GoPro、カメラをスマホから操作可能にするアダプタ

-無線LANで連携。iPhone画面でストリーミングも


GoProHD HERO2(左上)と、新発売される無線LANアダプタ(右上)、リモコン(下)

 タジマモーターコーポレーションのGoPro NIPPON事業部は、フルHD対応のアクションスポーツ/ウェアラブルカメラ「GoPro」用のアクセサリーとして、小型のリモコンまたはスマートフォンとカメラを無線LAN接続して操作できるアダプタ「Wi-Fiバックパック&リモート」(AWIFI-001)を6月上旬に発売する。価格は未定。

 また、防水ケース「フラットレンズハウジング」(仮)も6月上旬に発売する。価格は未定。



■ Wi-Fiバックパック&リモート

「Wi-Fiバックパック&リモート」に含まれる無線LANアダプタ

 発売中の「GoProHD HERO2」(31,498円)は、1,100万画素の1/2.3型CMOSセンサーを備えたビデオカメラ。記録媒体はSD/SDHCカードで、最大容量となる32GBのSDHCカード使用時には、1080p/30fpsの動画を約4時間分記録できる。動画のコーデックはMPEG-4 AVC/H.264(MP4)。内蔵マイクで録音できるほか、別途外付けマイクを利用することも可能。

 付属のケースや、別売アタッチメントで、自転車や自動車、バイク、ヘルメット、サーフボードなどに装着可能。様々なスポーツの動画を撮影できる。

 今回発売される「Wi-Fiバックパック&リモート」は、GoPro HD HERO2や、スタンダードモデルであるGoPro HD HEROの背面に装着することで、遠隔操作を可能にするアダプタ。操作は付属のリモコンで行なえるほか、9月に無償提供予定のiPhone/iPad/Androidアプリや、パソコンからも可能になる。

 最大50台のHD HERO/HERO2を一度に操作可能で、通信距離は約200m(付属リモコン利用時)。複数台を操作する場合、付属リモコンを使用した場合は同時動作になるが、9月提供のアプリを使った場合は個別に操作や設定変更が行なえる。

側面GoPro HD HERO/HERO2の背面に装着する付属のリモコン
9月にiOS/Androidアプリを提供予定

 このアプリを使うことで、スマートフォン/タブレットをビューファインダとしても使えるライブストリーミング機能も利用可能になる予定。カメラのSDカードに1つのストリームを録画しながら、もう一つのストリームをiPhoneなどに表示することもできるという。なお、iPhoneなどへのストリーミング時は解像度が最大WVGAの30fps(アップデートで60fps対応予定)となる。また、ストリーミング機能はHERO2のみ対応し、初代のHEROでは利用できない。

 さらに、同アプリにはWebアップロード機能も実装予定。YouTubeへのアップロードや、Ustreamへのリアルタイム配信に対応する見込みだという。

 なお、5月の発売当初はiPhone/iPad/Androidアプリがまだ提供されないため、リモコンがセットとなったパッケージだが、アプリ公開後には、Wi-Fiアダプタのみのパッケージを発売することも計画している。



■ フラットレンズハウジング

フラットレンズハウジング

 従来のケースは、レンズ部のカバーがカメラレンズに合わせた曲面形状だったため、周辺部がボケていた。新製品は、レンズ部のカバーを平面にしたことで、周辺までシャープな映像を撮ることができるという。

 ケースに入れた状態で、水深200フィート(約61m)まで対応。なお、平面カバーを使用したため、従来ケースに比べて若干レンズ部のカバーが大きくなっている。


パッケージその他にも、2台のHD HERO/HERO2を組み合わせて撮影し、専用ソフトで3D再生できるキット「3D HEROシステム」(AHD3D-001/12,600円/写真左)や、ライブビュー/再生が可能な「LCDバックパック」(ALCDB-001/9,975円/写真中央)、「バッテリーバックパック」(ABPAK-001/6,300円/写真右)などを販売しているその他のGoPro用アクセサリ


■ 「GoProネットワーク」は拡大

GoProのカメラの歴史

 GoProのスポーツカメラは、2005年4月に発売された35mmフィルムカメラが第1弾。'07年には最初のデジカメとして、300万画素のモデルが登場した。その後も170度広角レンズを採用したモデルを'08年に発売するなど進化を続け、'10年1月にはフルHD対応の「HERO」を、翌'11年10月に画質や機能を強化したHERO2を発売。この分野の市場の先駆的な存在としてグローバルで高い認知を得ている。

 発表会には、米GoProのインターナショナルセールスディレクターを務めるNeil Dana氏と、ブランドディベロップメント担当のJustin Wilkenfeld氏、インターナショナルセールスサポートのArt Cervantes氏が来場した。

 Neil Dana氏は最初の35mmカメラを振り返り、「最初は小さなリストカメラから始めたが、今はNo.1ブランドになり、欧州やオーストラリアなどでも存在感が大きくなった。最初は、GoProで撮った映像をコンシューマに見せる機会が少なかったが、小売店の協力で店頭にPOPディスプレイを作ったことで、売り上げは5倍に増え、GoProのコンテンツをいろいろな場所で観てもらえるようになった」と述べた。

 Justin Wilkenfeld氏は、「GoProはカメラだけの会社ではない」と述べ、GoProで撮ったコンテンツをメディアとして積極的に見せているという取り組みを紹介。YouTubeのチャンネルで250本の動画を公開しており、10億以上のビューを得ているという。「ユーザーの大切な一瞬を撮って、シェアするのは一番大切なこと。コンシューマからプロまで認知され、GoProネットワークは広がっている」とアピールした。

 Art Cervantes氏は、GoProの目標である「新しい見地から世界を撮影する」、「誰でもプロの映像を作れる」、「自分の一番スペシャルな経験を撮影する」という3つを紹介。「特に現代はYouTubeやオンライコミュニティ、カルチャーも浸透しており、それに合った製品」とした。

左から、米GoProのNeil Dana氏、Justin Wilkenfeld氏、Art Cervantes氏GoProの掲げる目標会場では、レーサー“モンスター田嶋”として知られる、タジマモーターの田嶋伸博社長が実行委員を務め、GoProもパートナーとして参加する「2012 Team APEV with モンスタースポーツ パイクスピーク EVチャレンジ」に関する発表会も併せて行なわれた


(2012年 3月 27日)

[AV Watch編集部 中林暁]