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Marshallはギターアンプからオーディオへ。サウンドバーなどホームオーディオ展開にも注目
2025年7月29日 08:00
Marshall Groupは、メディア向けのラウンドテーブルを日本で初めて実施。ギターアンプブランドから始まったMarshallブランドの歴史や、Bluetoothスピーカー「Middleton II」などの最新製品についても解説した。
ラウンドテーブルでは、1998年からMarshall Amplificationに携わり、実際に創業者のジム・マーシャル氏ともやり取りをしていたというMarshall Groupの牛澤滋由貴氏がブランドの歴史について説明。
最近はワイヤレスヘッドフォンや、Bluetoothスピーカーを販売しているMarshallブランドだが、大元の母体はギターアンプのメーカーで、60年以上の歴史を持っている。ドラム演奏を教えていた創業者のジム氏が、1960年にイギリス・ロンドンにてドラマー向けの楽器店を開店し、そこに通っていたドラマー達が次第にバンド仲間のギタリストなども連れ込むようになり、ギターやベース向けのアンプも取り扱うようになった。
そんな中、若いギタリストたちが「市販のアンプでは自分たちが思うようなトーンが鳴らない」と不満を漏らしているのを聞いて、オリジナルのアンプ開発を始めたのが、Marshallブランドの始まりだという。
Marshall Amplificationとして、若手のギタリスト達に向けた小型アンプを展開しつつ、100W出力のアンプを開発したり、積み上げるスタック形式にすることで会場への運搬をしやすくした4×12サイズのスピーカーキャビネットを展開するなど、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンらといった大物アーティスト達にも愛用されるメーカーとして成長していった。
ワイヤレスヘッドフォンやBluetoothスピーカーなどの展開は、2010年からスタート。Marshall Amplificationが開発を行なったのではなく、スウェーデン・ストックホルムを拠点とするZound Industriesという会社がライセンス契約を結び、Marshallブランドのライフスタイルプロダクトの展開を開始した。
ブラックベースのボディにゴールドが映えるデザインや、音作りにもMarshallに意匠を取り入れ、10代から20代の若者を中心にオーディオでも支持されるようになった。日本でも、10代後半から20代を中心に人気を集めるが、これは自然とその層に注目されていった結果だそうだ。
2023年には、Zound IndustriesがMarshall Amplificationを買収する形で合併し、現在のMarshall Groupとなった。
拠点はストックホルムに移っているが、アンプの開発は現在もイギリスの工場で行なわれているとのこと。なお、現在はアンプ事業は売り上げの約7%で、スピーカー、ヘッドフォンを合わせたライフスタイルプロダクトが全体の90%以上を占めているという。レーベルや、スタジオ事業、オーディオアクセサリー事業なども展開しているが、こちらは合わせて1%程度とのことだ。
新Bluetoothスピーカーはサイドにもグリル装備。サウンドバーなどホームオーディオも強化
会場には、各種Bluetoothスピーカーやワイヤレスヘッドフォン、サウンドバーなどが展示。家電量販店でも販売開始となるBluetoothスピーカー「Middleton II」や、限定色の「MIDNIGHT BLUE」シリーズなどが注目の製品となっている。
Middleton IIは、2023年に発売された「Middleton」の後継機で、連続再生時間が従来機から約1.5倍の30時間に伸びたのが特徴。Marshallブランドの小型Bluetoothスピーカーは全方面360度サウンドを特徴としているが、Middleton IIは正面、裏面だけでなく、側面にもグリルを設けており、より全方面への音の広がりを強調しているとのこと。
サウンドバー「HESTON 120」も注目の製品で、7月28日時点で直販サイトのみではあるが、すでに発売されている。直販価格は169,990円。
11基のスピーカーを搭載し、Dolby AtmosやDTS:Xに対応した5.1.2ch構成のサウンドバー。映画を3Dサウンドを楽しめるほか、Movie/Music/Voice/Nightのサウンドモードも備えているが、やはりイチオシなのが音楽再生や、音楽ライブ映像の視聴だという。
HDMIは、eARCのほか、Dolby Vision、4K/120Hzパススルーにも対応。サウンドバーとしての基本性能もしっかりと備えている。
外観はMarshallのアンプを思わせる配色に、金属製のアナログノブを備え、ギターアンプを調整するような感覚で、音量や高音・低音の調整、入力切り替え、サウンドモードを操作できるのがこだわりとのことだ。
今後、さらにサウンドバー「HESTON 60」や、サブウーファー「HESTON Sub 200」の発売も予定されており、ホームオーディオでも注目されるブランドとなりそうだ。