アクシス、FMアコースティックスのプリ「255MkIIR」
-約535万円。強化クラスA回路採用。リモコン付き
プリアンプ「255MkIIR」 |
アクシスは、スイスFMアコースティックスのプリアンプ「255MkIIR」を3月に発売する。価格は535万5,000円。
既発売の「255MkII」にボリュームレベルとミュートの操作ができるリモコンを追加したモデル。ボリューム増減用ボタンはスローモード、ファーストモードと、増減速度が異なる2種類を装備。ミュートボタンも備えている。プリアンプ本体の機能は従来と同じ。
「“バランス”を自称する他のプリアンプの40~60dB、つまり100倍~1,000倍に相当するきわめて精度の高いバランス信号伝送が行なえる」というモデル。入力ステージに、オペアンプやICを使用せず、独自の精密な調整を施した完全ディスクリート仕立ての強化クラスA回路によって構成された、「HRモジュール」を搭載。全再生帯域にわたり、CMRR 100dBを実現したという。CMRRは「コモンモード・リジェクション・レシオ」の略で、バランス動作の精度を表わす技術用語。両信号径路へシンメトリカルに混入するハム、ノイズなどの信号の排除能力を示している。
バランス、アンバランスどちらの入力インピーダンスも、全周波数帯域にわたってリニアだという。また、バランス出力には、バランス負荷、アンバランス負荷間の差を自動的に補償するセンサー回路を備えている。
バランス入力では、内部のアッテネーターの切替により、高い出力レベルのソース機器(CD/DVDプレーヤーなど)に応じて入力感度を10dB下げる事も可能。ボリューム位置の適正化を図っている。
また、位相反転段などの付加的な回路を使用せず+側、-側の出力信号径路を入れ替える位相反転スイッチも装備。メイン出力の位相を正確に180度反転できる。テープモニター機能には、クラスAバッファ回路を使用。接続する機器の入力・出力インピーダンスや、回路の特性を問わず、常に一定の音質と純度の高い信号伝送を実現するとしている。
特別設計のバイアス回路を備え、長時間のウォーミングアップをせず、素早く動作温度に達する事が可能。ウォーミングアップ後に歪みの形状が変わったり、音色が変わる事も無いという。電源は遅延式で、スイッチをオンにしてもすぐに出力に信号は流れず、自己診断を行なって、各部が完全な状態になったら制御回路が出力を起動する。完全な動作状態になるまで、約10秒かかる。電圧降下や過電圧からの保護回路も備えている。
内蔵電源トランスはデュアルシールドされ、磁気的・電子的干渉を排除。特殊な回路とシールドテクニックにより、ハムや干渉、ノイズの侵入を防いでいる。
バランスコントロール機能は、ノブをセンターから±45度回転させると、調整範囲が±1dBレベルとなるシステムになっており、0.02dBの分解能が得られ、正確な調整が可能という。
リレーにはスイス製高品位密閉型を使用。フロントパネルは、4mmレーザー・カットしたアルミニウム9000を、ブラシがけの後ハンド・ポリッシュ。レタリングは酸化陽極処理されている。
また、モジュラー設計になっており、モジュールを交換する事で機能強化が可能。「将来新たなブレークスルーがあった場合も、容易にこれを組み込むことができる」としている。
入力端子はバランス(XLR)×2、アンバランス(RCA)×3、テープ入出力用のアンバランス(RCA)×1。出力はバランス(XLR)×1。消費電力は18W。外形寸法は446×280×92mm(幅×奥行き×高さ)で、5kg。
(2012年 3月 14日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]