録画が可能な「リレー記録」や、撮影時に記録データを2枚のカードに同時記録する「バックアップ記録」に対応する。

 モニターは、3D対応の3.5型/115.2万ドット液晶を採用、0.45型のビューファインダーも搭載する。内蔵マイクによる5.1chドルビーデジタル記録のほか、XLR端子も装備し、外部マイクも接続できる。

 消費電力は10.1W。外形寸法は145×350×195mm(幅×奥行×高さ)、重量は1.6kg(撮影時重量は1,880g)。AVCHD 3D/Progressive対応の編集ソフト「HDライターXE1.0」を同梱する。


(2011年 9月 30日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]